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118話 7才 クリスマス3

 お姉ちゃんは病院でお母さんに会えることが嬉しそうだ。


 病室の扉を開けると、お母さんはベットに座っている。


 「お母さんー」

お姉ちゃんはお母さんに抱きつく。


 「光、ごめんね、心配させちゃったね」


「いいよ、大丈夫、ゆうきも居たから」

 少し泣きそうな顔をしてるけど、我慢して、笑顔をしている。


 俺の方を見て、安心した顔すると、

「そうだね、ゆうきもいるから、安心だね」


「でも、お母さんが居ないと寂しかった。」


 「うん、お母さんも寂しかったよ」

 悲しそうだけど、嬉しさも感じる顔をしている。


「ねぇ、、お母さん」


「ん?」


 「大好き、、いつもありがとう」


「私も大好きだよ、光!」

 お母さんは涙で抱きつく。

お姉ちゃんは普段からお母さんにとっても懐いてる、

 でもストレートに言ったのは初めてだろう。


 「もちろん、ゆうきもだよ」


「俺もだよ、お母さん」


そして、俺もお母さんに抱きつく。


 そこから、ほんの数日だが、お母さんのいない毎日を話した。


 母の話によると、退院は遅くなりそうだった。


  母はいつも、クリスマスプレゼントを用意している。

 だが今年のプレゼントを用意出来ないことを悔やんでいる。


 お姉ちゃんもとっくにサンタの正体は知っているので我慢出来る歳だった。

 

 お母さんは何度も言う、

  「光も、ゆうきも、すっごく、すっごく良い子にしていたのにごめんね」



 話す時間が終わり、家に帰る。

 明日から学校も始まる。


 俺はずっと見ることを伏せていた。


 「しもしも、」


「どうした?ゆうき」


「俺のあの時の財布ってあるか?」


「あるよ」


「持ってきてくれ、」


「ついに、見るんだな」


「あー」



俺は親友から財布の中入れていた、データが入ってるカード。

 母に大切にしろとよく言われた。


 このデータには前世の家族が映っているから

 俺は今の家族の関係を崩さないように見ないようにしていた。




 でもお姉ちゃんを見て、俺ももっと家族について知ろうと思った。



 中には動画がいくつもあった。

 『えー、えっとあっっ、始まったかな、、、

 ど、、どうもお姉ちゃんです。

    こっちが太陽です。』


 (初めて子どもの頃のお姉ちゃんの声が聞けた。)


『このビデオはね、太陽と会える最後の日のビデオだよ』


 『そして、証拠としても残しす為にもある。

 最後は私のベストシーンを残してるから、よかったら見てね。』


 家の中で盗撮された虐待の場面が映っていた。

叩かれ、殴られ、蹴られる。

 中には母から金を奪うところも映っている。


 そして、最後は正式に離婚をする話になって、父親の映像は終わった。


 今度は、最初の場面のお姉ちゃんと俺が映ったシーンに戻った。

 

『最後の映像、見たかな、離婚になっちゃったの、、、、』

 

姉は涙を流す。


『私ね、アイツと別れるのは良かった。ただ条件があった、それはどっちかを引き取ること。

 証拠もこんなにあったのに、こんなにたくさんあったのに、

 こんなことになっちゃった。ごめんね、太陽、、、』


 悔しそうに 泣きながら赤ん坊の俺を抱きしめる。


『私ね、もう一緒には居られないんだ。寂しくさせちゃうよね、、ごめんね、、、、、

最後にこの四葉のクローバー大切にしてね。これを持っていると幸せになれるから』


 少しだけ、成長した手でそのクローバーを握る。


『最後にこのシーンを見てね、太陽が生まれた時だよ』


母が横にいる。

 

 そしてお姉ちゃんが俺を抱っこしている。

 『太陽、太陽ーー』

 

 転生したすぐの時の、

 俺を抱っこして何度も名前を呼ぶをお母さんの姿を思い出す。


もう一度ビデオはさっきのシーンに戻り、

 「いまもかわいいけどこのとき、かわいかったな、、、、、、、さい、ごに、、ね、た、、いよう、、だ、、いすきだよ、、愛してる」


 そしてビデオは終わった。

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