111話 7才 懐かしい店
俺はカフェに来ている。
昔、高校時代にアルバイトで来ていた。
店長は元気しているだろうか、、
昔は必ずバイトに行っていたから、久しぶりの高校に行くような感覚だ。
「いらっしゃい、」
店長は少し驚いた顔をしている。
良かった元気なようだ。
俺はミルクを頼む
「うちにミルクは置いてません」
知ってた
店長はこの子しっかりお金を持っているのかって目をしていた。
「ねぇ、店長」
ビックリしている。そして、笑いを堪えてる。
俺も笑わせる為にさっきから全力でカッコつけた頼み方をしている。
「はい、お水ね」
「マスター、トントン」
「なぜ、それを知っている。」
「まだ、秘密」
俺が昔、マスターに裏メニューを作りたいと言って作ってもらった。名前は俺が適当に考えた。
「おーーーー、これは」
そう、激甘スイーツのパフェ
俺は全力でガブリついた。
「マスター、、、あら、可愛いお客さん」
「俺は、思いっきり吹いた」
忘れていた、、
俺を嫌っていた後輩の一人、高山さん
「お客さん、トントン知っているんだよ」
「ねぇ、君それを誰から聞いたの?」
顔が近い、、
「えっ、、、とね」
マスターが口にする
「お客さん、昔働いていた従業員に似ていますね」
くっ、流石マスター、良く人のことを見てる!!
ただ高山さんがいる前では言って欲しくなかった。
「ほんとだ、、先輩みたいだ、、、」
先輩か、、流石に前世の俺を言っているのだろうが、
一度も先輩と言われたこと無かったな。
先輩呼び憧れていたのに、、死んでから呼ばれるとは
一応、確認してみるか、、
「それって、どんな人」
「うーん、女の子から嫌われていて、
ウッ、、いやクラスの人から嫌われていたわけでは無かったが、、、、
「ゲームやアニメばかり好きなオタクで、、」
それは褒め言葉ですね
「足が遅くて、」
ウッ、それは完璧事実。
「頭が微妙で、」
ウッ、それも平均点以下
「不器用で」
ウッ、ごめんなさいマスター
と言うかマスターカバーして下さい。
「でもね、すごく良い人」
あれ、もうデジャブ、、、
最近前世のこと褒められてばっかりだし、
「優しくて、気がつかえて」
俺は、あんまり君と話をしていないような、、
「私を助けてくれた人
やべぇー覚えてねぇー
「私、その人がここでバイトしてるって知ったから、私も一緒に居たくて始めたの」
なるほど、どうりでタイミングをずらして、入れていた筈なのに一緒になるわけだ。
「先輩が高校を卒業したら、告白するつもりだった。」
「でも車に轢かれた」
「え、なんでそれも知っているの」
思わず口に出た、
俺はカッコつけて、、
「それは、君の心のハートを掴んだからだよ」
「この子何を言ってるの?」
7才相手に引いた顔をしている。
どうしても、カフェでカッコつけたくなるんだよね
「それは、俺が太陽の生まれ代わりだから、言えること」
「、、、何を言って」
マスターも洗った食器の手を止めた。
すでに一つの疑問に思っていたのだろう、トントンはスタッフ限定のメニューだ、つまり誰かが言わない限り、一般の人に出ることはない。
そして、俺も誰にも言ってないし、俺が生きてた頃は、
一度もスタッフ以外でそのメニューを口にしたことは無い。
太陽に顔が似ていること、7才とは思えない奇抜な行動。
「久しぶりです。マスター、そして、高山さん
車に轢かれてから7年、俺は新しく勇気になって帰って来ました。」
「そんなこと、あるわけない」
「マスター、この店にバイトに来た時、高校1年の3月だったよね」
!!
「今から7年前のメニュー全て言うよ」
この過去の暴露の流れも、恒例となったな、
これが一番楽に証明出来るからなんだけど、、
「あってる、、、」
ついでに料金も答えた。
高山さんは、後ろに下がって机にぶつかって
痛っと言った。
「マスター、不器用な俺をやっとてくれてありがとうございます。
」
前世の俺は人をツンデレにしてしまう能力を持っていたのかな?




