愛が見え始めたら…
今日は交合の作法について大いに語るから心して聞くがいい。
まずは初めて異性と交合をする時の基本的なマナーについてだ。
避妊の為にスキンも大切だろう。
だが、それ以上に大切なものがある。
それは何か?と問われればセックスの達人たる職業セックス師ふじわらしのぶ(ギネスブックに記載されている)つまり私が答えてやろう。
ジャパニーズ・ウッド・ドール”こけし”だ。
断じて言っておくが電化製品ではない、お土産屋さんに売っている木製のアレだ。
まずこれから交合をする予定の女性にこけしを見せる。
多くの女性はこけしを見た途端に、”こんな物が私の内宇宙でヘブンアンドヘルしちゃうの⁉”と驚く事だろう。
私は今まで一千億人の女性と関係を持っているが、セックスの前にこけしを見せると全員、消防車を呼ばなければならないほど出た。何がとは言わない。それが大人のマナーだ。
これで交合における主導権は間違いなく君の物だ。
初プレイ時でも三回までなら暴発を許してくれるだろう(※国民的情報誌「ふじわらしのぶマガジン」より)。
ここで素人ならば即「ウラキ少尉、吶喊します‼」とばかりにGP02に向かって行くところだろうが、雰囲気がそれではぶち壊しである。
世の女性たちは意中の男性にある程度焦らしてもらいたいのだ。
接続者満足度100パーセントの私が言うから絶対に間違いない。
そもそも女性が交合という特異な状況で男性に求める物とは余裕と安定である。
嵐のように激しいロデオ運動の最中でも決して動じないガチャピンやゴンタ君の持っている安定感と余裕に女性は異性の魅力を感じるのだ。
君が交合の相手を人生の伴侶にしたいと感じるなら次なるレッスンは必聴だろう。
ホテルに持参したこけしを見せることで女性を期待させた君の使命は腕立て伏せを見せる事だろう。
これは百回くらいでいい。終わった頃には焦らされた女性は床に不二家のネクターみたいな液体をぶちまけていることだろう。
替えの下着を用意してやるのは紳士の嗜みだと思いたまえ。
そして興奮状態にある女性の肩に優しく手を置いて殺し文句”おいおい。梅雨の季節はもう終わっちまったんだぜ?”と言ってあげよう。
後はダスキンを読んでネクターを始末してもらえばホテルの従業員もきっと感謝してくれるだろう。
作業途中にいくつか機転を利かせる必要があるだろうが、大丈夫。
愛があればどんな障害だって乗り越えられる。それが愛だ。
交合は愛を迎え入れる為の手段であって目的ではない。
だが、こけしと腕立て伏せは必要不可欠だ。絶対に用意しておきたまえ。
さて次はいよいよパートナーの身体を使ってギッコンバッタンするわけだがその前に時計を見た方がいい。
ラブホテルに入ってからまだ十分も経過していないだろう。
休憩、宿泊のどちらを選択するかは個人の自由だがやはり料金分はしっかりと楽しみたいというのが人情だと思う。
そこで私が勧めるのはベッドの上でのトランポリン運動だ。
二人で全裸になってスプリングの利いたベッドの上で飛び跳ねるのだ。
えっ?そんな事をしないで早く突っ込みたいって?
駄目駄目、パートナーだってきっと童心に帰って君と遊びたいって思っているはず。
さあシャツなんか脱いで生まれたままの姿になりたまえ。
そしてベッドにダイブ…ッ‼今だけは子供の頃に戻ってパートナーと一緒にボヨンボヨンするんだ。
明日から辛いだけのルーチンワークが続くだろう。
だけど君はここでトランポリン運動をした事によってかつてない癒しを体験したはずだ。
何ならこの後、パートナーと一緒にラストレターを書いてもいい。
どうせ生きていたってロクな事はないのだから今では飛び跳ねよう!
そして明日からは下だけを向いて暮らすのだ。
おお…ッ、何で生まれてきたんだ。俺たちは…。
さあトランポリン運動で身体が体温が上昇してきたところで腹ごしらえを忘れてはいけない。
交合も三大欲求の一つかもしれないが、腹が減っては戦は出来ぬ。
というわけでルームサービスの出番だ?何て言うと思ったかい。
もし君が素っ裸のままフロントに行ってルームサービスを頼もうものならパートナーは失望していただろう。
しかし、ここで思い止まってふじわらしのぶのアドバイスを思い出した君は…賢者だ。
メモの準備はいいかい?
さあ明日のヒーローになりたければ今から言う事をしっかりと覚えておくんだ。
これが出来ればもう女なんて怖くない。
なぜならばこの接続顧客満足度ナンバーワンの男が実際に接続した女性から聞き出した話なんだから嘘じゃないに決まってる。
女性の食欲と性欲の両方を満たすその方法とは、バターだ。
まずバターを二分の一にして君とパートナーのお腹の上に置く。
ここまでは誰でも出来るだろう。だがふじわらしのぶのマジックはここから始まる。
さっきまでトランポリン運動をしていた君たちの身体は熱したホットプレートのように温かくなっているよね?
じゃあ次はそのお腹の上にバターを乗せてごらん?
じゅううううう…。
ホラ、聞こえるだろう?バターが溶けているんだ。
きっとバターが全て液体になって蒸発している頃には部屋の中はおいしそうなバターの匂いでいっぱいになっていることだろう。
そして匂いを十分に楽しんだ後は近くのコンビニで食パンでも買って食べるといいぞ。
これはアドバイスだけど、身体にくっついてるバターをパンに塗ると後でお腹を壊すかもしれないから止めておいてね。
さて、ここまでやれば交合など終わったも当然だ。
バスルームで身体の汚れを落として家に帰ろう。
パートナーにはウィッグでもかぶせて二人でサングラスをかければ不倫しているアイドルだと思われるかもしれない。
こうして君たちは土曜ワイド劇場(※密会の宿シリーズ)ばりのスリルとサスペンスを体験できるのだから、もう私には感謝の言葉しかないわけだ。
お代はいらないよ。
君たちの笑顔が…、破壊神バリドゥアマドーラの糧となるのだ。
フハハハハハッ‼