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星まつり

読者の皆様!!ありがとうございました!!!本投稿で完結となります。

この続きは、タイトルを変更してシリーズとして書いていきますので、引き続き宜しくお願い致します。


更新→最後の一文だけが変更となりました。

月涼とリュートの婚儀から、半年が過ぎようとしていた。その間、かなりの騒動を起こしてきたのは、言うまでもないが、リュートとの仲は、上々で過ごせていた。


「月の物も安定してきたし・・・あの仲の良さでしょ・・・ねぇ~。思わないルーラン?」


フルルがルーランたちに同意を求めて言う。


「そうですとも。もう、そろそろ、お世継ぎ誕生のお知らせも聞けそうですよね?」


4人は、部屋で仕事をしながら、和気あいあいと話していた。


「あーーー。待ち遠しいですわ!!お二人の仲の良さを見ていると、うっとりしてしまいますもの。」


そこへ、月涼がバタバタと走って帰って来た。


「あーっルーラン!!私の鞭探してるんだけど・・・。知らない?」


「それでしたら、藍様が厩まで、持って行かれましたよ。」


「入れ違いかーーー。」


「お待ちください!リァンリー様、その・・・・衣装は、もしや?藍の騎馬衣では?」


「うん。そうだけど・・・。」


「はっ!!私が着せた騎馬衣は?どうなったのでございますか?」


「だって、あれ、ヒラヒラが多いから乗馬しにくいんだもん!!綺麗だけど・・・。藍が羨ましそうだったから取り換えたよ。」


フルルは、卒倒しそうになった。リュートに妃らしい服装をさせてくれと、再三頼まれているからだ。

だが、もともと男装が好きな月涼にとって、妃らしい服はかなり苦手であり、フルルの目を盗んでは、男装に着替えてしまうのだ。


「そんな・・・リァンリー様・・・。今回のは、かなり、男性の物に近しく仕立てたではございませんか~。」


フルルは、ため息をつきながら言う。


「大丈夫!!言葉遣いは、マシになってきたでしょ。フフフ。」


「そういう問題ではございません!!」


ルーランもルキやラキも、また始まったとばかりに、毎日のやり取りを遠巻きに見て呆れている。


「殿下に怒られて、星まつりに行けなくなっても知りませんよ!!リァンリー様!!」


「えー!!大丈夫だよ。リュート優しいし。フフフ。」


意に介さず答える月涼に、フルルは、ぷるぷると拳に力を入れて怒っている。


「まあまあ、そんなに怒らないでよ~フルル。リュートが来る前に着替えるから。ね。」


そう言うと月涼は、くるりと踵を返して部屋から出ようとして、どんッと何かにぶつかった。見上げるとそこには、リュートのお怒り気味の顔がある。


「むぅぅ・・・。」


変にうなってから、ひょいとよけて逃げようとすると、リュートの後ろから藍も現れた。


「月・・・。ごめん。見つかった・・・。」


「うっ・・・。藍・・・。つかまったのか・・・。」


観念する月涼。だが、助け舟がやってくる・・・待ってましたと顔を綻ぶ月涼。


「リア?まだか?待ちくたびれたぞよ。」


助け船とは、そう・・・王后ソニアだ。


「義母上様ーーー!!お助けを!!つかまりましたー。」


「何と?そなた、すぐ捕まるのう。」


「また、母上ですか!!」


「たわけ、リュート。母が義娘と出かけて何が悪いのだ?ちゃんと、星まつりの時間には帰ってくるつもりじゃ、安心せよ。ほほほほほほ。おっあれに見えるは、ダリアじゃないのかえ?」


「えっダリアですか?」


ダリアに気を取られたリュートを残して、ソニアが月涼に『行くぞ!』と合図し、3人はいそいそと出かけるのだった。


「また、やられた・・・。母上には、負ける。」


リュートもフルルたちも、呆れて見送るしかなかった。


「殿下・・・とりあえず、星まつりの時間には、お帰りになると約束されましたので、準備だけしておきますわ。」


フルルが、ため息をつきながらリュートに言うと、リュートも同じようにため息をついて、頷くのだった。


今日は、年に一度の星祭がある日だ。


星祭の起源は、双頭竜族が青華国に流れ着いた日に、大地浄化の祈りを施した日である。そして、その日は、千の星が流れ、その星に祈りをすれば、願いが叶うといわれる日だ。


リュートは、月涼と初めての星まつりで、かなり楽しみにしており、そのため、公務を減らして出かけようと準備していたのだ。


『仕方ない、戻るまで公務に勤しむしかないな・・・。だが、父上にも再三お願いしているのに、母上とリアの行動範囲は、広がるばかりだ・・・何もなければ良いのだが。』


リュートの心配は、よそに二人は、領地の見分を楽しんでいた。つまり、二人にとって、遊んでいるわけでなく公務でもあったのだ。



「良かったのか?リア。今日は、星まつりじゃ・・・。準備をして出かけたかったのではないのか?」


「義母上様・・・。この先何度もやってくる星まつりです。間に合えば良いのです。さあ、今日の領地は?どこですか?」


「うむ。早う帰らねばならぬからの、一番近い、農村に行くぞ。」


「はい!!」


藍を伴い、二人は、城よりほど近い農村アルダに向かった。


城から出た月涼たち3人をテソの丘の上から、遠眼鏡で確認しているものがいるとも知らず・・・。和気あいあいと農村の村人と会話し、農地の様子を確認した後、星まつりに間に合うように月涼は、帰路についた。


そして、初めての盛大な星まつりが始まる。大神殿で、神女が点灯の儀式を始め町の浄化が始まる。

浄化の儀式が終わると、夜空に花火が打ち上げられ盛大なお祭りの始まりだ。始めの1刻ほどは、王族も儀式に参加して、浄化の儀式に加わるがその後は自由だ。


リュートが月涼にお忍びの服に着替えるれるように、準備してくれていたおかげで儀式の後、直ぐに街へ出かけることが出来た。


「さあ、行こう。リア」


「ええ。リュート。あっそうだ、さっき、城に戻るときにいちご飴の屋台を見たの!!それを食べたい!!」


「ああ。分かったよ。じゃあ、まず、そこだな・・・。」


リュートは、月涼と手をつなぎその姿を見つめながら、『幸せだな』と心から感じていた。そして、その日がいつもの様に・・・終わると思っていた。


月涼もまた、同じように思いたかった。




その後の月涼のお話は、また、違う場所で・・・。

















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― 新着の感想 ―
[気になる点] 観念する月涼。だが、助け舟がやってくる・・・待ってましたとにやける月涼。 にやける(若気る) 男性が女性のようになよなよとして色っぽい様子。 鎌倉・室町時代に男色を売る若衆を呼んだ…
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