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選秀女と東宮妃 4

仁軌の合流で、改めて、外から斉明公女か確認してもらった。


「斉明公女で間違いないですか?」


「実は・・・私も公女にはあったことがないんだ。」


「えっ・・・・・・・。」

月涼と仲達が絶句する。


「だがな、間違いないだろう。あの簪は陛下がこの度の輿入れの為に公女に下賜したものだ。見たことがある。見た目は派手ではないが、かなり高価なものだ。海南国のもので、亀の甲羅から作るらしい。」


仁軌がそういうので納得する二人だった。


「で、どうします?仁軌さんがそのまま、国王の下につれていきます?」

月涼が聞くと仁軌は首を振った。


「いや、斉明様は、頑固で有名な方だ。多分、迎えに来たと言っても動かんだろう。」


「じゃあどうしましょうか・・・困りましたね。」

月涼と仲達は、顔を見合わせる。


「このまま、旅をする体で連れ帰るのはどうだ?道中で社会勉強で懐柔して宮中に入ってもらうとか・・・。」

仁軌が良い案だとばかりに意気揚々と言った。


「仁軌さん・・・言うは易し行うは難しです。ですが、あのまま、こちらの宮中入っても問題は必ず起こしますね・・・。はぁ~。」

月涼は、ため息をつきながら言う。これには、仲達も頷いていた。


「月涼、どのみち連れ帰るのは私たちの使命だ。諦めて動くしかなかろうな。」


「仲達さん・・・貴方まで・・・ったく。」

どうしてこう厄介ごとになっていくんだ~。


ただの舎人なんだぞ・・・と思う月涼だった。


3人で店の外でこそこそと話し合っていると痺れを切らした藍が呼びに来た。


「月・・・飯食おうよ!!。あっ仁軌さんじゃん。」


「しーっ!!でかい声だすなよ藍。」


「うん。そっか、あいつ公女様だった。忘れてた・・・へへ。だから仁軌さん来たんだな。」


「お前、相変わらず軽いな・・・くくく。」

苦笑する仁軌に月涼が言う。


「笑い事じゃ~ないんです。国事ですからね。」


「そうだったそうだった。くくく。」

笑いが止まらない仁軌。人の不幸は密の味状態である。


月涼は、仁軌も巻き込んでやる!と考えこれからの人数に仁軌を入れて考えることにした。


「藍、戻って公女に、自分たちと一緒に行こうと上手に誘ってきて。私たちの事情や使命は内緒でですよ。あくまで、旅は道連れ世は情けです。」


「世は情けってなんだ?まっいっか。分かった。任せとけ。」


「仁軌さんは、国王にすぐ謁見してこのことを伝えて誘拐にならないように手配してから再度合流してください。」


「えっ合流って。私も行くのか?」

仁軌は巻き込まれると思ってなかったらしく・・・慌てる。


「何言ってんですか。提案したの仁軌さんですよね。」

上目づかいで言う月涼。


「まぁ、まぁ、月涼。仁軌も孫に会えなくなるからちょっと辛いだけだよな?」

仲達が間に入ってなだめる。


「それから、仲達さんは、公女の入宮が遅くなることを簡単に陛下へ報告しておいてください。」


月涼がさらに皆に言う。


「斉明公女を無事に入宮してもらうため、わざと遠回りで城下に入ります。懐柔しながら教育もせねばなりません。入宮前に離宮に入るようにもしましょう。」


「はぁ~また、離宮か・・・。」

藍、仲達、仁軌が口を揃えて言った。


その後、藍がなんだかんだと斉明公女を口説き道中を歩み始める一行だった。



今回の件の知らせを受けた両国は、とりあえず、月涼たちに任せることにした。


どちらの国も公女入宮がうまくいかなければ、また戦争に発展しかねないので穏便に運びたかったからだ。



その頃、西蘭国宮中には、秀蘭児がすでに入宮しており。東宮妃候補としての教育が始まっていた。


他にも東宮の為の後宮準備が始まっており、それに伴う宮女たちの選秀女が行われ、決まり次第入宮していった。人気の場所は尚功局の刺繍房で、ここで腕を磨いた宮女は、宮外へ出た後、女性でも商売を始める者もいたからだ。


その他の人気と言えば礼部に属する尚儀局であろう。良家の娘にとっては、宮中のしきたり作法なども習え玉の輿を狙える場所でもあり、何とか手を回して入ろうとする場でもあるが、かなり厳選される部署でもある。


選秀女が進んでいく中、不貞腐れながら中途半端にしかできていない帝王学を詰め込まれている奏。


自ら月涼の行方を捜したくとも探せずにいた。当たり前である・・・・・・・。


陛下も月涼に執着する奏に頭を抱えていたがそこは、責務を全うさせるべく動かねば仕方なかった。


そして、北光国では、仁軌の連絡に右往左往していた。


本人不在のまま荷物だけ先に送られている状態だった為、早馬で荷物の先を離宮へと変更するなどの処理に追われたからだった。


「劉将軍!!、今回の任務も頼んだぞ。西蘭国との間を取り持つのは其方に限るな・・・ははは。」

明らかに苦笑いでごまかす国王を尻目に、またしても出立せねばならない仁軌だった。


「あいつとかかわると厄介ごとが増えることだけは確実だな・・・。」


北光国での処理を済ませ、かわいい孫にしばらくのお別れを告げる仁軌。


「すまぬな。しばらく、帰れぬ。安里と孫たちを頼むぞ。珠礼。」


「お任せくださいませ。旦那様。」


仁軌は、安里の侍女だった珠礼とちょおおっと・・・であった。







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