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魔力暴走の裏側

 本編プロローグの魔力暴走が起こる直前の様子などを主人公の火丸恭珠視点で話していきます。










 その時は突然やってきた…私の日常がいきなり変わるなんて夢にも思わなかった。



 なんでそこに行ったかは分からない。でも何となく導かれるようにその場に行ったような気がする。何に?とか、なんで?とか聞かれても答えられない。私の感覚でしかないから。

 でもこれはきっとなるべくしてなったことなんだよね。

 今ならそれがわかる気がする。











_______________











「うーん、気持ちいいね。この草原魔物とかもいなくて安全だー!」





 私は伸びをして草原に倒れ込む。柔らかい草が当たって少しくすぐったいけど心地いい。草の匂いもさわやかに感じる。



 何となく仰向けになって空を見る。どこまで広い青空が広がっている。空に鳥のような影が飛んでいるのが見えた。遠すぎてなにかまでは分からないけど悠々と飛んでいることだけはわかる。



 何故かその影が懐かしくなって私は空に向かって手を伸ばす。何となく今日も忙しそうだなー、とか気づいて降りてくるんじゃないかなー、とかありもしないことが次々と頭に浮かんでくる。



「またみんなで一緒に遠出したいなー。背中に乗せてもらうと自分も空飛んでるみたいで楽しいんだよね!」




 そこで私は自分の言葉に驚き、思わず起き上がる。




「私今なんて言った?」




 自分の発言を思い出しながら考える。


『みんなで』ってだれ?『背中に乗せてもらう』ってなんのこと?それに…懐かしいって何が?





 自分で言ったはずの言葉に次々と疑問が浮かんでくる。考えても考えても何も分からない。思い出せない。そもそもなんのことかが分からない。なにか、大事な事を忘れているような…忘れちゃ行けない事だったような気がするのに…



 何かに気づきそうになるとモヤがかかったように隠されてしまう。そんな気がする。







 ため息をついてまた草原に倒れ込んだ。そして頭をくしゃくしゃにする。






「もー!わかんない!なんか大事なことの気がするけどー!こんなに考えてもわかんない!」







 一通り叫ぶとモヤモヤが晴れて少しスッキリしたように感じた。帰ろう。そう思って立ち上がり草を払う。




 振り返って歩きだそうとした時後ろで声がした。



「「「ローゼ!」」」



 その声に思わずに振り返る。でも誰もいない自分の名前じゃないはずなのに、自分が呼ばれてる気がした。元々自分がそう呼ばれていたような気がした。


 



 その声に答えるべき言葉は分からなかったけど、何故かわかる気がして口を開きかける。

 その瞬間に私の中の魔力が暴れ出す。それを抑えようと胸に手を当てるけどそれも意味はなく、私の魔力の勢いはますます強くなり立っていられないほどになる。だんだん体が熱くなり、呼吸も苦しくなる。魔力も私の制御を完全に離れ周りに溢れ出す。






 苦しくて辛くて目も開けられなくなった私が倒れる寸前に見たのは光が溢れ炎が立ち上る光景だった。その後直ぐに私の意識は途切れた。


















_____________









 倒れた時はもうここまでかーなんて思ってたけど本当に賢者の皆さんに助けてもらえてよかった。もしあのままだったらどうなってたかなんて考えたくもない。




 お世話になってるのはちょっと申し訳ない気がするけど、でも皆さんに会えて不思議と安心してる自分もいる。

 やっと会えたっていう気持ちもあるから私はびっくりしてる。




 最初にも言ったけど根拠なんてない。あくまで私の感覚だから証明のしようがないし信じて貰えなくてもしょうがないと思ってる。




 でも、私はこれが『運命』とやらの導きなんじゃないかと思ってる。そんなものがあるかなんて知らないし、別に盲目的に信じてる訳でもない。でも、ちょっとは信じてみてもいいよね?







「恭珠ー!はやくおいでー!」


「もう先輩たち来てるよ!」

 

「はーい!今行きますー!」





 ごめん、呼ばれてるからもう行くね。こんな話聞いて楽しかったかは分からないけど暇つぶしにはなったでしょ?

 また何かの機会があったら話そうかな。まあ、次があるかも分からないし誰かも分からないけどね。




「恭珠ー?」


「あー、ごめんなさい!今行きますからー!」





 今度こそバイバイ!







「お待たせしましたー!って皆さん揃ってたんですね!」


「そうだよ。恭珠が最後」


「なかなか来なかったけど何してたの?」





 なんと答えていいか分からなくて私はちょっと口ごもる。




「何…強いて言うなら近状報告ですかね?」


「え?誰に?」


「うーん…誰でしょう?」


「誰かも分からない人に近状報告してたの?」


「まあ…そうなりますかね。まあなんでもないですよ。気にしないでください」





 まだ怪訝そうな顔をしていたけど聞くのは諦めたみたいだった。まあ、私も話さないつもりだからありがたいけど。




 私は頭を切りかえて皆さんの話に加わる。この日常はずっと続いて欲しいなー


















 全てではありませんが時々このような書き方の小説をあげようと思っています。

 何を書くかなどは未定ですが楽しんでいただければ何よりです。

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