プロローグ
初投稿です。
暫しこの妄想にお付き合いください。
「知らない天井だ…。」
…。
……。
勘弁してくれ。
まさかこの台詞を生で言う日が来るとは…。
とりあえず、直近の記憶を整理してみよう。
昨日は…
…飯食って風呂入って歯磨いてソシャゲやって寝ただけだな。
うん、笑っちゃうくらいいつも通りだ。
それじゃあ何故、俺はこんな見覚えの無い部屋に居るのか。しかも寝る前にはパジャマに着替えてた筈なのに、今は普段着だ。…何故か財布もスマホも持ってないけど。
窓から見える景色も見覚えは………。
ん? この窓ガラスが嵌まってないな?今時珍しいような…案外そうでもないのかな?
いや、それ以前に…
「ログハウスか?入ったことすらあまり無かったと思うけど、こういう感じなのかな…って、そんな場合じゃねぇか」
そう、俺が目覚めたのは何故かログハウス(?)の中だった。木製と一目で分かる床や天井に、丸太の丸みを感じられる壁。そして部屋の中央にはこれまた木製の、素人の作と見てとれる一脚の椅子と小さなテーブルのセットが有った。見える範囲にドアは一つしかなく、階段の類も見当たらない。随分と簡素な印象を受ける。
しかし何と言うか…生活感が無い。何年か前に放棄されて、それ以来使われてこなかったかのような感じだ。
なんだが…
「…何だこりゃ。」
ふと、テーブルの上にメモが置かれているのが見えた。紙の色は真っ白で、しかも触ってみると慣れ親しんだ洋紙の手触りだ。
…どう見ても、この放棄されたも同然の小屋には不釣り合い。誰かが意図的に置いたようにしか、俺には思えなかった。
ならやる事は一つ。
「どれどれ…?」