3,生まれ変わったら主人公!?⑶
※加筆修正済み
今回はお風呂だけど入浴シーンは上手く書けません……。
「な……何よこれ……!」
風呂場に入った私は愕然とした。
愕然とせざるをえなかった。
向かう目線は脱衣所の外、浴室……。
広い。とてつもなく広い。
本当に何なのよこの屋敷は……。
広すぎることこの上ない!
絶対これ、浴室だけで私が前住んでいた家と同じぐらいの広さがあるわ……。
もちろん一部屋の大きさではなくて家全体の大きさのことよ?
いったいどれだけ広いのよ、この邸宅は!
ゲームで見てた頃は一部分しか表示されてなかったから、知らなかった……!
「では、ごゆっくりどうぞ。」
……あぁ、そっか。
まだ脱衣所の外にセシルがいたのね。
いつでも付き従ってるって感じだなぁ……。
侍女ってすごいのね。
「の〜んびり入るから、邪魔が入らないようにしておいてね〜。」
と、何とも軽い調子で言う。
だってこんな広くて豪華な浴槽なんだもの、ゆっくり楽しまなきゃ損でしょ!
「承知しました。」
私は覚悟──何のとは言わない──を決めて、広い浴槽に足を踏み入れた。
「これが夢なら、明晰夢ってやつだよね……。」
漫画なら“カポーン”って効果音が出てきそうな格好で、私は呟いた。
まぁつまり、これまた巨大な浴槽に浸かっているってこと。
まぁ夢じゃなくて本当に転生なら、またいろいろ大変なんだろうけど。
……どちらにしろ、いい息抜きではあるかな。
温かいお湯に浸かっていると、不思議と心も落ち着く。
心做しか良い香りもするし。
「っていうかさ、これアロマ風呂?」
それなら良い香りがするのも普通に頷けるけど。
どこもかしこもお金を使ってるなぁって思いつつ、それにも少しづつ慣れてきたかも。
「……さて、状況整理でもしようかな。」
どこかでやりたいとは思ってたんだけど、お風呂なら独り言を言っちゃっても誰かに聞かれることもないし。
まずこの体はリリアーネ。
リリアーネ・グルベンキア。
アルドンサ魔法学校に通う、美少女。……だったはず。
魔法の成績は上々で、ただいま14歳の二年生。
……今がそれなのかどうかは知らないけど、少なくともゲームない設定ではそうだった。
ただ残念なことに、私はリリアーネ本人の記憶がないんだよね……。
だから学校に行ったとしても、この世界のこと何も分からないんだし先行きが不安。
誰かに聞くわけにも行かないしなぁ……。
そしてここはグルベンキア邸。
グルベンキア一族が住んでいるところ。
と言ってもグルベンキア家は今のところ二人しかいないのだけれど。
そしてグルベンキア家は、リットアルという領地を治めていたはず。
北だか南だかの端っこにある領地だったわね。
父親はレグトルス・グルベンキアでさっきの赤髪の男性。
国に使える有能な騎士で、確か国王付きだった気がする。
外面は冷静沈着で寡黙なのに、実は内心かなり活発だったりする。
仲間は大事にする性格で、一人娘のリリアーネの事になるととりわけて過保護。
でもそれが顔にも言葉にも出ないから、レグトルス本人をよく知る人以外には誤解されがちなんだよね。
リリアーネ本人にも誤解されてて、そのせいでちょっとギクシャクしちゃってるっていう設定だったはずよ。
母親は若い頃に死んでしまっていて、父子家庭。
なおさらギクシャクした関係。
だから私が目を覚ました時みたいに心配をあらわにしてくれるのはとても珍しい……!
召使いのセシルは超絶美人で、リリアーネが幼い頃からずっとリリアーネ付きの侍女。
長い間リリアーネのそばにいてくれた存在ね。
だからリリアーネもセシルが大好きで、ものすごく懐いてる。
そんな事だから、私がリリアーネじゃない事がバレるとしたらセシルが一番危険なんだと思う。
「あれ?確か……。」
記憶に引っかかるものがあって、私は声を発した。
それは、なにか事件があってセシルが死んでしまう未来。
そんな未来があった気がする。
もう何年も前のゲームだから詳しくは思い出せないけど、それが原因でりりあは酷く塞ぎ込んで、立ち直るのにものすごく時間がかかったんだ……!
「なんで……?思い出せない……!」
“乙女ゲーム転生”を果たしたからには、誰かが死んでしまうルートは出来る限り回避したい。
悪役令嬢転生よりは死亡フラグも少ないと思うけど、それだって全くないわけではないのだから。
だから思い出したいんだけど……。
……まぁ、そのうち思い出せるかな。
お風呂で落ち着いてしまっているせいか、あまり危機感は感じない。
そしてその事に、違和感すらも感じていなかった。
「それより、攻略対象ってだれだっけ……?」
今のところ毎日更新ですね!
自己満足自己肯定!