37,古びたものにこそ魂が⑷
遅れて申し訳ないです。
今までは1日遅れてもギリギリ翌日だか翌々日だかに追いついたりしてたのですが、今回はそう思い行かず……。
体調を崩してました。
消しペン…………。
どんな物なのか気になるし。
「はいどうぞ。」
「ありがとう。」
手渡されたものは、普通の羽根ペンのように見える。
……いや、少し違った。
どんなペンでも“書く”という用途のもとに作られたのなら必ずついているはずのペン先、それが無い。
代わりにあるのは…………穴?
直径三ミリくらいの穴があいている。
……もしかして…………?
私はカバンから書き損じの紙を散り出すと、その“消しペン”のペン先でかわいたインクをなぞった。
やっぱり…………!
なぞったところだけ、インクの部分が消えてる。
いわゆるこれはインク用の消しゴムね!
なんとも便利な世界。
「ちなみに、値段は?」
「お、魅力を感じてくれた?」
「そゆこと。」
さっきのインクで書く方のペンに関する熱弁は信用してよさそうだし、買う価値ありよ!
宣伝で嘘ついても損するのは店側だしね。
「ここにあるセットは全部で十ナル。
だけど、もうひとつ見せたいものがあるんだ。」
「見せたいもの?」
「そ、ちょっとまってて。」
そう言ってポールは奥の方に入って行った。
……なんか“今思い出した”って感じだったな。
なんだろ見せたいものって。
……そういえばこの本、三ナルか。
古本なのかな?
安めね。
って言うかこの店、本の買い取りもしてるの?
精霊に関する本、もう少し見てみるか。
……って言うか、都合のいい事に、二、三冊近くに有るなぁ。
精霊の種類、精霊の手記二冊目、あとは精霊の伝説?
フィクションっぽいけど。
キープしておこっと。
精霊の種類、観察日記、最後に……。
「……あれ?届かない……!」
まさかの身長が足りず。
これは誤算ね。
脚立……も近くにないみたいだし……。
なんとか背伸びして……。
「う…………!」
と……届かない……!
ぎりぎりなんだけどなぁ……。
あとちょ……っと…………。
「何してんの?」
「あ、ポール。」
ちょうどいいところに来てくれたわ。
「何かあった?」
「あの本に手が届かなくて……。」
そう言って私は届かなかった本を指さした。
「『いたいけなあの子を落とす方法(男子向け)』?」
なにそれ。
……あ、一個隣のヤツね。
「違うその左。」
「『精霊の伝説』…………?」
「そうそれ。ポール届く?」
何よ『いたいけなあの子を落とす方法』って。
面白い題名のもあるのね。
そして分類がバラバラよ……。
精霊系と恋愛物が隣り合わせだなんてね。
ってかポールも私と背丈はさほど変わらないように見えるけど、届くかしらねぇ……?
「それならギリギリ届きそう。」
……良かった。
追記がてら、これからは試験対策に身を打ち込むことになりそうですので、執筆スピードは落ちます。
おそらく2週間ほどかと。