20,其の路は裏に在る⑴
現在課題に追われています。
達成できない小説ノルマがどんどん溜まっていくのですが、全て覚えてます。
明日の授業でその課題が発表なので、それがひと段落したらまたリリアーにネ奮闘します。
真っ白な紙の中には、少しずつ文字が綴られていた。
もちろんそれは私の手によるもので、内容はごく単純。
“いくつENDがあったか”それひとつだけ。
けれども私にとって重要なものである事に変わりはない。
今そこに書き出されているのは、“HappyEND”“GoodEND”“NormalEND”。
横向きの文法で綴られたその単語が、縦に三つ並んでいる。
「普通の乙女ゲームなら、この三つ……。」
……でも、このゲームは違う。
この『恋の羅針盤』は…………………………あ!
「そうだ、恋の羅針盤!!」
……思わず、声に出して叫んじゃった。
せっかく思い出したのだから、また忘れてしまわないうちに紙に書いておこう。
……三つのENDの一番上に、『恋の羅針盤』が追加された。
もちろん私の手によってだけど。
『恋の羅針盤』
……それは、このゲームの名前。
さっきまですっかり忘れてた。
……そもそも私は記憶力が良い方ではない。
ましてや十年以上前に好きだったゲームの名前なんて、覚えているはずもないんだから。
たった今この名前がパッと出てきたのは、自分でもびっくりしたぐらいね。
だから私が“リリアーネ・グルベンキア”って聞いてゲームの事を思い出したのも、私が主人公の名前を他でもない“リリアーネ”に設定していたから。
……名前を自分の名前で設定しないのおかしいって言われたことあるけど、全然おかしくなんかないし!!
自分の名前を乙女ゲームに入れるとかむしろ恥ずかしすぎて死ねるし!!
入れてる人のことどうこう言うつもりは無いけど、少なくとも私は無理!!!
つまり、何故かは分からないけど、この世界の主人公の名前は私が乙女ゲームつけたものとそっくり同じってワケ。
まぁどうでもいい事だけど。
随分と思考が脱線しちゃった……。
えーと、何を考えてたんだっけ……。
……あぁ、そうだそうだ、ENDの話!
乙女ゲーム恋の羅針盤のENDは、元々は全部で三つだったの。
大したひねりもない平凡なエンディングで、次々と評価は星一を指した。
まぁつまり、人気がガタ落ちしたってことだね。
こんなことあるのかってぐらい大量に廃棄されて、直ぐに生産停止になった。
……なんでこんなに詳しいのかって言うと、私の父がその会社で働いていたから。
あ、レグトルスじゃなくて転生する前の父親の事よ?
ともかく、それでも売れ残ってしまった大量の受注品は社員が持ち帰ることになってそれが私の元に回ってきたって訳よ。
矛盾回収出来ました。




