15,いちにちめの朝⑵
まだ攻略対象はファミリーネームしか出てきませんが。
あと2乃至4話ぐらいしたら出てくると思います。
やっぱり合ってた!
オルノーガン卿!
攻略対象の一人だね!
昨日読んだリリアーネの日記に名前が書いてあったから思い出したんだよね〜。
「あぁ、オルノーガン卿ね!
確かお父様が私に会わせたいって言ってた人でしょう?」
「えぇ、その通りでございます。」
セシルは表情を変えずに言った。
……もう少しぐらい笑っても良いと思うんだけどなぁ。
いつも微笑んでるくらいしか見たことないんだよねぇ。
……まぁここはわざわざ表情を変えるような会話の内容でもないんだけど。
って言うか、私もそろそろ起きなくちゃ。
そう思ってベッドからのっそりと下りると、セシルに服を差し出された。
「今日のお召し物でございます。」
「ありがとう。」
「では、私はこれで。
朝食ができましたら、お呼びに参ります。」
「うん。分かったわ。」
服だけ渡したら、後はさっさと出て行っちゃった……。
まぁセシルも忙しいのよね。
その状況でテキパキ仕事をこなして、つくづくセシルはすごいなぁ。
「……さぁて、着替えっと。」
バサッとさっき渡された衣服を広げると……。
「うーん…………。
渡し間違いじゃないよね……?」
そこにあるのは、ドレスだった。
もちろん昨日のドレスほど豪華で着にくい訳でも無いけど、それは確かにドレスだ。
「結局この世界では“カジュアル”もドレスなのかな……。」
だとすると、毎日ドレスなわけだけど……。
……まぁ、今持ってるのも昨日のよりは着やすそうだし、なんとかなるか!
「……よしっ、こんな感じ?」
ちゃんと着てみたら、思ったより着やすかった。
軽くあしらわれたレースとビーズ、腰にゆったりと巻くリボン。
別にお嬢様ならそんなに派手に動くわけでも無いし、多少の動きづらさには目を瞑っておくか。
「ドレスも着たし、靴も履いたし、髪の毛も下ろしたままだけど整えたし、万事おっけー♪」
……と、その時扉がノックされた。
「どうぞ。」
そう声をかけると扉を開けて入ってきたのは……。
……あぁ、やっぱりセシルね。
いつでもタイミング良く現れるけど、それにもさすがに慣れてきちゃったかも。
「朝食の準備が整いました。」
「はーい。」
セシルの後をついて、食事の場所へ進んだ。
……うーん。
お風呂場とパーティーの広間とリリアーネの部屋の場所は覚えたけど、それ以外はまだ全然だからなぁ……。
この屋敷の広さも尋常じゃないし、早いところ地図の類を何かしら見つけておかないと……!
「どうぞ。」
もうその場所に着いたらしく、セシルが扉を開けてくれた。
お礼を言って扉をくぐると、そこに居たのはお父様だけ。
どうやら侍女たちは別のところで食べるみたいね。
学サポサボりたい……!