14,いちにちめの朝⑴
本日ギリギリの投稿。
やはり夏休みが明けてしまうと、毎日投稿はきついのでしょうか……。
────チュンチュンチュン……
……と、なんとも清々しい鳥のさえずりで目が覚めた。
外は既に陽がさんさんと注ぎ、美しい限りの青空…………
「……って、え!?寝過ごした!?
やばい会社!遅刻する!!」
慌ててがばっと飛び起きた。
……と、目の前に広がるのは見慣れない部屋。
そうだ、ここは私の部屋じゃないんだわ……。
「ここはリリアーネの部屋よね。」
寝ぼけてたみたいね……。
……そう、リリアーネの部屋。
薄紫の天蓋付きベッド、だだっ広い空間、これまた大きな扉、豪華な机と椅子。
どこからどう見ても私が見知ったそれじゃない。
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ。」
思いっきり長いため息が出た。
まだ“夢だった”って可能性も捨ててた訳じゃなかったんだけどなぁ……。
夢の中でなんて寝れないから──まあ多分であって確証はないけど──、一睡しちゃったらそれはもう現実だろうなぁ……。
マト○ックスじゃあるまいし。
「リリ様〜。
あ目覚めになられましたか〜?
入ってもよろしいですか?」
セシル……!
なんというグッドタイミングかしら……!
さすがは有能侍女ね……!
……あ、このセリフ何回目だろう……。
……って、心の中のツッコミはそれくらいにしておいて……。
「起きてるわ。
どうぞ開けてちょうだい。」
そう言い終わるか言い終わらないかのうちに、セシルが扉を開けて入ってきた。
きっとこのやり取りは毎日毎日繰り返されてる事なんだろうな……。
「おはようございます、リリ様。」
「おはよーセシル。」
私は少し眠気の残るぼんやりとした声で言った。
リリアーネっていつもどれくらいに起きてるんだろうなぁ……。
……まぁそれがわかったところで、合わせられるわけでもないんだけどさぁ。
さすがに目覚ましもなしに起きる時間設定するのは大変だよねぇ。
「今日もいつもどうりのお時間で。
いつもタイミングを見計らうのが楽で助かります。」
……あ、取り越し苦労ね。
でもいつも私が起きてた時間より遅いし、リリアーネはいつも同じ時間で起きるような“設定”になってるのかな?
ほら、ゲーム設定。
そういうのありそうじゃん?
……別に全く詳しくはないんだけどね。
「今日の予定は?」
私は訊ねた。
私の予想が正しければ、って言うかリリアーネの日記の通りならば、今日はあの日のはず……!
「今日はオルノーガン卿との顔合わせの日ですよ。
リリ様が倒れてしまわれた時はどうなるかひやひやしましたが、予定通りパーティーの後に行われるようで、本日になりました。」
とうとう1人目の攻略者、ですかね。