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志望動機

クローバーハウスでの時間はとにかく暇だった。

なぜだろうか、うまく眠ることもできなかった。夏休みに挑戦するはずだった父親の本棚もあの炎で燃えてしまった。


私はスクールカースト上位の人間くらいしか存在意義を感じないであろう我が校の裏サイトに入り浸っていた。


大抵が陰キャと呼ばれるスクールカースト下位の者たちへの誹謗中傷、誰と誰が付き合ってるかなどの校内ゴシップばかりが話題になるのだ。


そんなものを観て悦を得たり暇を潰しになり得るのはそんな高校生活を満喫できてる人間達だけなのだから、私には縁がなかった。


しかし、ここで意外な事がわかった目新しい情報がなかったので過去のやりとりにまで目をやると、アイドルオーディションの話題があったのだ。


校内にいるアイドルオタクの男子が、アイドルオタク=男と言う固定概念は捨てた方が良さそうだ。

アイドルオタクの生徒たちが我が校の生徒を何人か選び抜き勝手に応募していたようだ。

校内選抜である。


そこに私の名前があがった最初の目的はいじめ目的だったようだ。しかしその後の審査突破の話題は私以外あがっていなかった。

私の情報だけがシェアされているのだろう。

きっと私のほかに名前があがっている生徒たちは仲間内でリアルに共有していて、こんな所に情報を出すメリットがないのだろう。


普段馬鹿にしていじめている私が残っているのに自分が落ちてしまったら、外見で私に劣っていると順位をつけられたようなものなのだから。


おそらくは適当な頃合いをみて


受かってたんだけど親が駄目って言い出して辞退しちゃった。


等の負け惜しみを口にするのだろう。


アイドルグループ発足にあたりやはり若い子を集めたかったのかこのオーディションは夏休み中に全てが終わるらしい。


都合がよかった。まず当面の目標ができた。

このまだ名もなきアイドルグループのオーディションに受かり二学期の始業式でこのサイトに名前があがってる奴らに悔しい思いをさせてやろう。


私と共に名前のあがっている我が校の選抜は皆同級生なところを見ると勝手に応募したヤツも同級生なのだろう。


アイドルになったらこいつを仲間につけよう。現役アイドルの誘いを断るわけがない。


この妙な企画を立ち上げ実行にうつしたやつなのだからそれなりにスクールカーストの上位にいるようなヤツなのだろう。


あの日すれ違ったあのクラスメイト達がどうしてあそこにいたのかもコイツから知る事が出来るかもしれない。


オーディションの結果を待つ事しかできないのがもどかしくてしかたなかった。

まだ何も勝算の無い絵空事に私の感情は昂ぶっていた。楽しみでしかたない。




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