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うわさ

日頃のレッスンの成果なのか私はシングルデビュー前の暫定センターに選ばれた。

順調だったアイドル活動はすこし、いやだいぶ順調過ぎた。

もともと歌を習っていた子、ダンスを習っていた子もたくさんいる中、私はグループのセンターに抜擢された。

歌やダンスを習っていてもアイドルを習っているもののいない中で私はひたすらにアイドルになる為のレッスンを受け、空いてる時間のほとんどを反復練習に身を投じていたのだから納得はできる。誰よりもレッスン室にいる時間も長かった。よく見てくれてるな。その程度にしか思わなかったが、センターになればそのグループの顔のような存在。発表を聞いた時なんだか急にプレッシャーを感じてしまった。

目指していた事なのに、いざ手にしてしまうとなんだかあまりにも自分は分不相応なんじゃないかと自信をなくす。

周りのメンバーはどう思っているのだろう。目立ちすぎた。きっとよく思ってない人なんかもいるんじゃないだろうか?


「里奈ちゃん!ほんまおめでとう!!」

「みんなで里奈ちゃん全力でサポートするからね!ね?みんな!」

「当たり前じゃん!私達みんなでモンクスフードなんだから!!」

「でもあんまりだらしなかったらそのポジションみんなで奪っちゃうからねぇー!」


「みんな、私なんかがセンターで嫌じゃないの?」

「誰がセンターでもええねん!みんなでモンクスフード!うちら仲間やろ?」


なんとも暖かい空間、暖かい人達なんだろう。涙が出てきた。

知らなかった。こんな感情でも涙が出るんだ。


「私、みんなの為、モンクスフードの為に頑張るから!!」


うまく言えたかわからないくらいに涙が出た。


そしてその暫定センター発表し励ましあってる姿が私達の番組で報じられた頃。


世の中で私という存在が知られ始めた頃、ネットでいろいろな尾ヒレをつけながら噂が流れ始める。


私の父の死の事を。孤児院と呼ばれる施設で育った事を。


悲劇のアイドル。

そんなキャッチフレーズで私は世間の注目を集め始める。

事務所にはその噂については言葉を発信しないように釘を刺されたので、本人から確信に迫る言葉が出ない為に事務所の策略だ。とか、都市伝説みたいな扱いで信憑性の低い噂として扱われているようだ。


そして暫定センターとして番組でいい扱いをしていただけてるので、私の知名度は私が思っているよりも早く拡大していく。


アイドル活動はこれ以上ない程に順調だ。

比例するように復讐活動も進展してば良いのだがなかなか思うようにはいかないようだ。


私にとってはアイドルになる事よりも復讐する事のがはるかに難しい。




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