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「道徳」

いじめの対象なんてある日突然に変わる。

いや、お互い見て見ぬふりしているだけで同時進行なのかもしれない。


自分の事でいっぱいいっぱいで本当に気づいていないのかもしれない。


現に私の知らない誰かもどこかでいじめられ続けていてる莇さんを見てホッとしているかもしれない。


彼女がいじめられてるうちは私は安心できる。


そう思っている人間が私の他にもいるはずだ。小学生の頃なんか無邪気にシカトゲームなんてくだらないもののターゲットにされた事のある人間だったらきっと誰しもが思うだろう。


あの子がいじめられてるうちは平気だけど、もしある日突然に気まぐれでそのターゲットが私になったらどうしよう。と。


きのうまでふつうに喋っていたのにリーダーの気まぐれなのか、リアクションに飽きたのか小学生の頃私が経験したシカトゲームは、ある日突然にターゲットが私に変えられた。


私はその時強く抵抗し暴力をもってそのゲームを終わらせることができた。解決策も小学生ならではのストレートなものだった。


それからは強い立場の人間で居つづけた。強いグループに所属しつづけてた。


狭いコミュニティの中でそのポジションの大切さを私は小学生ながらに学んだのだ。

いじめられる側に問題がある。

いじめる側に問題がある。


道徳通りになんかいかない。

どちらにも問題はある。むしろそのきっかけを与えてしまう人間、尚且つそこで反発できない人間。いじめられる人間に大きく問題があるとさえ私は思う。


道徳の授業で聞かせるような話や絵本の世界で普及するような感覚は世の中を生きる為には反面教師なのだ。

そんな優しさや思いやりで世界が成り立っているのなら、わざわざ幼少期や道徳の授業で普及しないのだ。


天使のように優しい人がいたとしよう。

外見も綺麗で。

そんな人が不意にしたケチな行動や、美しい唇からでた汚い言葉を聞いた時、多くの人が人間らしい一面もあるんだな。と勝手に親近感を覚えるだろう。


人間らしいことは、汚らしいこと。

他人を不幸にしてまでも自分の今や将来を守ること。

だから私は彼女がいじめられてても助けないし、そんな機会が訪れれば彼女をいじめてきた。


人間らしく醜くて構わない。

だからきっと私は明日も彼女をいじめる。

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