最終話
ついに声のぬしが明らかになる。「ノハラ」クライマックスへ・・・。
目が覚めると、うちの隣の家に住んでいる鈴木のおじさんがいた。
「おまえさん、あんなとこでなにやってたんだ?」「す、すみません・・・ちょっと・・・用事があって・・・。」「・・・っそうだ!鈴木さんすいませんでした。すぐ帰りますので・・・」「いいから、休んでいけ。」鈴木さんに押され、布団に横たわった。鈴木さんが毛布をかけてくれた。僕は眠りについた。
・・・よく・・聞い・て・・・僕、君・・と・ずっと・・話したかっ・・た・・けど・・・僕、もう君・・とは・・・もう・一緒に・・・いられなく・・なっちゃった・・・でも・ずっと、ずっと・・と・・も・だ・ち・・・
急に目が覚めた。とても悲しそうな声だった。「ともだち・・・か」「大阪にいたころの寛太か?・・・いや関西弁は入ってなかったし・・・福島の元太か?・・・ごっつい声してないし・・・。やさしい声だった。」
結局今夜は鈴木さんにお世話になることになった。
「もう一緒にいられない・・・。」急にその言葉が頭をよぎった。
さみしくなった。こらえられなくて、涙が止まらない。僕は外へ飛び出した。「わぁ〜!!!」夜にもかかわらず、大声でさけんだ。なんかすっきりした。
僕は一歩一歩足を進めた。
「ノハラ」に着いた。でも、もうそこから何も感じなかった。一人になってしまった。
「おい!いるんだろ・・・。出てきてよ・・・。出てきてよ〜!!!ポケットに手をつっこんだ。その時、一枚の紙切れをつかんだ。作文用紙に何か書いてある。僕はそれを読んだ。
「友達」
6年1組 せいや
僕には友達がいませんでした。でも、今はいます。その友達とは流星ヶ丘で出会いました。運命なのかな?君がこの村に来なかったら僕はずっと一人ぼっちのままだった。あらためて言わせてください。ありがとう。これからも友達でいてね。今度遊ぼうね。バイバイ。
なぜか、紙に赤いシミがついていた。その瞬間僕は何もかも思い出した。声の正体は、浅間 聖夜。6年生のころ、流星ヶ丘で、出会った。でも中1の夏、流星ヶ岡に行く途中農家のトラックに轢かれて亡くなった。聖夜の母さんから一枚の紙を受け取った。それがこれだ。聖夜が
死ぬ直前まで離さず持っていたと言う。中一の僕には見ることができなかったのだ。よく見ると、文の最後に僕の名前が書いてあった。
僕は夜空を見た。「ずっと、ずっと友達だよ。聖夜。」
それから僕は一回も流星ヶ丘に行っていない。
ふと見た夜空には星がちりばめられていた。 fin
とても短い連載でしたが、いちおデビュー作になりました。これからもっともっと小説を作っていきたいです。これからも応援よろしくお願いします。




