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94.大暴れ

ジュンの視点で少し短いです。



《ジュン視点》



 始まったか。モンスターが俺達を無視して通り抜けるのは違和感があるな……。


 いつもモンスターと出会えば、必ず攻撃してきたから、このモンスターに無視される状況は初めての体験なのだ。

 ジュンは2つのパーティに分けて、北と南の門への損害を増やさせるように邪魔になるプレイヤーを片付ける必要がある。


「さあ♪ 行きましょ~?」

「そうだな。俺はモンスターに紛れて動くことにしよう」

「好きなように動いていい」


 北の門にはジュン、カロナ、ボウが組んでいる。南の門にはジョー、リーが向かっており、ヨミに後から合流するようにとメールを送ってある。

 ある程度のモンスターが前線に向かってから、ジュン達が動く。


「っ、あいつらは!?」

「マジか、モンスターと並走してねぇか!?」

「イエローだけじゃなく、レッドもいるぞぉぉぉぉぉ!!」


 門を守るプレイヤー達が気付いて騒ぐが、ジュンは新しく作って貰った武器、ハルバードを握って走り出す。


「死ね」

「はぁっ!? 神官服を着ていて、ハルバード? 適性はねぇだろ!?」

「いや、あるさ」


 ハルバードは特殊な武器で、扱うには斧術と槍術の武技を持っていないと駄目だが、ジュンは元から斧術を持っていて、この前の宗教イベントで槍術を育てていた。そして、持ち前のPSも合わさってハルバードの扱いは既に熟知していた。


「うらららっ!!」

「ぐはっ!」

「速い! 囲めぇぇぇぇぇ!!」

「無駄だ!」


 ハルバードはマミの特注で柄が長く作られているので、リーチもある。ハルバードを振り回して、プレイヤーを吹き飛ばしていく。乱戦の中で倒れたら、モンスターに踏み潰されるから立ち上がるのも難しくなる。それを狙い、ジュンはリーチと武器の重さを生かしてプレイヤー達を不利な状況へ落としていく。


「あはっ♪ やるね♪」

「隙を見せたな!!」

「駄目かな。わかりやすい隙に飛び掛かるとか♪」

「か、消え……ぎゃあぁぁぁ!!」

「ギコギコ~」


 カロナの方はわざと隙を見せ、十八番である『瞬動』で消えたように見えるスピードを以て、避けてから武器を持っている手を切り落としていく。

 『瞬動』は『瞬歩』の上位スキルであり、動きが速すぎて扱うには沢山の練習と慣れが必要だが、カロナは初めてヨミ達と出会う前から使えていたことから才能があったのだろう。


「クソ! モンスターが邪魔、なんであいつらを襲わねぇ!?」

「さぁ? なんでだろうね♪」

「答えないか……ぐっ! 毒も扱うのか!?」


 カロナの武器はノコギリだけじゃない。毒を使い、陣形を張っている魔法使い部隊へも邪魔をする。


「いい感じね♪ あ、向こうのが魔法を撃ちそう」

「構わねえ! 俺らごとをやれぇぇぇぇぇ!! ……………な、来ない!?」

「ふぅ、やれやれ……魔法は撃たせないぞ」


 カロナが潰した陣形の後ろで待機していた魔法使いの部隊が仲間ごと、ジュンとカロナを魔法で消し飛ばそうとしたが…………ボウによって止められてしまう。

 魔法使いの喉には1本の矢が刺さっていた。名称を唱えるだけで魔法が放てるプレイヤーだが、完全に唱える前に喉を潰されてしまえば、魔法を発動出来なくなる。


「まさか、その距離で数人の喉を狙ったのか!?」

「うわ、チートレベルに高いわね♪ これなら、魔法は気にしなくても良さそうね♪」

「俺でも流石に十人以上を狙うのは無理だから、警戒だけはしとけよ」


 そう言いながら、ボウは1度で矢を数本纏めて、魔法使いに向けて引いていた。


「うわ、8割以上は喉に当たっているんじゃねぇか……」


 もしかして、上位スキルの『必中』を持っているのか? 他にもありそうだが…………


 ジュンの考えた通り、ボウは『必中』を持っていた。それだけではなく、『精密動作』のスキルで小さなズレを瞬時に消すことが出来る。




 この調子なら、俺達は大丈夫だろう。向こうはどうなんだろうな?




 ジュンは南の門に向かった方は大丈夫かと思ったが、後からヨミが合流することを思い出して、無駄な心配だったなと目先に集中するのだったーーーー






ジュン達は順調にプレイヤー達を狩っていますが、ジョー達はどうなっているか?

次話をお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
[一言] PSお化け達なら大丈夫だな
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