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224.殿(しんがり)

お待たせました!

続きをどうぞ。



 予想もしていない人物が現れて、ララとリリは困った顔で見合わせていた。


「どうしよう? 現れるとは思ってなかったよ」


「これはすぐ撤退したいわね。でも……」


 ララはアルベルトと戦うなんてことは一欠片も考えていない。勝てない戦いはしないと言うようにすぐ撤退をしたいが……


「逃がすつもりはねえぞ! 囲め!」


「そうよね〜」


 薬で回復したハイドが立ち上がり、仲間に指示を出していた。ララ達の目的は既に達している。だから、撤退を選びたいが周りは逃してくれそうはない。


「ねぇ、最後まで暴れる?」


「それしかないわね。アレはタオに任せて……」




「いや、ここは私に任せるアルよ。これを」




 ララとリリは決死の覚悟を持って、目的のブツを持っているタオを逃がすことに尽力しようとしたが…………突然にタオが屋根から飛び降り、目的のブツをララに投げ渡していた。


「タオ!?」


「2人ではアルベルトを抑えるのは厳しいアルよ。それに……消化不足でもアルからこの獲物は貰うアルよ」


 タオはアルベルトのことを獲物と呼んだ。よく見ると口が釣り上がり、細目も少し笑っているようだった。


「……まぁ、やる気があるなら任せるわ」


「任せたよ!」


「貴方達こそ、ちゃんと持ち帰るアルよ」


 タオが殿をする形に、ララとリリは撤退をすることに。


「逃がすつもりはねえと言っているだろ!」


「弱者には興味はないアルよ」


「なっ、ごぶっ!?」


 タオは2本指でハイドの首へ突き刺し、貫いていた。距離があったのに、一瞬でハイドの前へ転移したみたいに現れた。


「ハイドさん!? 貴様ーー……えっ?」


 ハイドがやられ、怒りに染まったレムだったが、そのレムも何をされたのか身体中に幾つかの穴が出来ていた。急所の心臓がある場所も穴があり、レムも退場することになった。


「これで指揮者は消えたアルよ。行くといいアルよ」


「ひゅー、やるね!」


「ありがとうございます。後は任せます」


 タオはハイドを倒しただけで終わらず、レムまでも消してみせた。指示を出す人が真っ先にやられてしまったハイド側の人達が混乱している内に、ララとリリは撤退し始める。普通に逃げるのではなく…………


「行くよ! えいっ!」


「リリも。N極とS極」


 なんと、リリがララを屋根の上へ投げて、投げられたララは屋根へ着地した後に磁力でリリを引っ張りあげた。そして、そのやり方で屋根から屋根へと投げたり引っ張りと繰り返しながら逃げていた。


「しまっ! 追うぞ……アルベルト、すまないが!」


「構わん。行け」


「ふふっ、やはり貴方は楽しませてくれそうな獲物でアルね」


「ったく、こんな物を飛ばすなよ」


 アルベルトがそう言って、握られていた手からは鉄で出来た何かが出てきた。実は、レムを倒したのはこの鉄で出来た飛礫つぶてであった。ハイドの前へ行く途中に指で弾いて、レムとアルベルトを狙っていた。アルベルトには止められたようだが…………



 

「お前は異常な指の力を持っているな」


「勿論、それだけではないアルよ」


 タオはそう言い、先程のように一瞬でアルベルトの前へ現れ、5本指を突き出すがーーーー




「これを本命だと見せかけ、脚からの振動技か」


「ほう! 素晴らしい反射神経でアルね!」


 アルベルトが見破ったように、タオは手の攻撃は囮で本命は前に出した脚にあった。地面を踏んだ瞬間に衝撃がアルベルトの脚を麻痺させ、突き出していない手の方で追撃をするつもりだった。

 アルベルトなら手からの攻撃は反射神経で顔を反らすだけで躱すことは出来る。それを逆に取って近距離で効きやすく、わかりにくい振動技を喰らわすつもりだったのだ。しかし、咄嗟に距離を取られた為、回避されてしまった。


「……どれもスキルじゃないな」


「……バレたアルか」


 なんと、タオは今まで1回もスキルを使ってはいなかった。しかし、スキル無しでこんな動きが出来るのかと疑問は浮かぶが、スキルを使ったような気配を感じないのだ。アルベルトは自分の勘を信じており、タオはスキルを使っていないと判断した。


「ふふ、面白いアル。次はこれを使って戦うアルよ」


「……棒か」


 タオはアイテムボックスから棒を取り出した。次は武器を使った戦いをしようとしているのだ。




「さぁ、行くアルよ」


「やれるならやってみろ」




 アルベルトとタオの戦いはまだ続く。剣と棒のぶつかり合いが始まるのだったーーーー









タオの力はまだ未知数。アルベルトとの戦いはどうなるのか、続きをお楽しみに!

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