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192.物理的に

はい、続きをどうぞ。



「さあ、始めよう!」


「おいおい、本気か?」


 現在、ヨミ達がいるのはアルバドムと戦った王座の間である。王城へ攻めた翌日であり、当日にこの場へ攻めていなかったメリッサ達もいる。

 王がいなくなり、この王城は『銀月の使者』のメンバー以外では、血の契約で縛っている者しかいない。だから、事実上ではヨミ達の物になったのは間違いない。

 これから、ヨミ達がしようとしている事はーーーー




「えぇ、本気よ。この王城を物理的に落とすわ。崩壊させるが正しいかもね」




 なんと、ヨミは手に入れた王城をあっさりと崩壊させようとしているのだ。


「勿体なくねぇか?」


「ジュンはまだ言うの? 私達にはこんな大きな建物を管理は出来ないし、居場所ならギルドホームがあるわ」


「だとしても、崩壊させようと普通は言わないけどね♪」


「もういらないもん。宝もアレも手に入れたし」


 このまま、王城を保持しようとしても、いずれはバレて取り返そうと軍隊を編成して来るだろう。主に今まで関わってなかったこの王国にいる貴族や正義に厚いプレイヤー達など。

 少数の『銀月の使者』が操っている貴族達だけでは守りきれないのは予測出来る。だから、取り返されるぐらいなら、崩壊させた方がマシだ。


「はい、質問です! アレとは何ですか?」


「そうね、それはすぐ見せてあげるわ…………来なさい、アルバドム!!」


 ヨミが呼び出したのは、アルバドム。それは、人間のアルバドムではなく…………


「あ、悪魔族!?」


「少し違うわね。そうよね? ネル」


「……うん。私が人形にした。そしたら、魔造人形と言うモンスターになった」


「そして、私がテイムしたわ」


 ここにいるアルバドムは、元は封印されていた悪魔族の死体だったモノ。それをネヴィルアが人形へ変えた。そしたら、魔造人形と言うモンスターになった。

 そこで、予想外のことが起こった。それは…………




「本来なら、そのまま人形としてネルが操る予定だったけど、何故かモンスターになっちゃったの。モンスターになっても動かなかったから戦いにはならなかったけど、モンスターになったからネルでは操れなくなったから、私がテイムした訳」


「成る程……人形使いは命がない人形を操る職業だからな」


「……でも、人形にする時でモンスターになったのは初めて」


「考えてもわからないが、ヨミが操れるなら問題はねぇだろ」


 モンスターになった原因はわからないが、操る人が変わっただけなので問題はない。そのテイムしたアルバドムを召喚したと言うことは…………


「アルバドムに破壊させるということか」


「そう! 私が操っているアルバドムでね! 私は飛べるから良かったかもしれないけどね」


「ネルちゃんは飛べないからね……しかし、ヨミちゃんの種族が変わるとはね」


「堕天使だっけ? あの翼は印象が残りそうだよな」


「ヨミが王城を攻略したとプレイヤー達に思い知らせるのですね!!」


 そう、マミが言った通りにヨミがアルバドムを使い、王城を破壊することで周りに攻略したと示唆するつもりだ。もしくは、威嚇だろう。

 ヨミが率いる『銀月の使者』は王城を落としたんだぞ。プレイヤーでもこんなことでも出来るぞとーーーー


「まさか、ヨミがそこまで考えて行動していたとはな」


「……もうすぐで第二陣が来る」


「こんなスゲェことを起こしたとなれば……」


「第二陣からレッドプレイヤーも増えるかもね♪」


「とんでもないことを考えるよね……ヨミちゃんは」


「あの時から考えていたのか」


「俺では思い付かないな」


「はぁっ、ヨミは常識の枠に収まらないわね」


「ふむ、第二陣からレッドプレイヤーか。次にやることは……」


「うわ! 仲間が増えるんですね!」


「あの時はまだそこまで考えてはいなかったけど、いい機会だと思ったわ」


 最初から第二陣から入る新たなプレイヤーを引き込もうとは考えてはいなかった。しかし、途中から告知された情報で、今から1週間後に第二陣の新規が入るとわかったのだ。




「ふひひひ、第二陣の新規の為に上空からカメラで見れるようになっているわ。そのカメラで新たなプレイヤーへ見せてやるつもりよ!」




 限られた場所だけだが、1週間前から第二陣に選ばれた新規だけが街やフィールドの様子をパソコンで見れるようになっているのだ。


「10分後に開始するわ。ここから出て見るといいわ」


「あぁ、崩壊に巻き込まれないように出ていくさ。あいつらはどうする?」


「放ってもいいじゃねぇか? もういらないし」


「一緒にペシャッとしちゃうのね♪」


「それでレベルが上がれば良いですがね」


「さぁ? アルバドムとの戦いでレベルが結構上がったから無理かな」


 血の契約で縛っている貴族、兵士は警戒をさせる為に王城の中にいる。バラバラになっているので、伝達させるのも面倒で、もう駒として使う機会がないので、ここでまとめて消費させることに決めるのだった。








「そろそろね。アルバドム、付いてきなさい!」


「…………」


 人形のモンスターだからなのか、喋ることもなくヨミへ付いていく。『種族隠蔽』を解除して、人間から堕天使へ姿を変えて王城の上空へ飛んでいく。

 今のヨミはアルティスの仮面を被っていないが、気にせずに発言していく。


「皆、見ているかしら!? 私はレッドプレイヤーのヨミ。仮面ちゃんとも呼ばれているわ! 私達、『銀月の使者』はここの王を殺し、奪略させて貰ったわ!!」


 カメラに良く映る場所で宣言した。ヨミの声が良く響いたのか、街にいたプレイヤー達が気付いて騒ぐ。しかし、それらを無視してアルバドムへ命令を下す。


「アルバドム、『ヘルトライアル・ニュークリア』よ!」


「…………」


 暗黒魔法の最上である『ヘルトライアル・ニュークリア』を放つ準備をさせるが、それだけで王城は破壊できない。だから、ヨミは王城の保持者である権限を使い、魔法が当たった瞬間に自壊するように設定させてある。




 上空から魔法が降り注ぎ、爆発が起きた瞬間に王城の自壊が始まった。崩壊していく様を街にいたプレイヤー達は呆気に取られるまま、見ているしか出来ない。




「うひひひ、凄いでしょ? ただのプレイヤーであっても、こんなことも出来るわ! 強ささえ、あれば! 悪であっても正義にも負けない活躍も出来るわ! この世界はゲーム。ゲームは自分が楽しめなければ意味はない! 自分のやりたいことが出来るのが、ゲーム! さぁ、楽しもうじゃないーーーー」











 この宣言で、まだプレイしていない第二陣にも知られ、このゲームでヨミは1番有名なプレイヤーになったのだったーーーー









とんでもないことをして見せたヨミ。

これで第二陣からレッドプレイヤーは生まれるのだろうか?

続きをお楽しみに!

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[一言] 少なくともファンはいっぱいできたんじゃない?
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