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188.隠れシステム

はい、続きをどうぞ。



 失敗したわ。弱体化させたといえ、実力は間違いなく向こうが上。だから、もっと警戒をすべきだった……


 吹き飛ばされたヨミは先程のデバフに、たった今に喰らった『ヘルブラック・スパーク』によって、《麻痺》の状態異常も貰ってしまった。それで、身体が全く動かず、目の前にはトドメを刺しにくるアルバドム。

 勿論、ヨミはまだ諦めてはいなかった。この状況から生き残れる術を模索していた。




 しかし、諦めていないからと言っても必ず生き残れる訳じゃない。




 クソッ、周りの状況、自分のスキルからどう考えても可能性は…………ない!


 この状況から切り抜けられる方法を考えたが、どれも襲ってくるアルバドムから生き残れる可能性はなかった。ヨミは声が出ない中でも、なんとか身体を動かそうとしても、根性では状態異常から逃れることは出来ない。


 負けてたまるか!! まだ私は終わってたまるか!! 力が欲しい! この場だけじゃない、この先でもこんな醜態は晒したくない!!


 ヨミは迫りくる剣を睨みながら願う。力が欲しいとーーーー




 普通なら、何も起こらずに殺されて終わりだろう…………









 しかし、奇跡が起きた。ヨミの願いを汲み取る者がいたのだ。




「なっ!?」


 アルバドムの剣先が目の前で止まり、更に周りが真っ白に染まっていた。まるで時間が止まったようにーーーー




 ーーーー隠れシステムが発動しました。女神イルミナの権限により、【ご都合主義】を行使されます。


『まだ負けちゃ駄目だよ。願いを叶えてあげるから、貴女の道を見せてーー』









《運営側》



「ッ!? たった今! 隠れシステムの1つが発動されました!!」


「え、【ご都合主義】!? なんで、あのシステムが……!?」


「またイルミナ嬢がぁぁぁ!?」


 運営側は突然の事態に大慌てだった。隠れシステムは幾つかの種類を作成していたが、発動の条件が厳しいと言われていた【ご都合主義】が行使されたことに驚きに包まれていた。


「所長! またイルミナ嬢がやりましたよ!?」


「……ぷ、ふふ、ふははははは!! やりやがったな! 権限を行使し、よりによっても【ご都合主義】をか!! 笑えるな!!」


「笑い事じゃありませんよ!? 隠れシステムは現在では行使するにはほぼ不可能であるのに、まだ3つ目の街で行使されてしまうのは想像すらしていませんよ!」


 【ご都合主義】はある厳しい条件さえ、達成すれば誰にも行使されるのだが、運営側は最終の街に到着してからの後だと考えられていた。

 なのに、イルミナ嬢が勝手に、その厳しい条件を無視して権限を使って行使したのだから、所長は笑うしかなかった。


「ふははは、いいじゃないか。隠れシステムは厳しい条件があるが、絶対にその通りにクリアしなければならない訳でもねえよ。今回は行使の権限を持っていたイルミナ嬢との縁を繋いだからこそ、奇跡が起きただけだ」


「しかし、ゲームのバランスが……」


「それは問題ねぇよ。隠れシステムは全てのプレイヤーにもチャンスがある。それが早かっただけだ。それに、あの女は半分はこっち側だからなんとかなるだろう」


 確かに早い段階で【ご都合主義】を行使されたなら、他のプレイヤーとの差が大きくなるだろう。しかし、ヨミは普通のプレイヤーとは違うゲームの楽しみ方があるからストーリーでの大きな邪魔にはならない。そして、運営側が準備した悪役なので、融通は利く。




「さぁ、あの女はどんな道を見せてくれるかい?」









隠れシステムの【ご都合主義】はどんなのかは、続きをお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
[一言] ネーミングセンスがストレートすぎてひどい(笑)
[一言] イルミナって、システム通りに動くわけじゃないのか
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