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182.仕込み

はい、続きをどうぞ。



《ヨミ視点》



 アリエッタにカロナとジョーが3分割にされている中、ヨミは戦いに加わらずに後ろで観戦していた。そして、溜め息を吐いていた。




「はぁっ、それは無駄遣い・・・・じゃない?」




 アリエッタは2人を倒し、次にジュンを狙っていた。しかし、後ろから気配が消えていないことに気付き、咄嗟に伏せていた。


「チッ! 首は取れなかったか!?」


「あは♪ でも、腕2本はゲットしたよ♪」


 なんと、3分割にされた2人が生きていて、アリエッタの背後から奇襲を仕掛けていた。首を狙っていたが、咄嗟に伏せた為、背中から生えていた腕2本しか落とせていなかった。

 アリエッタはパーティに神官がいる時点で可能性を考慮すべきだったと後悔した。


「……『リザレクション』を使っていたのですね」


 『リザレクション』、神官がレベル40になれば、使えるようになる設置型の蘇生魔法である。前以て、掛けておけば10分間は死んでも1回は生き返ることが出来る。しかし、1日に1回しか掛けられないので、ここで使ってしまうことにヨミは無駄遣いと言ったのだ。

 まだ掛けてから5分ぐらいは残っていたのに。


「出来れば、致命傷を負わせるか、腕を何本か落としておきたかったんだよ。6本もあると避けきれなそうだったからな」


「あっさりとやられた振りをしたから、油断をしてくれたからね♪」


「そう、もう死なないように気を付けてよね。まだ向こうは終わっていないんだから」


「あーもう! やれるだけやるしかねぇな! 行くぞ!!」


 腕を斬られたアリエッタは斬られたことを気にしておらず、涼しい顔で魔法を発動しようとしていた。




「暗黒魔法『ヘルバウンド・クラッシュ』」




 残った腕の分、黒い球がヨミ達へ放出された。


「暗黒魔法!? 闇の上位魔法じゃねぇか! 絶対受けるなよ! 避けろ!!」


「うはっ、圧倒的な魔力を感じるぜ!」


「ヤバいね。言われなくても避けるよ♪」


 ヨミ達はジュンの言う通りに黒い球には触れないように避けていく。通り抜けた黒い球は結界に当たり、ボンと膨張して結界の向こうにある壁が抉り取られていた。

 あんな魔法が直撃せずとも、何処か触れてしまっただけで即死は間違いないだろう。




 流石、レベル50越えの悪魔族。魔法も強力なのを持っているわ。アリエッタがあれだけの強さなら、アルバドムは…………やはり、あの子達に頑張って貰う必要があるわね。




 ヨミは最初から自分達よりも1、2段と格上であるアルバドムに正面から勝てるとは思っていない。

 ヨミ達が勝つためには……あの歴史書に記載されていたギミックを発動する必要がある。その役目はーーーー








《メリッサ視点》



 はぁ~、我慢。我慢するのよ…………


 現在、メリッサはキレそうなのを我慢して営業の笑顔を浮かべていた。キレそうになっている理由は、同行している貴族にあった。


「おい、さっさと行け。これだから新鮮さがない古臭いオバサンは嫌いなんだよ」




 イラッ!




 そう思っても、口に出すことはないでしょ! メルナが鬼の仮面を被ったような顔になっているじゃない!


 メリッサとメルナの気持ちを察したのか、マミが緊張しながらも注意してくれていた。


「あ、あの、ルファス様。女性にあのようなことを言わない方が……」

「……あぁ、すまない。本当に苦手でね。それよりも、俺のことは様付けをせずに、ルファスと呼んでくれても構わないよ」

「え、ええと……」


 マミに対しては、2人と違って笑顔で謝っていた。




 苦手で済むような感情じゃないわよね? むしろ、嫌悪しているじゃない!




「うちの主がすまない。正直な奴でな……」

「……ちゃんと教育して欲しいと言いたいけどね」


 ルファスの護衛であるギンシとタマオも一緒でギンシが申し訳がないと謝っていた。

 メリッサ達はルファス達と一緒にいて、何をしているのかはーーーー






「来たか」

「……は? あ、あれは貴族?」


 メリッサ達はまず、貴族街の門前にいたルイスとハイド達と合流していた。ハイド達はルイスにフレンドと合流するとしか詳しいことは聞いていなかったので、まさかの貴族が一緒にいることに驚いていたのだった。







メリッサ達はルイスと合流した。ハイド達と一緒に。

何をするのか? 続きをお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
[一言] 蘇生出きるようになってたか 悪魔もできるのかな?蘇生 そしてさすがロリコン貴族
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