プロローグ
---突然の衝撃、轟音。
--舞い散る砂埃、飛び散る破片。
気付いた時には半畳ほどありそうなコンクリートの下敷きになっていた。
「な・・・なにが起きた?」
ここは何処だ?私は何をしてた?何でこんな事になっている?
分からない。
まるで深い睡眠から殴り起こされた気分だ。
視界がチカチカ明滅し、身体がブルブル震えている。
ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
ドドドドドドドドドド・・・
ヤバイ!地震か!?
尋常ならざる衝撃と地響きに、私が今いる建物が悲鳴をあげ、パラパラとコンクリート片が降ってくる。
「ここから・・・出ないと。」
覆いかぶさるコンクリートを手で押すと、予想外にすんなり除けれた。
「よし、とりあえず、とりあえず外に出よう。」
自分に言い聞かせながら立ち上がると近くの窓に駆け寄る。
下を覗くと、高さ的に5階ほどだと予想がつく。
そして視線を上げると・・・・
---荒涼とした風景が広がっていた。
元々は大きな街であったのだろうが、もはや建物としての原型を留めているものは稀であり、そのほとんどがコンクリート製の礫山へと果て、運動場の匂いのする冷たい風が窓から入り私に吹きつけた。
そのとき私は場違いにも、小学校の運動会を思い出していた・・・。
ドォーーーン
呆気にとられていた私を目覚めさせるには十分な揺れが襲い、そして限界を迎えたらしい私のいる建物は瓦解してゆく。
視界が暗転し、意識が途切れる寸前に私は・・・・
荒涼たる礫山の中で、青く輝く怪獣を見た。