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僕が聞いた勇者の話  作者: 蛇炉
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第一話 プロローグ

※注意 初めて書くので、読みずらかったり解りずらかったりするかもしれませんが、ご了承してください。



追記 → ※修正版

清清しいくらい青い空

心地よく通り抜けていく風

今日もいい天気です。



「う~ん、今日もいい天気だな~。」



僕はだだっ広い草原と町の境に立って、大きく伸びをした。

どこまでも草以外何もない草原を見つめ、膝を折ったり伸ばしたりして準備運動を始めた。

一通り準備運動を終えると、僕は身を屈めた。

そして、草原めがけて走り出した。





*****





僕の名前は、カエト

そこそこ裕福な町に住んでいる17歳です。

・・・といっても、僕の家は裕福ではありません。

この町には、裕福な人が多いけど、すべての人がそういうわけではありません。

僕の家は、“貧乏層”と呼ばれる部類の人間です。



その為、ほとんどの“貧困層”は必死に働いて生計を立てています。

対する“裕福層”は、自分の住む町ではなく、ほかの町の人や大陸をまたいだ大きな仕事をして大量のお金を稼いでいます。

そのため、町の中の仕事を主に引き受けるのが、“貧乏層”と呼ばれる僕らです。



僕の住む町は、特にその傾向が強く、町にいる“裕福層”の人はほんの一握り

つまり、お客さんもあまりいないということです。

だから、一日に稼げり金額が少なく、お祭りや週に二日ある休みの日以外、あまり稼げません。

なので、普通の日は商品を仕入れたり、作ったりと、人によってさまざまです。



僕のうちは後者で、主に作った野菜や観賞用の花などを売っています。

野菜は父が、花は母が作っています。

僕はというと、実は何もやっていません。

店番や、ほかの家で働いたりしたいのですが、20歳からしか働けないのです。



なので、家の手伝いで店番をしたり、することは法律的に許されません。

僕が出来る事といったら、肥料を運んだり、収穫を手伝うことくらいです。

僕はいつも、「早く年を取らないか」とカレンダーとにらめっこしています。



父と母はそんな僕を見ていつも、「親孝行な子だ」とうれしそうに笑いかけてくれますが、僕にはよくわかりませんでした。



そういう経緯もあり、今時期の僕は一日中何もすることがありません。

なので、一日中空を見たり、風に当たったりしてと過ごしています。



そんな僕に、最近お気に入りの場所ができました。

それは、町のはずれにある草原です。



この草原は、町の人もあまり近づかない場所にあり

一応町まで道は続いているが、裕福層の人たちもなぜかまったく使わないのでガタガタに荒れています。

しかし、この草原は草以外にさえぎるものがなく、空もよく見え、風もよく通り抜けます。



この場所を見つけたとき、僕は心のそこから喜びました。

嬉しさのあまり、草原を走り回って空が真っ暗にあるまで転げまわっていたくらいです。



そのおかげで、母にガッツリしかられたのも今となってはいい思い出です。

それから、暇を見つけてはここにくることにしています。



というわけで、僕は少ない昼食を食べると、家を飛び出して草原に来たわけです。

しかも、昨日の昼、僕はさらにいい発見をしました。



なんと、寝転がるのにちょうどいい岩を見つけたのです。

その岩は、どういうわけか草原の真ん中にぽつんと一つだけあって、岩の周りだけ草がまったく生えていません。

少し不気味ではありますが、昨日見つけて転がってみても何もなかったので問題ないともいます。



今日は、その岩の上で星空を見る予定です。



その為に、父に無理を言って双眼鏡を借りてきたくらいです。

僕は胸の高鳴りを抑えながら、全速力で草原を駆け抜けました。











*****












あれから、走ること数分

僕は、昨日見つけた岩のところにたどり着きました。

本当なら、すぐさま岩の上に寝転がって、夜を待とうと思ったんです。

でも、それはかないませんでした。

僕の目の前にある岩のうえには、先客がいました。

先客は、僕に背を向けて岩に座っていた。

一瞬、目の錯覚かとも思って目をこすってみたがその人は間違いなくいた。



(誰かいる・・・なんだろうあのヘンテコな服?)



僕は遠くで、その人の身に着けている服を見て首をかしげた

その人の身につけている服の装飾が見たこともなかった。

特に目についたのが、背中の布と帽子だ。

背中の布が、茶色い大きな布を使っており、その布を肩の辺りに止めてあった。

その布は、風が吹くたびにばさばさとゆれた。

話で聞いたことがあった気がする。

確か、“マント”とかいうものだったな。



しかし、頭に被っているものは本当に不思議だった。

先客の頭には、父がいつも農作業のときに被っている麦わら帽子に似ていた。

しかし、似ているといっても、帽子の素材は麦ではないし、被るところがとがっていて布があまって途中でぱたりと折れていた。

こんなものの話は、聞いたこともない。

どんな人か確認しようと近づいてみた。

そして、ある程度近づいてみると、その人はすばやくこちらを振り返ってきた。

すると、帽子からバサリと髪の毛が飛び出してきた。

飛び出した髪は、きらきら輝いているような気がした。

僕はそれに驚いて、思わず飛び上がった。


その人は、びっくりする僕をジーッと見つめていた。



「・・・え~と、何してるの??」



僕はごまかすように笑うと、頭をかいた。

すると、その人はニッコリと笑顔を浮かべた。



「少し疲れたから、ここで休んでいただけだよ」



その人は明るい声でそういうと、体をこちらに向けた。



(うわっ!、すげー服)



僕は心の中でそう思った。

その服は、一枚の布でできていた。

ところどころ、布があまってぶかぶかしていて、腰の辺りに何かの川でできたベルトをつけていた。

そのベルトには、大量の袋や、小瓶がついていた。



(医者・・・かな?、でも医者っぽく見えないし・・・)



僕は頭の中で色々な職業名をあげてみたが、どれもピンとこなかった。



「え~と、何をしている人なの?」



僕は、直接本人に聞いてみた。

すると、その人は少し間を置いてから口を開いた。



「<語り部>って言う、伝説や昔話を話して聞かせる人だよ」



語り部?

聞いたことないな・・・

僕は、首を傾げたが、その聞いたことのない言葉に興味が沸いた。

時間もあることだし、話をぜひ聞かせてもらいたい。



「ねえねえ、その<語り部>っていうのは、話を聞かせてくれるんでしょう?何か話してよ!!。」



僕がそういうと、その人はあごに手を当てて少し考えた。



「・・・いいけど、ちょっと長い話になるよ?」


「大丈夫だよ、どうせ夜まで何もすることないし!!」



僕がそういうと、その人はクスクスと笑ってから話始めた。







***


昔々、あるところに魔王を倒した元勇者のお爺さんと、そのパーティーに参加していた

最強の魔術師であるお婆さんが、倒した魔王の城に住んでいました。


***






「ちょちょちょ、ちょっと待って!!!!!!!!」



僕は思わずそこで話を止めた。

すると、その人は不思議そうな顔で首をかしげた。



「どうしたの?」


「いやいやいやいやいや、“何?”じゃなくて!!!」



僕はあまりにぶっ飛んだ話に、突っ込まずにはいられなかった。



「何だよ元勇者のお爺さんって!!

 何だよパーティーにいた最強の魔術師って!!

 そもそも魔術師ってなんだよ!!!

 魔王って誰だよ!!

 なんで倒したその人の城に住んでるの~~~~~~~~!!!!!!」



僕はそこまでいうと、その人は僕をなだめると楽しそうに言った。



「これからが面白いから。もう少し落ち着いて聞いてね」


「・・・分かったよ」



僕は、必死に自分を抑えながらうなずいた。

すると、その人は続きを話し始めた。






***


お爺さんは、大きな剣を片手に軽々と持って、お婆さんは立派な杖と本を持ち

城の近くにある魔界と人間界の出入り口である、“ダイダロスの山”へ

魔物狩りに(草刈り的なノリでw)出かけました。


***








ああ、駄目だ意味わからん。


僕は大声を出しそうになる自分を必死に抑えながら、再び話に耳を傾けた。


すると、突然その人の声が変わった。







***



「さぁて…そろそろ行くかのう? 婆さんや」


「そうですね~…あぁ、ちょいと待ってください爺さんや」



おばあさんは、年にふさわしくないまっすぐな姿勢で城をみた。

すると、おばあさんは城に向かって魔法をかけた。




完全防壁パーフェクトガードっ!!!》




おばあさんの叫び声とともに、城は七色に輝く光に包まれた。

おばあさんは再び腰を曲げると、おじいさんに声をかけた。




「それじゃあ、行きますかな?爺さんや」



すると、お爺さんは心配そうにおばあさんにたずねた。



「大丈夫なのかい婆さんや、こんな大規模な魔法と使って・・・」



「大丈夫ですよ。この程度なら、後100回は使えますよ」



「ほうかほうか、やっぱり婆さんはすごいのう」



「お爺さんも、魔王に勝ったんですからすごいですよ」



二人は互いを褒め合いながら、からからと笑い声を上げると、なかよく山へと走っていきました。



***





「………」



僕は大口をあけてポカーンとその話を聞いていた。

すると、それに語り部が気づいた



「あれ? どうしたの?」



僕はその言葉で意識を取り戻し、軽く頭を左右に振った。



「どうしたもこうしたも・・・何なのさその話は!!!!」



僕がそういうと、語り部は首を傾げた。



「私、何かおかしな事いった?」



それを見て、我慢していたことをぶちまけた。



「おかしな事だらけだよ!!!!、魔法とか魔王とかダイダロスとか何だよっ!!!」



語り部はそれを聞くと、両目を見開いた。



「えっ?!知らないの?!」



そういって、帽子のつばを上げるとグイッと顔を近づけてきた。



「ちょ、近っ!?」



僕がそういうと、語り部は少し離れると深刻そうな顔をして黙り込んでしまった。



「ど、どうしたの?」



僕がそういうと、語り部は突然ぼくの顔を見ると両肩をがっしり捕まえてきた。

すると、語り部はズイッと顔を近づけてきた。



(え?、ちょ、なになに??)



僕は混乱する頭で必死に状況を理解しようとした。

すると、語り部は口を開いた。



「あなた、名前は?」


「・・・え?」



一瞬、何を言われたか理解できなかった。

しかし、少ししてから何をいったか理解できた。



「あ・・えっと、カエト・・・です。」


「カエト、君・・・・いい名前ね」



語り部はそういうと、最初に見せた笑顔を浮かべた。

名前をほめられて少し照れくさかった。



「カエト君、実はこの話はまだ続くんだけど・・・続き聞きたい?」



語り部は少し不安そうな顔でそう聞いてきた。


・・・少し悩みどころだ

彼女の話は、内容が飛躍しすぎているし、所々わけが分からない事が出てくる。

しかし、続きがまったく気にならないといったら嘘になる。


僕は必死に考え、答えが出た。



「うん!聞きたい!!」



僕は元気な声でそうった。

すると、語り部は岩から立ち上がった。



「わかった・・・じゃあ、今日はもう遅いから、また明日ね。」



もう遅い?


僕は空を見上げてみた。

すると、そこにはまださんさんと太陽が出ていた。

僕がそうしている間に、語り部は僕に背を向けて歩き出していた。



「語り部さん、ちょっと待って!!」



僕は語り部を呼び止めると、語り部はビクッと身を震わせてからこちらを見た。



「な、なに?」


「僕まだ語り部さんの名前聞いてないよ?」



それを聞いた語り部は、きょとんとした顔をして僕を見てきた。

そして、突然プッと吹き出して笑い始めた。



「そうか・・・そうよね、忘れてたわ」



そういってしばらく笑うと、両手を口元にかざした。





「私は、エレーナっていうの!! また明日ねカエト君!!」



エレーナと名乗った語り部は、大きく手を振りながら再び歩き始めた。



「じゃあねー、エレーナさーん!!!」



僕も手を大きく振って名前を呼ぶと、語り部は嬉しそうに手を振り返してくれた。





それからしばらく、エレーナさんの背中を見送ってから、僕は家に帰る事にした。

実は、しばらく岩の上で夜を待っていたら、雲が出てきて空が見えなくなったのだ。

雨が降ったら大変なので僕は仕方なく、家に向かって走っていた。

町に戻ると、僕と同じように走っていく人や、外に出していた商品をせっせと家に取り込んでいる人もいた。

すると、とうとう雨が降り出してしまい、僕は全速力で家まで走っていた。

家についたころには、僕はビショ濡れになっていた。

それから、母にこっ酷く叱られたのは言うまでもない。



父の「そろそろ飯にしよう」という一言がなかったら、僕はどうなっていた事か・・・



そんな事を考えながら、僕は父の作った芋をほおばって、自分の部屋に引っ込んだ。

床に敷いてある薄い布団に寝転がった。


そして、明日エレーナさんから話を聞くのを楽しみにしながら、僕は眠りに落ちた。












しかし、僕はまだ知らなかった。














まさか…あの一言であんな大変なことになってしまうなんて。











どうも、思いつきだけでかきました。蛇炉と言う者です。今回この話を読んでくださった皆様本当にありがとうございます。これからもこの作品をよんでいただけるとうれしいです。 次の話を書き終えるまで、しばらく空くかもしれませんが、どうか待っていてください。


思いつきだけの作品ですけど、今後ともよろしくお願いします。

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