表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
才色メイドと完璧主人  作者: 赤染 ルカ
7/8

何か、怖いぞ。

霧生家の家系図が、おかしかったので、直しました

いつの間にか、シアターの席は満員になっていた。


人気のある奴なのか?


すると、電気が少しづつ暗くなっていった。


始まるのか?


俺は、ドキドキしていると、CMみたいなものが始まる。


CMは思った以上に長くて、途中から新しい映画を見る緊張感がなくなっていた。


すると、映画館のイメージキャラクターみたいなのが、俺たちを指差して、


『もうすぐ始まるよ!!右手にある3Dメガネを装着してね!』


と言った。


「…は?」


琴音も驚いているようで、俺たちは目を見合わせた。


すると周りの人達は皆、右に置いてあるメガネをつけていった。


俺たちも慌てて、装着する。


最近、テレビのCMとかで聞く3Dってのは映画でもあるのか…


俺は少し感心する。


すると、いきなりホラー的なプロローグが始まる。


会場が一気に緊張感で埋め尽くされる。


『俺たちの世界は滅亡に向かっているんだ…』


男が女に語りかけた。


何だ…よくある滅亡系か。


横を見ると、既に琴音は恐怖に鳥肌を震わせていた。


俺は、琴音の手を握った。


琴音も少し安心したように肩を撫で下ろした。


それにしても…


随分マニアックな映画だな。


エイリアンが画面から飛び出してくる。


さすがに3Dは迫力があるな。


いつの間にか見入ってしまい、1時間が経とうとしていた。


眠たくなって来たな…。


琴音は、目を潤ませてみている。


どうやら、今は感動するとこらしい。


ていうかっ、


琴音が泣いてる!?


こんなので泣くのか?


俺は、凝視してしまう。


思わず、その前とは違う荒々しい涙じゃなく、


綺麗な涙に俺は見惚れてしまった。





「泣いちゃいましたよー…」


琴音は、明るくなった途端、俺に振り返る。


すると、琴音は、ギョッとした目で俺を見た。


「な、何こっち見て泣いてるんですか?」


オロオロしながら、俺の顔を覗きこむ。


俺は自分の服の袖で涙を拭う。


「あはは…あまりにも、お前が…」


「え?」


「いや、何もない」


俺は、その言葉の先を慎んだ。


他の人たちも、いるし…な。


俺は、ゴホンッと咳払いした。


「よし。じゃあ、帰るか?帰ってゆっくり風呂でも入ろう」


「はいっ」


琴音は満足げな顔で頷いた。


今日は何かと、琴音の色んな表情見れたし。


俺は少しお得な気分になった。












「何で居ないのっっっ!?」


ガンッっと扉を蹴る音がマンションの廊下に響き渡る。


少女は、苛立たしく舌打ちをした。


俺は、今何が起こっているかも知らず、自分の家へ帰ろうとしていた。


「いやー…それでさー。アイツったら」


「あはは…それは残念でしたね…」


俺は、少女が家の前に立っていて驚く。


見知らぬ顔。


俺は部屋を間違えたのかと、部屋番号を確認した。


「あれ…?君、誰?」


少女は、金色に光る髪をなびかせながら、偉そうに胸を張った。


霧生きりゅう瑠璃るりよ!!!」


すると、後ろに居た、琴音は、ワァッと目を輝かせて、和音と名乗る少女の手を握った。


「瑠璃ちゃん…!!どうしてここに?」


俺は、え?と疑問を浮かべる。


霧生?


「ごめんなさい。えと、瑠璃ちゃん…霧生和葉ちゃんは私の妹なんです」


琴音は、俺に向かって、笑顔を浮かべる。


俺はそれに対して、納得行かない顔を浮かべる。


「でも、顔も全然似てないし…」


「それは、私、義理の娘ですし」


琴音は、ハッキリと物言う。


「義理…?」


「琴音姉さまは、小さい頃に養子として霧生家に来たの」


「養子…?」


俺は、ますます頭がこんがらがる。


「言っていませんでしたね。」


琴音は、気まずい表情を浮かべた。


「で、で。何でその妹がここにいるんだ?」


瑠璃は、少し戸惑った表情を浮かべて、決意したかのように俺に振り向いた。


「知ってるのよ!!!あ、あなたが、その琴音姉さまを、その…弄んだり…だから…」


俺は、顔を赤くした瑠璃が言いたい事がすぐに理解できた。


今までの琴音の主人がしてきた事だ。


「俺は、そんな事してないし…弄んだりもしていない。それに琴音は…!!」


その先を言おうとすると、琴音が俺の口を手でふさいだ。


そして、首を横に振る。微笑を浮かべて。


「神高様は、そんな事をする方ではありません。安心して下さい」


「本当に…?私、麗華姉さまから聞いたんだから。琴音姉さまは、体を売る為だけにメイドとして売られていると」


「へ…麗華?誰だソレ」


瑠璃は面倒そうに説明を始める。


「霧生家には、4人の娘がいるの。まあ、琴音姉さまも含めて」


瑠璃が言うにはこういう事。


       図で表すと


          ~霧生家家系図~


       お母様―――――――お父様

              |

        ――――――――---

        |  |     |  |

        凛  麗     琴  瑠

        華  華     音  璃

                   ↑

                   義

                   理



凛華という人が一番上の姉。そして、麗華という人は次女。


そして、麗華と瑠璃の間に琴音が養女として育てられた。


「で、実際、本当のところどうなの?もう、したの?してないの?」


琴音は顔を真っ赤にして、目を瑠璃から逸らす。


「な、何が…」


「エッチ《ピー》よ!!!もし、こいつが、そういう事を遊びでやる奴なら、私は今すぐにでも琴音姉さまを持ち帰るから!!!」


俺は、一気に顔が真っ赤になる。


「お、俺は、そういう事を簡単にする奴じゃないし、琴音に手は出したことない」


「そ、そうです!!まだ、そんな事…」


「まーだー?じゃあ、いつかはするの?何ソレ。純情恋愛ですカー。」


馬鹿にするかのように、瑠璃は琴音の顔を覗きこむ。


琴音は、弦が切れたかのように、瑠璃に刃向かう。


「もう!!いい加減にして!!神高様は、私を今までの主人とは違う扱いをしてくれているの!!私は絶対帰らないから!!!」


瑠璃は、目を見開いて、口を開けている。


俺も思わず口を開けっ放しにしていた。


こんなに自然な口ぶりで話しているのも初めて見た。


それに、こんなに自分から私情をぶつけているのは初めてだ。


瑠璃は気まずそうに肩を竦ませた。


「そ、そこまで言うなら、しょうがないわ。私も一緒に住む!!」


俺と琴音は顔を見合わせる。


「お父様は何て言ってるの…?」


琴音は改めてたずねる。


「お父様なんて、私の事をもう捨ててる。私は使用人とかしたくないし。今じゃ、自由よ」


琴音は少しうらやましそうな顔をして微笑んだ。


「竜輝様、よろしいでしょうか?」


気まずそうな視線で俺を見た。


「しょうがないよ。このまま放っとくわけにもいかないし。今日はとりあえず」


「どーもー」


そういって、俺の家に新たな少女が入り込んできたのであった。




                  


     

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ