第8章:俺と学校の秘密
俺は大きくあくびをし、壁に掛かった時計をちらりと見た。時間の流れがやけに遅い。特に数学の授業のときはそうだ。
数学は正直簡単だ。でもなぜか、この授業には眠気を誘う副作用がある。まるで薬みたいに。
普通なら、何人かの生徒は寝るか、せめて静かに授業を聞くものだろう。
でも――この学校は違う。
期待を軽く飛び越えて、真逆のことが起きる。
眠くてたまらない俺は、結局寝ることもできなかった。
周りがやたらとうるさいからだ。
後ろでは即興の寸劇が始まっているし、隣の席や数列離れた机では、テクノロジーの天才・リオがドローンを修理している。しかも、なぜか溶接機まで使っている。どうしてそれを学校に持ち込めるのか、さっぱり分からない。
ナラはいつも通り、ぐっすり眠っていた。
だが、もし授業中に先生に起こされたら最後だ。泣きながら助けを求めるくせに、どんな問題でも理論でも、完璧に説明し、解いてしまう。
俺の頭は止まらない。まるでGoogleみたいに。
もう何か月も経つのに、まだ答えが見つからない疑問がある。
――どうしてこの学校は「最悪の学校」なんて呼ばれているんだ?
そんなことを考えているうちに、最初の休み時間がやってきた。
いつものように、クラスで特に面白い話題がなければ、俺は屋上へ向かう。
いっぱいになった頭を、少しでも落ち着かせるためだ。
周囲を見渡す。誰もいない。ナヤラの姿もまだ見えなかった。
俺は持ってきたパンを取り出し、缶入りのフルーツジュースと一緒に食べ始めた。
青い空の向こうをじっと見つめる。
ビルや家々が、遠くまで広がっている。
今通っているこの学校は五階建てだ。
昔いた「ベルリアン高校」は三階までしかなかった。
そんなことを考えながら、俺は独り言をつぶやく。
「どこが最悪なんだよ。むしろ、ヒーロー養成学校みたいじゃないか」
「生徒も非常識だし、先生もだし……設備も、ちょっと汚いけど」
「へえ、前の学校と今の学校を比べてるわけ?」
突然、背後から声がした。
この話し方――誰かはすぐ分かった。ナヤラだ。
「来たな。言葉がナイフみたいに刺さる女」
俺が言うと、ナヤラは小さく笑った。
「いいじゃない。どう話すかは私の自由でしょ?」
「珍しいね。朝から空なんて眺めて」
ナヤラが聞いてくる。
「朝からクラスがうるさくてさ。リオがドローンを溶接し始めて。
爆発して、俺が歴史的犠牲者になるかと思った」
彼女はくすっと笑った。
「あなた、クラスの実況解説者に向いてるわね、サンディ」
しばらく、二人とも黙った。
朝の風が心地よく、青空が街の上に広がっている。
「ナヤ……」
俺は口を開いた。
「この学校が、なんであんなに評判悪いか、知ってる?
中にいる俺たちは、むしろ“ヒーロー学校”みたいに感じてるのに」
ナヤラはパンを少しかじってから、答えた。
「昔は普通の学校だったのよ。でも校長先生が病気がちになってから、責任があちこち抜け落ちていった。
事務はめちゃくちゃ、校則はゆるゆる、先生も頻繁に入れ替わった」
彼女は俺を見る。
「でもね、生徒たちは逆に、どんどん活発で創造的になった」
「外から見れば、それは“混乱”にしか見えない。
でも中では……自由だけど、自分たちなりに責任を持ってる」
俺はゆっくりとうなずいた。
「じゃあ、この学校は悪い学校じゃない。
ただ、自由すぎて、外の人が怖がってるだけなんだ」
「だいたい、そんな感じ」
俺たちは立ち上がり、教室へ戻ろうとした。
だが、生徒会室の近くの廊下で、俺は足を止めた。
「ナヤ……あれ、誰?」
俺は小声で言った。
曇った窓越しに見えたのは、生徒会長のカレル先輩だった。
彼は机の上に立ち、黒いローブを着ている。
手には赤い風船。そして――扇風機に向かって、真剣な表情で話していた。
「信号を送れ。もしお前が北の組織のエージェントなら、風を媒体に応答しろ……」
俺は言葉を失った。
「……なんだ、あれ」
隣でナヤラが笑いをこらえている。
「初めて見た? この学校の生徒会長の“次元接続モード”」
「名前からして理解できないんだけど」
「毎週ジャンルが変わるのよ。探偵になったり、忍者になったり。
先週は、二階が未来の時間帯だって信じてた」
呆然として立っていると――
突然、生徒会室のドアが開いた。
カレル先輩が、確信に満ちた表情で俺たちの前に立つ。
「窓越しに私を見ていた者よ……」
彼は真っ直ぐ俺を指差した。
「君には第三次元観測者の素質がある。今すぐ来い!」
「はぁ!?」
返事を待つこともなく、俺の手は引っ張られ、生徒会室へ連れていかれた。
「おめでとう。今日から君は生徒会の一員だ」
俺はナヤラの方を見て助けを求めたが、彼女は腹を抱えて笑っていた。
「サンディ」
笑いながら彼女は言う。
「ようこそ……この学校で一番カオスな場所へ」
こうして、静かなはずだった朝の休み時間は――
正直、喜ぶべきか後悔すべきかも分からない、奇妙な冒険の始まりへと変わった。
でも一つだけ、確かなことがある。
初めて俺は――
ナヤラが、この学校を“理解できる場所”にしてくれる理由になり始めていると感じた。
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