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戦国に咲く百合は夢幻の如く  作者: 十鳥ミミ
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マジか?

——言葉を失う両陣営


いや向こうのお付きはプラス頭を抱かえてる、どうやらこの姫様にとってはいつもの事らしい

初めての共同作業は胡蝶姫を引きはがす事、まだ結婚してないけどね


「なんじゃ女、嫉妬しておるのか?もう私のだぞ!やらんぞ、貸さんぞ、今日は初夜じゃ、張り切るぞ!末永く二人の愛は永遠にってやつじゃ」


間に入られた事を根に持ったのか、アヤメを煽る、いやアヤメさんはそんなんじゃないし…


「ふふふ、もう結婚は確定じゃし、その為にきたんじゃろ、第一そっちはミクネ国に攻められて尻がボーボー、早く同盟結んで立て直さんと亡国まったなしじゃろ」


私の脳内設定では薄幸美少女だったはずなのに、えらい喋くりまくる元気な姫様、

確かにコバルト色の髪に釣り目がちの瞳は今のイメージ通りなんだが、当初の設定予想と違い過ぎて…

これまでの悩みや不安はなんだったのか?こんなイージーモードが許されるとは、女の子にモテるのは異世界転生物の定番設定なのか?

でも残念だったな、私も女なのよ、ウィメンよ、発音記号だと [wúmən]ウーマンだと通じませんよ

でもコレは当初の予定通りではある、早いに越したことはない、

計画通り同盟さえ結べれば取って返して東の守りに専念できる

(ちなみに道中に聞いた話では、我が国の南は海、西の国境は大河を挟んで地理的にわずかに接する程度、国境の大半は北のミオ国、あとは戦争中の東のミクネ国)


「胡蝶姫様、ま、まだ祝言前です、ち、近いですぞ、ちょっと離れて、もうちょっとお話を、お触り禁止です、見るだけ!」

隙あらば私に抱きつこうとする姫様をアヤメと岸本二人で防ぐ、

とりあえず岸本、どさくさに紛れて私に触るな、という前にアヤメが吹っ飛ばす

しかし忘れるところだったが一応私は女、いくら貧乳でも触ればバレる

巻く程の容量も無かったからサラシは巻かずにきたが、まさか見合いの時点で貞操の危機を迎えるとは、遠山の金さんでも見抜けねぇよ


「それとも何か、私が再婚で処女かどうかで迷っとるのか?安心せい!正真正銘の生娘じゃ、誰があんな男(前の旦那)に私の玉肌を触らすか!」


なんか私が言うのもアレだが年相応の女らしさとか、慎みとか、貞操とかは以前の嫁ぎ先で失ってきたらしい、いや元からこんな性格なんだろ

再婚、むりやり離縁ってのも、相手先に送料発送元負担で返品くらったのが真相じゃないのか?

まさかだが、若様ってこうなるの分かってて失踪したとか?


「いや、お待ちください本当にこの人で、いや若様で、本当は——」


言いかけて慌てて言葉を飲み込むアヤメ、取り乱すとは珍しい、アブネー思わず言っちゃうところだったよ

私は私で思わぬ展開とギャップに赤ペコみたいに首が躍ってるし、目も泳いでる


それでも相手の人に悪すぎる、一目ぼれの相手が男装した女って

うぅ、私実は女なんです、今は無事に帰って、本番は影武者君でお願いします、とカミングアウトしたい

いや影武者君の若様再現度ってどのレベルよ、今の私にクリソツって事なんだよね、ホントに?

それより影武者と結婚した場合、このお姫さんはどんな立場に置かれるの?

やっぱ正直に告白した方が…


「ごめん、私、いや拙者——」


「うへ、うへへへ~、これは当たりじゃ、しかしそれにしても顔がイイ、あ~黙ってていいぞ!今はその顔を堪能したい、ぐへへ」


思わず声が出かかった私に対して、身と声を被せるように遮る胡蝶姫、口元の涎拭いてるよ、この人…

あぶねー!隣でアヤメと岸本が息を呑む、——向こうのお付きは?

セーフ、胡蝶姫を引き剝がすのに必死で私の声に気づかなかったらしい


「で、では、胡蝶様、話はまとまったようですので我々はこれで、とりあえず輿入れの件はミクネ国の侵攻を防いでからでも、それが済んだら急いでお二人の新居も建てますゆえ」


岸本もタイミングよく割って入り、用は済んだ、ボロがこれ以上出ないうちにと、事前に決めていた結婚引き延ばしの口実を持ち出す

これで胡蝶姫が一旦は大人しく引き下がってくれればと思いきや


「ふ~ん、果たしてそれで防げるのかの、そち達が?敵は東方だけとは限らんぞ」

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