最後の戦い(結) 頑張ります!
「わかりました」
私は そう言って王太后様から 受け取ろうとする。すると 白い珠が 勝手に私の身体の中に入ってしまった。
なんだか、、『お師匠様の子供として 生まれて来ますよーー』
と言われた様な、、
「あら! 私の義お祖母様は 私のひ孫になるのかしら?」
「やっぱり! そう思われます! 私も ヴィランちゃんの中に 消えた瞬間。私の義大お祖母様が 私の孫になるんだー! って そう思っちゃいましたわ」
むむ、、御二方共 鋭い。 しかし 私の子供は 確定だろうが、、御二方の子孫になるのかは? まだ 決まった訳では無い。。そう断じて無い。。
『シレン様。我等は 今度こそ デスストーンを全て封石致しました。四柱にて控えておりますので いつでもお呼び下さい。いつでもお側におります。いつでも頼って下さい』
「うん! ありがとう。いつでも呼ぶし いつでも頼るね」
『てへへへ シレンさまーー ひとまず 行ってきまーーす』
ダイヤモンド サファイア ルビー パール 石が全て 空中に上がっていく。 四方向に分かれると 光となって 流れ星の様に 流れて行く。
『シレンさまーーー』
おそらく 四柱の歪を 全て『終結』したのだろうと思った。私の最大の任務だ。
「終わった、、終わったんだ、、」
そう思うと 嬉しいとか 今迄辛かったとか いろいろと浮かんでくる。
「でも 疲れてしまった、、」
ほっとした。やり遂げる事が出来たんだ。そっちの感情の方が強かった。
私と王太后様 王妃様は ふらふらと互いに支え合って 歩きながら 崩れてボロボロの闘技場を出る。
「もう 私達 ボロボロですわね。でも 良く生きてたわね」
「でも! 私達 やりましたよねー。当然!」
「はい 私達は 頑張りました! 当然!」
闘技場 学園を出ると 大歓声が上がる。どうやら フローラの伝達により 陛下が 近衛騎士団 王国軍を 念の為学園周囲に配置して 取り囲んでいた。避難していた教師 学生達も居る。これ程の大災害にも関わらず 死者が1人もいない。皆んな生きてて 良かった!
「わぁーー!! 凄い!! あんな あんなに大きな龍を!!」
「ああーー あの女の子が 龍の腹部から 飛び出て来てた子だーー」
「ヴィラン様 凄かったです! 聖女さまーー」
「王太后様 速かったです! 強かったです!」
「王妃様 いつも ぐうたらなのに、、やる時はやる御方だったんですねーー」
「うん?」
「誰? 今のーーー」
王妃様が 隣で叫ぶ。以外と元気で安心する。
陛下とお父様 ミブキ様 ゴブキ殿下が 前に出て来られる。
「ヴィラン 終わった様だな?」
「はい 王太后様 王妃様 ヴィーナス様 陛下 ミブキ様 お父様 ゴブキ殿下 全ては 皆様のおかげです」
「ヴィランちゃん 凄かったのよ!」
「ヴィランちゃんの力のおかげね」
「いえいえ 御二方 とてもカッコ良かったです! 大好きです!」
「ところで ヴィーナス様は?」
「うーん、、何とお答えしたら、、」
「陛下 もうしばらくしたら 出会えますわ! もうほんの少しお時間を! ゴブキ しっかりするのよ! わかってる?」
「うん?? あぁーー 何の事だが、、とりあえずお任せ下さい。母上」
「楽しみですわーー。ミブキ様 私達 長生きしませんと! もう一度 お会い出来るなんて とても楽しみ! うふふふふ」
「?? ああ 長生きすれば 良い事があるのだな。そうだな。うんうん」
『だから! 私の子供であろう事は 間違いないが、、 あなた方の子孫になるかは? まだ確定では無い! 断じて無いのだ!』
「そうか! ヴィーナス様も この場には居られないが、、いずれは また必ずお会い出来るのだな、、なら 我等の『完全勝利』だな?」
「は、はい、、」
「うむ!」
陛下は 振り返る。騎士団 王国軍 学園関係者達に言う。
「この国に於ける 最大の危機は去った。乗り越えたのだ! 我が王国に繁栄を!!!」
騎士団 王国軍 ざっと動いて 全員が 片膝を付いて 臣下の礼をとる。右手を胸に当てる。
「我が王国に繁栄を! 我が忠誠を陛下に!」
「英雄は『ヴィラン カシェット』! 王国の長き歴史の中で 3人だけ存在する『ヴィラン カシェット』!王太后 王妃 そして 王太子妃になる予定の者 この3名こそが 英雄『ヴィラン カシェット』だ!!」
「おおーーー!! 英雄ヴィラン!!」
騎士団 王国軍が 一斉に立ち上がって 大歓声を上げる。
私達 3人は照れる。今迄 隠して来たのに、、
『シレン ターコイズ』『悪役令嬢』『ヴィラン カシェット』『シレン ニドウ』『聖女』『英雄』
なんか、、肩書き また増えたなぁ、、
うん?? あれ?? 王太子妃になる予定の者?? って誰???




