最後の戦い(承) 頑張ります!
おはようございます。
「ぐふっ」
私は いきなり後方から 腹部を刺される。剣先が 目の前にある。
腹部から 大量に出血する。痛みと疲労感から 膝を付く。剣は刺さったままだ。
「ヴィランちゃん」
王太后様と 王妃様が 駆け寄って来る。
後ろには バスストンさんが 私を刺していた。目に生気が無い。おかしい、、
『バスストンさん、、な、何故??』
私は 剣を腹部から抜く様に 前に倒れる。
「ぐはぁ!」
『痛い、、熱い、、ち、力が抜けて行く』
バスストンさんは そのまま デスストーンの元に行く。
「ヴィランちゃん!! 、だ、大丈夫?」
王太后様 王妃様が 私の側に来て 声をかけて下さる。
「ははははは、何故? バースストーンが 人間で此処に居るのか? 考えた事も無かったのか? 私とバースストーンは 元々は 1柱の双頭神龍 バースストーンが転生しているなら 私も転生している筈! とな」
「だ、だけど 何故? バスストンさんが お前の意のままに操られている?、、」
「それは 私が お前に刺されて お前の力を利用して『天』に昇る際 お前の力を借りて バースストーンの魂に細工をしたからだ! どうだ 苦しいか?」
『四柱命漲』は 私自身には意味がない。今まで使ったけど 私には効果が無かった、、それに力も、、』
「ぐはぁ、、」
『シレン様 我等の御力で 今すぐに治癒を』
四神獣様達が 治癒して下さる。傷は癒える。だが 流した血液と疲労感は 消えない。力が出ない、、
何とか 立ち上がって 剣を構える。
『不意打ちだった、、だからこそ、、 何故? 心臓を一突きにされなかったのだろう?、、』
しかし そこにデスストーンが バスストンさんが 最速で斬り込んで来る。
『間に合わない!』
後方に下がろうとして 後ろ手に座り込んでしまう。
「カキン」
「私だって 居るのよ!」
王妃様が デスストーンの剣を止めて下さる。
「カキン」
「ヴィーナス様、、正気を!」
王太后様が バスストンさんの剣を止めて下さる。
「ほほう 私の剣を シレン以外が止めるとは! やれ! バースストーン」
デスストーンが消える。王妃様も消える。バスストンさんも 王太后様も消える。4人は相当に速い。掠れる目で追いかけるのが やっとだ。。でも 王太后様だけは 3人に比べると やや遅い。。
デスストーンの剣と 王妃様の剣は 互いに打ち合っている。王妃様は よく付いていかれている。互角とは言い難いが かなり 善戦しておられる。
光が閃光が走っている。王妃様 凄い!
王太后様も バスストンさんと 打ち合っている。かなり押されているが 致命的なダメージを受け無い様に 避けている。上手い! こちらも 実力差の割には 正直かなり善戦している。
王太后様も凄い!
4人が止まる。刹那の時間。王妃様は 少しだけ身体に擦り傷がある。王太后様も かなり傷がある。ただ 2人共 目が生きている。士気も高く。頼もしい限りだ。
「やるな、、私相手に その程度の傷とは、、」
「はぁはぁ 当たり前でしょ! 私だって『ヴィラン カシェット』なのよ! 当然!」
「・・・」
「はぁはぁ ヴィーナス様 ご意志がお有りなのでは? でなければ 私はとっくに 死んでますわ、、ねえ、ヴィーナス様!」
バスストンさんは 何も答え無い。
「では もう1段階 上げるとしよう」
「神獣様達 お願い!」
『シレン様の御心のままに』
王太后様が白く 王妃様が赤く 輝く。王太后様は 2本の剣で突きの構え 王妃様も得意の居合。
4人が消える。
王妃様は デスストーンに向かって左斬上 居合。デスストーンは身体を左に躱しつつ 王妃様の剣を右に払う。それを見越したかの様に 王妃様が左手で掌底を デスストーンの腹部に打ち込む。
デスストーンは その掌底を上から素手で払い 左足で王妃様の脇腹を蹴る。王妃様は 何とか防御するも 側方に飛ばされる。
王太后様は 2本の剣で突きにいく。バスストンさんは 王太后様の左手の剣を 剣でいなして 右手の剣を素手で押さえる。すると 王太后様が そのまま 剣を手放して両手の掌底を バスストンさんの腹部に入れる。バスストンさんは 腹部に掌底を受けて 後方に飛ぶ。
4人が止まる。
「ほほう、 正直ここまでやるとは 予想外で面白い! 私を楽しませてくれるのは シレンだけでは無い様だな! では 更にもう1段階」
「ヴィランちゃん お願い!」
「神獣様達 お願い!」
『シレン様の御心のままに』
王太后様が 白に加えて黒と 王妃様が 赤に加えて青と マーブル状に輝く。
「ぐふっ」
王太后様が 少し苦しそうである。
だが 先に動いたのは 王太后様と王妃様だった。
2人が消える。刹那だが やや遅れて デスストーン バスストンさんも消える。
王妃様が居合。今度は左薙。かなりの速度だ デスストーンが剣で止めるが 王妃様がそのまま 空中で前転して 踵落としを繰り出す。デスストーンは蹴りを下から受け止める。だが やや力負けしたのか 片膝を付く。王妃様は後方に回転して飛び 着地する。
「はははは やるな!」
「はぁはぁ はぁはぁ さっきから言ってるじゃないの! 当然!」
王妃様も 両膝に両手を付いて 立っているのが やっと。といった様子。
王太后様が 二刀流で突く。こちらもかなりの速度。バスストンさんが 右手の剣で片方の剣を払う。バスストンさんが 掌底を入れ様と左手を出す。王太后様がそれを躱して もう1本の剣を繰り出す。バスストンさんは 避けきれず? 腹部に 1本の剣が突き刺さる。
「ぐふっ」
バスストンさんが 生気のない表情のまま 血を吐く。
「はぁはぁ はぁはぁ、、ヴィ、、ヴィーナス様 やはりご意志が! 避けられない訳がありませんもの、、ねえ そうでしょう!ヴィーナス様!!」
「・・・」
『バスストンさん、、避けなかった! 避け様としなかった、、何故?』
王太后様が剣を抜く。バスストンさんが 両膝を付く。その拍子に バスストンさんのポケットから何かが溢れ出た。それを バスストンさんが飲んだ様に見えた。
王太后様も剣を立てて 片膝を地面に付く。「ぐはぁ、、」少し血を吐く。
「思っていたより やるな! シレン以外に ここまで追い込まれるとは、、」
「はぁはぁ、、当たり前でしょ! 誰を相手にしてると思っているのよ! 私達は『悪役令嬢ヴィラン カシェット』なのよ! 当然!」
王妃様が 啖呵を切る。
「はぁはぁ、、『悪役令嬢ヴィラン カシェット』を 甘く見ないで頂きたいですわ」
王太后様も 啖呵を切る。
しかし 御二方共 2度に渡る柱の御力。2柱の御力。だいぶ 疲労しておられる。特に 王太后様はその色が濃い。
だけど 御二方のおかげで 少し休めた。本当に 初代様 2代目様は 凄い! 頼りになる!!
バスストンさんも 気になる。どうすれば、、
「止む得んな では 第3幕といくとしよう」
そう言うと デスストーンは巨大な黒い龍に バスストンさんは巨大な白い龍に 変化したのである。




