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最後の戦い(起) 頑張ります!

平和で穏やかな日常は そう長くは続かなかった。


突然 学園に大きな音がして 大きな声が響き渡る。

「シレンよ 此処にいるのはわかっている。出て来い! さもなくば この建物ごと吹き飛ばしてやろう。我が名は『デスストーン』」 


私達3人は 急いで 音と声のした闘技場に行く。教師 学生達が 既に多数居る。デスストーンを取り囲んでいる。

「はははは ようやく 私は満足のいく『肉体』『神龍力』を得た。シレン そなたを倒す為にな」


目の前には 見た事の無い若い男性が立っている。見た目は 私達と同じ歳ぐらいだ。

「兄上 六道を巡って来たのですね。。そのお姿 神龍力も満ちておられる、、神として転生なさったのですね」

「ああ、、お前は 何故? 人間として此処に居るのか わからないだろう。はははは」


デスストーンが 突然抜剣する。

デスストーンを取り囲んでいた人達が 崩れる様に倒れる。


「だめー」


突然 指輪が黒く ブレスレットが青く アンクレットが白く ネックレスが赤く ローズストーンが赤く 眩いばかりに光る。

ヴィランを中心に 太陽が有るかのごとく 四色が混ざり合い オーロラ様に輝く。

光はとても眩しいのだが 神々しくもあり 優しく温かい 目も痛くない。周囲の誰もが 驚きの表情で ヴィランを見ている。


手のひら程の大きさの 玄武 青龍 白虎 朱雀が 顕現する。

『我等が主 シレン様 あなた様の御心のままに。我等に御力を!』


「我の心に反応せり 四神獣よ! 我が力を受け取り 命に息吹イブキを!」


『四柱命漲』


ヴィランを中心に 眩い光が輪となって広がっていく。その場にいる者全てが 光の広がりを感じる。

眩い光が 優しく温かく包んでいく。


倒れた人達が 死を免れる。

「聖女様」

「せ、聖女様だわ!」


『少し疲労感がある。でも 皆 死ななくて良かった』


周囲がそう言った瞬間 私達3人目掛けて 斬り込んで来た。私とバスストンさんが デスストーンの剣を 握っている手を受け止めて フローラへの攻撃を防ぐ。デスストーンの剣は フローラの顔寸前で止まる。刹那であった。前よりかなり速い!

フローラは 当然視えない。全く動けない。剣が止まった後 随分経ってから その場にへたり込む。おそらく デスストーンの動きが視えたのは 私とバスストンさんだけだろう。私はデスストーンさんに 右手の拳で正拳突きを繰り出す。デスストーンさんは 後方に少し吹き飛ばされるが 立ったままで堪える。


「力を使った後だというのに さすがだな シレン。そう来なくては 面白く無い」


周囲も何が起こったのか わかっていない。ここまで一連の動きは 刹那だ。

『デスストーン 急過ぎる。剣も無い 王太后様 王妃様とも連絡を取らないと。。周囲の人達も退避させないと』


「全員 急いで避難しろーーー こいつは敵だーーー」

フローラさんが しっかりと立ち上がって 大きな声で叫ぶ。

「聖女様! 王太后様 王妃様にも 直ぐに連絡を取ります。剣も調達致します。しばらく お時間を」

フローラさんが 察してくれる。凄い!!フローラさんが 走り出す。


デスストーンが 全く関係の無い学生達に 斬り込もうと動く。

私も動く。またしても 学生の顔寸前で 剣が止まる。


「早く逃げて」

「で、でも ヴィラン様では、、」


「おりゃーー」

デスストーンが 剣を乱撃で振り回す。私は素手で 何とか防いで 正拳突きを繰り出す。デスストーンも素手で受け止める。互いの拳がぶつかる。


「う、うそ、、ヴィラン様、、」

「ヴィラン様 み、視えない」

「え!?」

見ている教師 学生達が 私の動きに驚愕している。普段 運動音痴のはずである私の動きが視えないのだから、、当然だ!


「いいから 早く逃げてーー」私は叫ぶ。


デスストーンが 剣撃を学生達に向けて放った後 走っているフローラさんに斬り込む。

私は 何とか連脚で 剣撃を打ち消す。守りながらの戦いは 厄介で難しい。思う様に デスストーンに攻勢をかけれない。デスストーンの剣は またしてもフローラの後頭部寸前で止まる。バスストンさんが受け止めてくれる。


「いけ! フローラ」

バスストンさんが言う。

「助かる」

フローラは 自分では この戦闘に一切役に立たない事を いち早く察して 他の事で役に立とうと奮起する。


だが 学生達は退避が遅い。

デスストーンが 無差別攻撃に出る。畜生 修羅を 各3体ずつ出す。加えて デスストーンが 剣撃を振るって来る。

私も デスストーンの剣撃を打ち消しつつ 合間を計り 畜生 修羅を正拳突きで屠る。バスストンさんも 同様に畜生 修羅を屠って デスストーンの剣撃を打ち消してくれる。


だが 打ち消し切れない剣撃 倒す前の 修羅 畜生が 攻撃を加えた教師 学生達が 数名倒れている。


またしても 畜生 修羅が各3体ずつ出てくる。デスストーンは 無差別に剣撃を繰り出す。

私とバスストンさんで 何とか対応するが 倒れている怪我人を庇っているうちに また怪我人が増える。


何度も何度も 同様の攻撃を受け続ける。怪我人が増す一方だ。しかも 怪我人もこのまま 放っておいては 死んでしまうのでは無いか?


私は それでも怪我人を庇いつつ 戦う。怪我人を安全な場所まで 運んでいる余裕が無い。

「あっ!」 

修羅が 学生に襲い掛かる瞬間が視える。間に合わない! 


「カキン」

修羅の剣を 剣で止める音がする。すかさず 修羅から黒い霧が霧散する。

「遅くなりました。ヴィーナス様」

王太后様だった。修羅の剣を受け止めて 修羅を屠って下さった様だ。バスストンさんに剣を渡す。何故だか安心する。


近くの畜生からも 黒い霧が霧散する。

「待たせたわね。はい ヴィランちゃん」

王妃様も来て下さる。私に剣を渡して下さる。とても ほっとする。


だが 

「ゔ、ヴィランさ、、ま、、す、すい、、」「うーー」「はぁはぁ、、」


周囲をよく見渡す。。庇っていた学生だけで無く 皆んな よく似た状況だ 毒だろうか、、どうしたら、、このままだと 皆んな死んでしまう!!


再び 指輪が黒く ブレスレットが青く アンクレットが白く ネックレスが赤く ローズストーンが赤く 眩いばかりに光る。太陽が有るかのごとく 四色が混ざり合い オーロラ様に輝く。

手のひら程の大きさの 玄武 青龍 白虎 朱雀が 顕現する。

『我等が主 シレン様 あなた様の御心のままに。我等に御力を!』


「我の心に反応せり 四神獣よ! 我が力を受け取り 命に息吹イブキを!」


『四柱命漲』


眩い光が 優しく温かく包んでいく。

倒れていた怪我人達が 回復していく。


「2度目だな! シレン」


「はぁはぁ はぁはぁ、、なるほど。私に力を使わせる為に 無差別攻撃を」

私にしては 珍しく かなり疲労感がある。『四柱命漲』は 想像以上に 力を使う様だ。。


「さぁ 早く逃げて!」私は叫ぶ。

「さあ 早く」王太后様 王妃様 バスストンさんが 皆んなを逃す。ようやく周囲に 私達以外 居なくなる。


「さぁ 第2幕といこうか! シレン」

デスストーンが 不敵に笑った。

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