悪役令嬢の解釈 頑張ります!
「そなたを 3代目悪役令嬢に 任ずる」
『また。。2回言ったよ。。』
「陛下 ご質問よろしいでしょうか?」私は シュタと手を挙げる。
「うむ。当然だな」
「3代目とは? 悪役令嬢とは? 何の事でしょうか?」
「それでは 私の方からご説明を致します。この国『バースストーン』は 約100年前 『ヒコーキ』と言うドラゴンが空を飛び交い『タワー』と言う大きな木が地上にそびえ立っている という異国の地から お越しになられた初代国王陛下『イブキ バースストーン』様が建国成されました。
イブキ様は とても不思議なお方でした。現代の技術では製作不可能な道具を さも見て来たかの様に設計なさったり その材料を産み出して作製なさったり。一般の者では 理解すら困難な知識を披露なさったり。加えて 未来についての予言すら幾つか残しておられます。またその事案への対応策も書き残されておられます。これらの情報は『イブキファイル』と名付けられ 厳重に管理されており 閲覧可能な者は 国王と宰相のみ。と決められております」
『へぇー。私が聞いた事あるのって イブキ様は この世界でたったお1人 黒い髪 黒い瞳をされておられた。だけだったし だから王族の皆様は伴侶を除いて 黒い髪 黒い瞳をされておられる。って言う事だった。でも未来予言って。。凄いね』
「はぁ。イブキファイル、、イブキ様のお話は いろいろと聞かされておりましたが 未来予言なんて凄いですね」
「そんな悠長な事では無いのです。国の存続・存在に関わる事案もあります」
「なるほど。悪用されたりしたら困る様な事案とか 発明とか?ですかね」
「その通りです。まぁ今回の件は違いますが。。今回は 王太子殿下暗殺に関する未来予言であり あなたのご質問の悪役令嬢に関する事案です」
えらく決め顔で 言い切る。
『宰相。いい顔してるなー。見せ場なんかい』
「正直な感想として 悪役令嬢と王太子殿下暗殺が まーったく繋がらないのですが、、そもそも悪役令嬢って 何なのですか? 悪い令嬢って事でしょうか? 何をすれば良いのでしょうか? 悪い事をするのでしょうか?どうすれば 殿下を救えるのでしょうか?」
『しかし どことどう繋がったら 悪い令嬢と暗殺が繋がるねん?』
「それに 大人2人で 子供1人を取り囲んで 強要して決めて良い事案とは思えませんが? 本当に保護者の同意は無くても良いのでしょうか?」
宰相が 1つの本を 小切手を横に避けて 机の上に置く。『あっー! 小切手が遠くにー』
「まぁ その件は後程。ですが決めても良いのです。あなたの父上『プルームアゲート ターコイズ』には 口を挟む権限が無いのです。ちなみに こちらはイブキファイルの悪役令嬢に関する事案だけを抜粋して 作製した本です。先ずは こちらをお読み頂きたいと思います」
『コイツ また言い切ったよ。でも10億ジュエルとは言え えらいこっちゃ。。しかし シレっと『決めて良い』って言ったけど こんなか弱い乙女に 国の命運背負わせるとは。。コイツらめ!! シレン やれるの?』
「私などの お子様令嬢に 国の命運を懸けて良いのでしょうか?」
「そうだな。ただ イブキ様は『悪役令嬢システム』を構築なさり この事案の対応策となさった。そして 多くは語ってやれんが 今までの経緯とそなた自体を見て そなたに託すべき。と確信しておる」
『はい出ましたー! 聞いた事無い言葉『悪役令嬢システム』』
「悪役令嬢システムとは なんなのでしょうか?」
「出来れば 先ずは 本をお読み下さい」
私は 仕方なく勧められるまま 本を手に取る。本を開くと 1ページ目に『イブキ 渾身の俳句。『王太子 密かに守る 悪役令嬢』字余り』との記述。『うん?何コレ??字余りって何?』
更にページを捲ると。『悪役令嬢とは』の文字。読み進める。
我儘で 高慢で 尊大で 威圧的である者
自分に絶対的な自信があり 驕り威張る者
人に畏怖される存在である者
存在感溢れる存在である者
間違った事を行い 省みない者
嫌味を言う 態度は冷たい者
言葉遣いは丁寧 ただ言葉に棘がある者
取り巻きを連れてはいるが 嫌われている者
しかし これは世を忍ぶ仮の姿。その実態は。。王太子を密かに守る者!!
との記述。『これ何? こんなメチャクチャな者いたら ビックリだよ。。ってか こんな者に成るの? シレン??』
『しかも これが『悪役令嬢』なの。。意味不明なんですが、、』
更にページを捲る。『具体的には』の文字が。『ふむふむ。具体的な例があるのね』
パーティーで 令嬢のドレスに飲み物をかける
前を歩く人を押し退けて 堂々と歩く
食堂では 常に外が見える場所を陣取る
成績は常に首席
取り巻きを連れて 群れて歩く
私は一旦 本をパタンと閉じる。
『これ何? もうメチャクチャなんですけど。。令嬢に飲み物かけて どこから殿下を救える? 堂々と歩いたら 国の明暗が変わるの? ほんと!! もう意味不明』『なんか 胸焼けがする気が。。』
「えーっと? これが悪役令嬢だと?」私はなんとも言えない顔をしているはず。
「はい。そうですね」宰相は言い切る。
「コレに成れと?」
「はい。そうですね」宰相は 再び言い切る。
「コレ 人の事ですよね?」
「はい。そうですね」宰相は 三度言い切る。
「先程から 陛下も宰相閣下も『確信している』とかおっしゃっておられますが 今までの私の態度・言動から コレに成れる者が私だと思っておいでだと?」
「はい。そうですね」宰相 遂に四度目の言い切り。
「うむ。そうだ」陛下も力強く頷かれる。
『失礼過ぎるーー!! こんな支離滅裂な奴に成れる者が 私ってどうなん。どうなんよ!それーー』
「よいですか。悪役令嬢とは 傲慢で我儘で尊大であり 周囲に悪態を付き 棘のある言葉を投げかける。取り巻きと言う群れを連れてはいますが 基本1人。孤独なのです。だが勉強は常に首席『ローズストーン』である為 反論を許さない。ですが運動能力は全く駄目である。と言った事を周囲に刷り込んでおく事が大切です。間違っても あなたが戦闘に秀でており 馬も優秀に乗りこなす事が出来る。などといった事がバレる様な事態に くれぐれも無らない様によろしくお願いします」
『遂に 宰相の説明も支離滅裂!!内容も更に 支離滅裂!! なんなんですかーー』