平和な日常 0代目 1代目 2代目 3代目『ヴィランズ』 頑張ります!
おはようございます。
「まだまだだ! もっと踏み込みを! 身体をバネにして!」
「ふん!」
王太后様が 二刀流で突きを繰り出す。バスストンさんがそれを躱す。
「もう一度! 折角治った右足が 上手く機能していない。変な癖が付いてしまっている」
「はい」
王太后様とバスストンさんが 訓練している。王太后様は 右足が動かせる様になり 以前より格段に速く 強くなられた。
だが その分 今迄は右足を庇って 踏み込んだり攻撃をしていた為 課題もある。
バスストンさんが 一生懸命に指導している。
その状況を 尻目に。。
「私もまだまだです。ここから伸びますからね」
「はい」
王妃様が 左腰に剣を沿わせて 右手で剣を強く握る。王妃様が 居合。私がそれを躱す。
「だいぶ以前より 速くなりました」
「そ、そう、、でも 視えた?」
「はい」
王妃様と私も 訓練している。王妃様も 気を抜いて対応すると 打ち込まれそうな時もある。凄い!
その上 柱の力を借りていない。
初代様 2代目様は やっぱり凄い。おそらく デスストーンとの戦闘になれば 『ヴィラン カシェット』しか対応出来ないだろう。
餓鬼 畜生 修羅も ヴィラン カシェットしか対応出来ないはずだ。
カシェット達も 頑張っているが『人』を超えていない。フローラさんも やる方だけど、、限界がある。
そう言えば!
「バスストンさん お聞きしたところによると なんでも『ヴィラン』だったとか?」
「お、お恥ずかしい限りです。私は 真名が『ヴィラン バースストーン』なのです。イブキが『ヴィーナス』と褒めてくるので 『ヴィーナス バースストーン』にしたのです。ですが 私の真名が『ヴィラン』だった事から 四柱に力を借りるためには『ヴィラン』でしかダメですので 『ヴィラン カシェット』計画を進めたのです」
「でしたら 0代目『ヴィラン』と言う事になりますね」
私は 気付いた! 偉い。
「そーですわ! 気付きませんでしたわ。ヴィーナス様あっての システムでしたもの。0代目ですわね」
王太后様も乗る。
「そうしますと 0代目 1代目 2代目 3代目 『ヴィラン』勢揃い。と言う事になりますわ」
王妃様も 更に乗っかる。
「そうなんですねー。0代目! なんかカッコイイです。ね! お師匠さまー」
バスストンさんが 抱き付いて来る。
「はいはい」 バスストンさんの頭を撫でる。
訓練は 剣術だけでは無い。
バスストンさんが 現れた事により『特別な毒』が 作成可能となった。
「ほら 飲め。ははは 私はまだ 結構持っているぞ」
バスストンさんは ポケットにそれなりの数を 入れている様だ。
しかし『特別な毒』を服用出来る程 身体が完成している者も 結局『ヴィラン カシェット』だけなので 王太后様と 王妃様だけが飲まれる。
「うぐっ、、」「ぐはっ、、」
横で 御二方が 少し苦しんでいる。死ぬ事は無い。
更なる 身体強化の為 御二方は頑張っておられる。
「あれ、私達以外が 飲んだら どうなります?」
「死ぬでしょうね。猛毒ですから 鍛えてある女性。つまり『ヴィラン』にしか 飲めまないでしょうね」
「それよりも お師匠様 久しぶりに 私に修行を お願い致します」
「はい。バスストンさん よろしくお願いします」
私達は 苦しんでいる御二方を横目に バスストンさんと構える。
「お師匠様 いきます」
「いつでも どうぞ」
バスストンさんは 構える事も無く 予備動作無く 両手唐竹で いきなり斬り込んで来た。かなりの速度! 私は右に身体ごと躱す。バスストンさんが 剣を左手に持ち左薙 私は上に飛び上がって そのまま唐竹 バスストンさんが 剣で上方に突いてくる。私は剣で右薙で払う。今度はバスストンさんが右に身体ごとずらして 着地した私の左脇腹に 右手掌底を繰り出す。同時に左手の剣で右薙。私は右手を右手で払い 回転しながら剣を剣で払う。両手が外に開いたバスストンさんの 腹部正面に右手人差し指で 軽く突く。
「はい」
「さすがですね」
「いえいえ バスストンさんも 素晴らしいです。ちょっと本気を出しました。危なかったです」
「ほ、ホントですかーー。嬉しいなぁ お師匠様に 本気を出させたなんて!」
0代目 1代目 2代目 3代目
ヴィランズ 勢揃い!
「私が 最初にヴィーナス様からの 特別な毒を飲んで 乗り切ったからこそ 今のあなた達が 私より強いのよ! 私に感謝なさい」
「確かにな。ヴィランは よく頑張ったな」
「ヴイーナス様 ありがとうございます」
「そうですわね。王太后様が 実験的に 手探りで『ヴィラン カシェット』を作り上げられて。大変だったかはと思いますわ。でも 私だって 誰にも相談出来ず 手探りで頑張っておりましたのよ。家族も名前も捨てて。ねー ヴィランちゃん」
「私も 最初は意味も訳もわからなかったです。家族も名前も捨て去せられて、、王太后様もあの『悪役令嬢の本』読みれましたか? 王妃様も読まれたって おっしゃっておられました。私、、あんなのに成れ!って これに成れるのは『私だ!』とか言われたんですよ」
「ああーー、、あの本ね! 読みましたわよ。大変よねー。その上『剣を満足に奮ってはダメ』『威張り散らして畏怖されて孤立しろ』とか もう滅茶苦茶でしたでしょ。それは それはストレスでしたよ」
「やっぱり そうだったのですね。私も凄いストレスだったんです」
「ちなみに ヴィランちゃんは 10億ジュエルらしいですわ。 私の時は8億ジュエルでしたのに。。王太后様はおいくらでしたか?」
「わ、私。。私は 王妃と同じ 8億ジュエルでしたわよ」
「何? そんなに大金を 貰えたのか?」
「うう、、悔しいわ。 私だけが損してますわ」
4人集まれば 様々な『ヴィラン』があり 会話が弾む。
私は こんな会話がしたかったんだ! と思う。とても楽しい。




