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筆記試験 頑張ります!

しばらく 休憩の後 騎士団の方々に もう一度 お礼を伝えて 訓練場から移動する。


「お引き受け頂きました場合 騎士団での訓練は必須条件となります」いい顔をして言い切る。

「えっーと。剣 弓 馬 でしょうか?」

「加えて 体術 暗殺術」

「えっ! 暗殺術?」

「そうですね」


『これは 何をやらされるか? もう少し聞いておこう』

「騎士団・作法・礼儀・体術・暗殺術以外 他にも何かありますでしょうか?」

「様々な知識の習得。医術 毒への対処方法。毒への耐性。家屋への侵入などでしょうか。思い付くのは その辺りですが」宰相が首を傾げて言う。


「えっ! 毒?」『暗殺術とか毒とか。何!何なの。間違ったかなぁー』 

「毒物への知識は勿論。毒を盛られても 死なない身体作りですね」ニヤニヤしながら言う。

「毒でも死なない身体って? それって人なのですか?」

「はい。あなたと言う人ですね」ニヤニヤして 嬉しそうに言う。


「では 暗殺という事は 人を殺す事もあるのでしょうか?」『『人殺し』は さすがにちょっと』


「あなたは 人を絶対に殺してはなりません。絶対に!!です」語尾を強めて言われる。

「その様な必要が出た場合は 私の管轄です。いいですね?」睨まれる。

「は、はぁ。わかりました」

『わかるかー!! 毒でも死なない身体で。暗殺術学んで 殺してはダメ。って』


などと会話をしているうちに 再度 城内に戻って来た。

1つの扉の前で 止まる。『本当は 運動して 汗をかいたし お風呂入って ゆっくりしたいけどねー』


「では シレン嬢 今度はこちらのお部屋に」

先程の謁見の間とは違い 普通の扉がある。宰相が扉を開ける。

そこは 先程 私とマリーが居た応接室とよく似ている部屋があった。陛下が 先に入室されるのを確認して 宰相に促されるまま 入室する。


部屋の中央に 大きな机と 大きなソファーがある。

陛下がソファーに座る。


「こちらにお掛けください」

宰相は 私に座る様 促すと部屋に鍵をかけた。『えっ? 何監禁? 監禁された??』


そして 宰相も陛下の隣に座る。

陛下と宰相が 先に座られた椅子の向かい側に 座る様に指示されたので 私も座る。室内には 陛下 宰相 私の3人である。

『えーー! 私どうなるのーー?? モテモテ?』逆に運動して スッキリしたのか余裕がある。

『うら若き乙女と おじさん2人』陛下と宰相相手に 失礼である。


「では 今度は 頭脳です。こちらの問題を10分間で解いて頂きます。その間 あなたの態度も判断材料とさせて頂きます」

『はぁ? 何?なんなの。。今度は 筆記かー。休憩無しかよ』


私の前に 1枚の用紙が裏返しに置かれる。宰相は時計を見る。

「それでは 始めて下さい」


私は その用紙を表にする。

『なになに 国王陛下のお名前と即位年月。こっちは計算問題。これは貴族としての受け答え。なるほど この武術の流派」

などと 考えながら 問題を解答していく。

『私 勉強嫌いじゃ無いし 先生厳しかったから。楽勝!楽勝! 結構簡単よねーー』

『陛下と宰相の 熱い視線を感じる。何? 私のナイスバディに釘付け!? んな事無いね』結構余裕がある。


陛下と宰相は また何やらヒソヒソと話合っている。私は10分とかからずに 全て解答した。よゆうーー!!


「終わりました」

「まだ 時間が残っていますが? よろしいので」

「はい 問題ありません」

宰相に用紙を手渡す。


宰相は用紙を見ながら 答え合わせをしていく。顔が徐々に綻んでいく。

「素晴らしいですね。全問正解です。時間も余裕がある。11歳にして 貴族然たる応対内容も 模範すべき解答です。それに先程の身体能力。素晴らしい頭脳 高い身体能力を併せ持つ者」


「そうだな。ここに閉じ込められたというのに 物怖じしない。解答中も怯えた感もない胆力 タフな精神力」

「自分自身への自信。しかし驕らない態度」

陛下と宰相2人で『うんうん』といった感じで頷き合う。


「マリーを シレン嬢の侍女に選んだ事も正確でしたね」

『なんで? マリーの名前が? うん!? マリーは一体何者?』


「おそらく 間違い無いかと」

「そうだな。記述通りだ。世が責任を持つ。何より 世がシレン嬢をとても気に入った」

「同じくですね」陛下 宰相が ニヤニヤして 私の方を見る。

『よくわからねー』


遂には 陛下と宰相が 互いに相槌をする。2人の間で意思疎通が 完結した様だ。


「今からお話する事は 陛下と王妃 私と私の妻 陛下と私が許可する者 あなたの父親ターコイズ子爵 侍女マリー以外には 他言無用です」

「ちょっとお待ち下さい。その様な内容の事案を 私にさせるという事でしょうか?」

私は戸惑い 問う。


「引き受けると言ったではないか? 今更か? それに10億ジュエルは どうするのだ?」陛下はニヤニヤしている。

「う、、、」


「大金が 易からず手に入る訳が無かろう?」「た、確かに」

「お引き受け頂けますなら まずこの場で 前金として 5億ジュエルお支払い致します。残金は成功報酬となります。また 父上の件も不問とまではいかないですが 減刑に致します」

『うん? 不問? 減刑? 何の事やら?』


「よいか! この任務は秘匿性を重視しておる。世の望みは 真を隠して あまり表沙汰にならず。世間にあまり知られる事無く そなたが事案を無事解決する事。場合によっては 他言したり 他者にバレてしまったり 辞める などとなった時は。わかるな?」

陛下が 右手で首を切る仕草をする。


「えつ!? 断頭台? でしょうか?」

「そうだ」『えーー!! まじっすか。。失敗すれば死ぬのか 私ーー』


再度 陛下が 右手で首を切る仕草をする。『なぜ? 2度』


「成功すれば 問題無いのです。あなたは 懸命に任務を遂行して下さい」

「まだ 内容も伺っていない段階で 引き受ける判断を行い 任務を完遂すれば 良いとお話になるのでしょうか?」

「しかも 保護者がおらず 子供1人を 大人2人で 取り囲み 閉じ込めて?」


「その通りです。また あなたの保護者『プルームアゲート ターコイズ』は納得するはずですよ」

『うーん。。言い切ったよ。この宰相! お父様納得するかなぁ? こんなに可愛い娘なのに。。それにほんとに内容聞いて無いし 知らないけど。。出来るのかなぁ?でも 10億ジュエル欲しいしなぁ。。やるしかないのかなぁ。シレン』


すると 宰相は 小切手を取り出す。サラサラっと ペンで『^j_500,000,000』と記載する。

私の目の前 机の上に 見せ付ける様に置いた。


目が吸い寄せられるーー。。『5億ジュエルだよ!小切手だよ!宰相 卑怯だぞ』


私の態度を他所に 陛下と宰相は 背筋を伸ばして 座り直す。そして 私の目を真っ直ぐに見つめてくる。私は仕方なく 小切手から視線を外して 陛下と宰相に向き合う。


「そなたを 3代目悪役令嬢に 任ずる」


『はっ? 何それー?? 何処からツッコミ入れたらーー』


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