殿下との婚約?? 頑張ります!
つ! 遂に 休みが終わり あの!『悪役令嬢』学園生活が 再開するのである。
私も 悪役令嬢を頑張ろうと! 気持ちを新たに。今日も今日とて トボトボと 学園に向かって歩いております。
今迄と違う事と言ったら 殿下の通学路の安全確保をしなくて良くなった事である。柱の歪が 改善されると 王太子殿下の暗殺・害する者の出現は 嘘の様に無くなるらしい。。私にとっては『ラッキー』である。
ただ。。「悪役令嬢』は このまま継続である。王太子殿下の護衛が目的の 悪役令嬢だったはず、、そこは変わらないのかよ!
「ヴィラン様 おはようございます」
「はいはい おはようですわよ。当然!」
「ヴィラン様 お久しぶりでございます」
「はいはい お久しぶりですわよ。当然!」
「ヴィラン様 本日も ローズストーンが 輝いておりますわね」
「はいはい 輝きですわよ。当然!」
「ヴィラン様 急ぎ陛下がお呼びです」
「はいはい 急ぎ陛下ですわよ。当然!」
「ヴィラン様 ですから 大至急 王城にお越し下さい」
「はいはい 大至急ですわよ。当然!」「うん??」
「大至急? 陛下が?」
「はい?」
私は 休み明け 学園登校10分 陛下からの使者により 拉致されたのである。
『あら!?』
「すまないな。実は昨日の夜 塔に幽閉しておった フローライトが脱走したのだ。それに呼応するかの様に サファイア柱爵領 パール柱爵領 ルビー柱爵領 それぞれに 餓鬼2体が 出現してな。各々夜間護衛中であった200人規模による近衛騎士団によりなんとか制圧され 事無きを得たのだが。 そなたはどう思う?」
陛下から ご質問を受ける。
現在 陛下の応接室に 陛下 お父様 私 そして 何故か? ゴブキ殿下が。4人である。ゴブキ殿下は 私を見るなり『もじもじ』している。何故??
「フローライト様は どの様に脱走をなさったのでしょうか?」
「それがな 窓はそなたも知っている 特殊なガラス製だ。人では割る事は無理なはずなのだが、、窓を割って脱走したのだ」
「そうでしたか。うん? しまった、、フローライト様は既に デスストーンに、、となると。陛下 デスストーンが陰で動いている可能性が高いと思います」
「そなたも そう思うか?」
「はい。ダイヤモンド柱からは 全ての力を取り戻した と言っておりました。おそらく 残りの柱からも 力を取り戻すつもりかと思います。それに フローライト様を使役なさるのかと」
「なるほどな。実は 私も同じ意見だ。話が早くて助かる。では 行ってくれるな?」
「うん?」『何となくわかるけど、、い、嫌な予感が、、』
「昨晩は 急な事とはいえ 餓鬼が相手でしたので なんとか近衛騎士団により制圧出来ました。ですが これから 畜生や修羅が出現する可能性が考えられます。畜生や修羅が相手となりますと 『人』では制圧が 難しくなります。多数の犠牲者も出る事になりかねません。幸いにも 先週の王都での剣術大会開催により 王太后様 王妃様 ヴィラン 全員が王都に集結しております。そこで この国を崩壊させない為にも 陛下とご相談致しまして 『王太后様とカシェット多数と騎士団』『王妃様を中心とした騎士団』『ヴィラン単騎』の 3チームに分けて 3柱の守護にあたる事に致しました」
お父様が説明する。 私はおかしな事に気付く。
「うん? お父様 3チームとおっしゃいましたか?」
「うん? 何か問題があるのか ヴィラン」
「何か問題って お父様。チームって 確か 何人かが組む物だと理解しておりましたが?」
「当然だ」
「ヴィラン単騎と 聞こえましたが?」
「当たり前だ! そなたは単騎で十分。そなたに割く戦力は無い。1人で行け」陛下が 横から偉そうに言う。
「先日から 更に扱いが雑になった気が致します」
「当たり前だ! 見たか? ゴブキ。覚えておるか? うん? うん?」陛下キャラ変し過ぎて もはや別人。
「た、確かに。ヴィランは1人で十分です。カッコよかったです。き、綺麗です。う、美しいです。凄かったです」
ゴブキ殿下は『もじもじ』している。
『き、綺麗って う、美しいって、、』
私も そう言われて『もじもじ』してしまう。て、照れる。。
「よいな? ヴィラン」
私は気持ちを切り替える。「承りました」
「では 陛下。2つご質問がございます。1つ目です。私はどの柱に向かえばよいのでしょうか?」
「うん。さすがだな! 実は『王太后チーム』『王妃チーム』は 既に出発している。各柱までは 馬車で3~4日はかかる。速い方が良いと思ってな。各々に 縁がある『王太后チーム』は『パール柱』 『王妃チーム』は『ルビー柱』に向かっておる。ヴィラン すまないが『カシェット』の早駆けを準備させておる。『パールのアンクレット』と『ルビーのネックレス』を渡してくれ。それと そなたには『サファイア柱』に向かって欲しい。良いな」
「承りました。では こちらをお渡ししておきます」
私は 『アンクレット』と『ネックレス』を渡そうした。
『シレン様。シレン様。少しお待ち下さい。新しいのをお送り致します。シレン様は是非にもそのままお持ち下さい』
『そうですよ。私も送ります』
脳内に直接 パール柱と ルビー柱から伝えられる。
急に 目の前に 白と赤の光が 降りてくる。
パァーと 輝くと 『パールのアンクレット』と『ルビーのネックレス』に形を変えて 机の上に乗る。
「ど、どういう事だ! これは一体?」
突然の出現に 陛下もお父様も驚く。ゴブキ殿下は『もじもじ』している。。
「何でも 王太后様と 王妃様用に 別?? 柱の神様たちが 私には持っていて欲しいって おっしゃっておられまして、、、」
「うん?」
「柱の神様達が その様におっしゃった、と言うか、、メッセージを受け取ったというか、、」
「な、何? そなたは 柱の神様と会話が出来るのか?」
「はい、、柱の繋がりが 4つ全て揃ったからでしょうか、、あははは」
私は なんとなく誤魔化す。「は!」普段 鋭いゴブキ殿下を見る。未だ『もじもじ』していて 無反応である。何か変!
急ぎ話題を変える。
「では 2つ目です。学園を休む事になるかと思います。いかが致しましょうか?」
「学園の方だが 婚約を前提とした2人が視察に出る事として 既に学園には手続き済みだ。私はやる男なのだ」
「うん?」
「婚約だぞ? 視察だぞ? 羨ましい限りだ」
「うん? 誰と誰の?」 私はあまりの展開に 陛下に失礼な聞き返しをする。
「決まっておろう。そなたとゴブキのだ。保護者は既に 全員同意しておる。学園長にも『先日のダイヤモンド領での脱出で 2人の距離が急速に近くなった』と伝えておる。学園長も納得しておった。ハードルは全く無いぞ!はははは 本当に羨ましい限りだ」
「うん? えーーー!? 私と殿下の???」
「羨ましいのーー。若いって 良いなーー」 陛下キャラ変し過ぎだろ!
ゴブキ殿下が 横で ずっーと『もじもじ』している。
「そうだ! 訂正しておこう。そなたは『単騎』では無い。ゴブキと『2人』! 全くもって 羨ましい限りだ」
「えーーーーーー」




