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初代 & 2代目 vs 3代目 『ヴィラン カシェット』同士の戦い (結) 頑張ります!

おはようございます。

今日も一日 頑張ります!

◇ゴブキ視点

「それでは 3代目ヴィラン カシェットよ。遠慮する事はありません。その力を 初代ヴィラン カシェットたる私に示しなさい。私の知る限り『人』を大きく超えた存在は 2代目ヴィラン カシェットたる王妃しか居ません」

お祖母様が言う。


ヴィランが 闘技場に於いて 母上と相対している。

「では 私が審判を致します」宰相がそう言って 石を上に投げる。「ゴロ」


「えっ!?」母上が言う。

母上の手に握られていたはずの模擬戦剣が無い。母上の前に居たはずのヴィランが 母上を背にしている。母上の模擬戦剣が 空中から落ちて来る。


「な、な、何が?」私には 何も見えなかった。石が落ちたかどうか、、その瞬間 母上の剣が落ちて来たのだから。。

私は 父上を見る。父上も 驚愕しており 開いた口が塞がっていない。お祖父様も同様だった。


ヴィランが模擬戦剣を 上に掲げて言う。

「あのー、、私の勝ちと存じますが。それとも 他に勝敗のルールがございますでしょうか?」


私達この場に居る全員 母上も含めて 一瞬何が起こったのか。わからなかった。ヴィランの言葉に 全員が自分を取り戻す。


「いやっ。すまない。ヴィランの勝ちだ」宰相も 自分を取り戻したのだろう。


お祖母様と母上は 驚愕 驚嘆の表情である。


「視えなかった、、な、何もです。踏み出しも 剣筋も、、身体の捌きも、、」母上も驚いている。

「視えなかったのですか? あなたが?」お祖母様も声が驚きで震えている。


「も、もう一度です。わ、私には ブランクがありますから、、はは」母上が言い訳をしている。珍しい。。

「わかりました」ヴィランは動じる事も無く 淡々としている。その事自体も驚愕である。。


「今度は 合図関係無く 私のタイミングで 私が斬り込みます。よいですか?」

「わかりました。よろしくお願い致します」

ヴィランは 自信があるのだろう。楽しそうにすら見える。


母上が 剣を左腰に沿わせる。右手で剣を強く握る。今度こそは 目に焼き付け様と 見逃さないと思い じっと目を凝らす。


「カラン」母上の剣が 地面に落ちる音がする。 「えっ!?」母上が言う。


「えっ!?」私は またしても 何が起こったのか? わからなかった。気が付いた時には 母上の剣が地面に落ちていたのだから。。


母上がヴィランに斬り込んだのか!? な、何も見えなかった、、母上の動きも、、だと言うのに、、ヴィランはそれを捌いたのか!?


驚愕という言葉しか浮かばない、、表現が足りない、、ただ本当に驚愕である。私には母上の動きすら 何も!何一つ 見えなかった。わからなかった。だというのに、、ヴィランはそれを 易々と捌いたのか? ヴィランは相変わらず楽しそうで 淡々としている。


母上は右手を前に振り抜いた状態で 固まっている。ギコギコと顔を動かして ヴィランを見る。

「み、、視えた?」

「はい」


「す、すいません、、申し訳ございません」ヴィランが 謝っている。


「王太后様 これは驚愕すべき事ですわ。3代目ヴィラン カシェットは 私達の遥か遥か上ですわ。私では 到底勝てません。って言うか 勝負になりませんわ。いかが致しましょうか?」母上が焦っている様にしか見えない。


「では 私も参加致しましょう。但し 私は右足が不自由です。パール柱様から頂きました この『パールのアンクレット』を 右足に付けて パール柱様の『御力』をお借り致します。その為 長い時間は戦えません。そこで 王妃も 1柱の『御力』をお借りして下さい。ヴィランは『御力』をお借りする事無く そのままで 王妃 ヴィラン いかがですか?」お祖母様が言う。


「わかりました」母上とヴィランが答える。


「王妃は どの『御力』を?」

「私は『ルビー柱様』をお借りしたいと思います」


お祖母様が『パールのアンクレット』を右足に付ける。『あ、あれは? うん? 柱の何かか?』

母上が『ルビーのネックレス』を付ける。

「ヴィランちゃん ほんと! ローズストーンが通してあるわね」

お祖母様様も ローズストーンを胸に付ける。


「『御力』をお借りしての訓練では無く実戦は 久しぶりで 緊張しますわ」

「私もです」


お祖母様が ヴィランの左 母上が右に構える。ヴィランは左右から お祖母様と母上に挟まれている。

だが 表情に焦りは感じて無さそうだ。余裕なのだろう。

母上は 先程と同じ構え。お祖母様は 2本の剣を両手で持っている。

『お祖母様って 二刀流なんだ!』お祖母様の戦う姿なんて 初めて見る。


「ヴィランちゃん。私達は『御力』をお借り次第 ヴィランちゃんに攻撃を仕掛けます。よろしいですか?」

「はい。いつでもどうぞ」


「では 2代目 いきますよ!」「はい!!初代様」


「パール柱の『神様』 どうか御力をお貸し下さい!」「サファイア柱の『神様』 どうか御力添えを!」

「・・・」

「『ヴィラン カシェット』と申します」2人の声が重なる。


「ううん。嫌じゃないよ。私は大丈夫!」ヴィランが言う。

『誰かと会話しているのか? それともヴィランは 余裕なのか? 独り言か?』


突然 目の前の お祖母様が白く 母上が赤く 輝き始めた。

何かの凄まじい『力』を感じる。とてもでは無いが 近づく事は 私には無理だ。宰相はよく側に立っていられる、、

それなのに お祖母様も母上も あの強大な『力』を 受け止めておられるのか、、す、凄過ぎる。。


「うぐっ」「ぐふっ」

2人が そう言った事はわかった。


次に 私が見た光景は 

お祖母様の2本の剣が 母上の剣を上から抑え お祖母様の剣を ヴィランの左手に握っている剣が更にその上から抑えており 4本の剣が交錯している。お祖母様と母上は 踏み込んだままの姿勢で 剣を抑えられていて ヴィランだけが 2人の剣を押さえて 涼しそうに立っている姿だった。


「はぁはぁ、、」「ぷはぁーー」


「み、視えた?」

「はい、申し訳ございません」


「は、速くなかった?」

「・・・」


「わ、わかりました、、私達の想像を遥かに超えています。凄い事ですね。当代の『ヴィラン カシェット』は、、」

「私達 2人掛かりで『コレ』ですから、、」


し、正直 お祖母様の動きも 全く見えなかった。わからなかった。。な、何も、、別次元の戦いだった。

私には 見届ける事など 出来なかった、、何も 何一つ 見えない。わからない。ヴィランが圧倒的だった事だけがわかった。。


「『3代目ヴィラン カシェット』 確かに『確認』致しました。『3代目ヴィラン カシェット』は 間違い無く『終結』へと導くと確信致しました。『3代目悪役令嬢 ヴィラン カシェット』は最強です」


「イブキ様との お約束に従い 『これ』をあなたにお渡しします。あなたには その資格があります。受け取りなさい」

お祖母様が 『アンクレット』を ヴィランに渡している。


「ありがとうございます」

そう言うと ヴィランがお祖母様と母上に飛び付く。ヴィランは それはそれは とても嬉しそうで 泣いている。

お祖母様と母上も とても嬉しそうだ。


『ヴィラン カシェット』の重みの様な物があるのだろう、、私ごときでは おこがましくて計りしれないが。。

何故だか わからない。感動したのかもしれない。3人に驚愕したのかもしれない。『人』があの領域に達していた事に恐怖したのかもしれない。。私も涙が出て来て 止まらなかった。

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