王太后様の計略 頑張ります!
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何故か? 国王陛下の後ろから ミブキ前国王が出て来た。王太后様も 杖を付いて出て来られた。
陛下と何やら 揉めている様に見える。
国王陛下が止む得ず。と言った感じで右手を上げる。闘技場が再び 静まりかえる。
「たった今 前国王と王太后より 抗議を受けた。13大貴族と称されておきながら 失態のあったダイヤモンド家を除いて 筆頭男爵まで戦ったというのに。『カシェット宰相公爵家』自体は この国家イベントに一切参加していない。というのだ。民達よ。どう思う?」
『うん?? カシェット宰相公爵家??』
「確かにーーーー!」「そうだ! そうだ!!」観衆達は 扇動される。『皆んな よく考えて!! 柱爵家3家も参加してないからーー』
国王陛下が ミブキ前国王に 何かを伝えている。王太后様も参加している。
王太后様が 右手を上げる。闘技場が静まりかえる。
「皆様のお気持ちが 私達と同じで 嬉しく思います。では 前国王と 王太后の下 本日 大会に全く参加しておりません『王家』と『カシェット宰相公爵家』の エキシビジョンマッチを 此処に宣言致します」
「うわーー!!」「それは 面白そうだーー!!」「やれーー」民衆は直ぐに扇動される。『いやだから、、大丈夫か?』
ミブキ前国王が 右手を上げる。シブキ陛下は手で頭を押さえている。
「私達の希望により 『王家』代表は 『ヴィエンダル バースストーン』王妃 『カシェット宰相公爵家』代表は、、」
『私は 殿下の制服に顔を埋めていたが 嫌な予感しかせず、、顔を上げる。ヤベーー』
「『ヴィラン カシェット』とする」
『やっぱりかーー。。でも どういう事だ? そんなの私が直ぐに負けるだけ。『力』を披露してはいけないのだから』
「ヴィラン様だと 決着が直ぐでは?」「弱すぎて 相手になりません事」などと 学園学生達が騒ぎ出す。
『そりゃそうだ。 私は弱さを 前面に出してますからねーー。。ストレスがーー!!』
私は ゴブキ殿下と急ぎ 特別観戦席に向かう。
「父上 どういうおつもりでしょうか?」ゴブキ殿下が 陛下に尋ねる。
「実は 私も困っておる。父上と母上が、、だな、、」
「私達 実は『ヴィラン カシェット』の力を見極める為に 今回王都に来ましたの。なんでも『デスストーン』が現れたとか」王太后様が言う。ミブキ様は 一言も発さない。
「しかし 母上、、ヴィランが 本気を出しますと 王妃は一瞬で負けます。その『王家の威信』が、、」
「あら、シブキ陛下! 失礼な事を 私 まだまだやれますわ!」王妃様が言う。
「しかし だなぁ、、ヴィラン もう一度 餓鬼 畜生 修羅を 倒した話を ここでして欲しい。。よいか?」
「はい 先程お話の『デスストーン』が 修羅 畜生 餓鬼を同時に 出現させました。修羅と畜生は 剣で真っ二つに斬り裂きました。餓鬼は2体おりましたが 動きが遅く 相対するまでも無く 剣撃を飛ばしまして 真っ二つに致しました」私は簡単に説明する。
「うん? 4体同時に相手をしたの?」
「はい。ですが 餓鬼は動きが遅過ぎますので 実際に同時に相手をしたのは 修羅と畜生の2体です」
「うん? 2体同時に相手をして 真っ二つに斬り裂いたの?」
「はい」先程から王妃様が聞いてくる。『私は何かおかしな事を言っただろうか?』
「うん? 柱の御力をお借りして?」
「柱の御力をお借りするとは 一体どういった事でしょうか?」私は聞き直す。
「そうなのだ、、ヴィランはなぁ 柱の御力を一切借りておらんのだ」陛下が言う。
「じゃあさぁ じゃあさぁ 龍の口から炎が出たでしょ?」
「はい」
「どうしたの?」
「素手で払いました」
「う、うん?」
「ではさぁ ではさぁ 畜生の牙 凄くなかった?」今度は 王太后様に聞かれる。
「うーん? 大した事は無いかと思いましたが、、一応警戒して 噛みつきに来た際は 剣で畜生の頭を側方に叩きました」
「畜生 大きかったでしょ? 重たかったでしょ?」
「はい、、ですが 畜生が側方に吹き飛んでおりました」
「う、うん?」
「で、でも 硬かったでしょ?」
「うーん、、その様な事はありませんでした。スパッーと 真っ二つでした」
「えーん。えーん」王太后様 王妃様が 同時に 嘘泣きをする。
「私が 命賭けで 柱の御力をお借りして やっと倒した 畜生を! なんだか オマケみたいにーー」
「私が 命賭けで 柱の御力を2柱もお借りして やっと倒した 修羅を! 炎を素手で払うとかーー」
『そんなの 有りなのーー』王太后様と王妃様が 一緒に綺麗にハモる。
「だから 言ったではないですか? ヴィランは別次元なのです。それを聞きもしないで 父上 母上は どうするおつもりですか? ヴィランに力を振るわせれば 王妃が一瞬で負けます。逆に ヴィランに力を振るわせなければ 王妃が一瞬で勝ちましょう。本当に! 父上と 特に母上は どうするおつもりですか?」
「わかったわ。では 剣術での試合は 観客を全て帰した後と致します。ヴィランちゃん。あなたは 私にその『力』を示さなければなりません。わかりますね?」
「はい。初代様かと存じます。お会いしたかったです。私、、私 初代様に、、いっぱい、、」涙が出てくる。今迄溜め込んでいた気持ちが 湧き出して来る。。
『だって 畜生を知っておられる。『柱の御力をお借りした』と王妃様と同じ事をおっしゃっておられた。おそらく 王太后様は 私が会いたくて 会いたくて お話がしたくて 仕方が無かった『初代ヴィラン カシェット』様だ!』
「まぁまぁ ヴィランちゃん 泣かないで。そんなに強いのに、、辛かったのね。私や王妃と同じね、、」
王太后様が 優しく抱き締めて下さる。王妃様も 同じく優しく抱き締めて下さる。
「男共には わからないのです。シブキも先程から『どうするつもり』『どうするつもり』ばかり! 私達には私達にしかわからない 引き継いでいくべき『使命』があるのです。それを『確認』する必要も! ほんっとに。それを『王家の威信』が何よ!」
王太后様が 陛下に怒る。
ここまで ゴブキ殿下は一言も発さない。驚嘆しているばかりである。話の内容もわからないだろう、、
「ですが 母上、、」
「わかりました。では 王妃と ヴィランちゃんで『じゃんけん』をして貰います。私 何も 剣術をするとは一言も言っておりません。『じゃんけん勝負』なら 運だから、、いくら実力差があっても平等に戦えます。王妃が負けても『王家の威信』に障る事もないでしょう」
こうして エキシビジョンマッチは 『ヴィエンダル バースストーン』vs『ヴィラン カシェット』 じゃんけん勝負で 幕を閉じた。
「ええーーーーーー」




