『ダイヤモンド柱爵は 我が家だ!』選手権(結) 頑張ります!
「決勝戦『ターコイズ家』vs 『オパール家』となりましたーー! 勝った方の家が 新しく柱爵『ダイヤモンド柱爵家』となりまーーーす」
司会が 説明をする。闘技場の興奮は最高潮であり 大歓声が上がる。
「オパール家 頑張れーー」「ターコイズ家 負けるなーー」
私は 腕に力が入る。『お兄様! いけーー』 もちろん ターコイズ派である。
「それでは 決勝戦を始める」
オパールとお兄様が相対している。 審判が 石を上に投げる。「ドテ」
オパールとお兄様 どちらも剣を構えたまま 動かない。先に オパールが仕掛けた。下段から左切り上げる。お兄様は後方に下がり 右薙を繰り出す。オパールは 切り上げた剣を両手で持ち 右薙を叩き落とす。今度は オパールが身体をお兄様の方に向けて 左薙である。お兄様は後方に下がる。
力量は 圧倒的にオパールだ。
しばらく 打ち合う。「そこーー!! いけーー!!」「いやぁ 危なかった、、」
私は手に汗握って 握り拳を 上や下に振っている。もはや殿下を視野から外して応援している。
「あまり 仲が良いのも困るぞ。ヴィラン わかっているのか? どちらかの勝者とダイヤモンド領の 引き継ぎをする事になる。ターコイズが勝った場合 私も付いて行くからな」
『おうおう ヤキモチか? うん?? 引き継ぎ? 会う?? ヤベーーー!!』
私は 現在ダイヤモンド領主代行だった。確かに勝者に 引き継ぎをする必要がある。。だけど、、
「ターコイズ いけーー! うりゃあーー」『そん時はそん時よ! 他人の空似でいく!!』
「やれーー! ターコイズ!! オパールを蹴散らせーー」 ぶんぶん腕を振る。
「仕方がない、、ターコイズ 頑張れーー!!」隣の殿下が ターコイズを応援してくれる。
私は 殿下の方を見る「で、殿下 ありがとうございます」ちょっとだけ ほんのちょっとだけ 涙が出た。
『嬉しい』
「ガキッ バキン」模擬戦剣が ぶつかる音が響く。双方 後ろに下がる。
お兄様は いつもの様に 左腰に剣を沿わせる。右手で剣を握り締める。オパールも同様に構える。居合の打ち合いになる。
ほぼ同時に 出る剣を滑らせる。僅かにお兄様が遅い。。『お兄様!!』私は祈る。。
しかし 倒れたのはお兄様だった。。『お、お兄様、、大丈夫、、?』
今すぐにでも 駆け寄ってお兄様の無事を確認したい!! 確認したい!!
だが 妹が死んだと気持ちの整理を付けたであろうお兄様に 会って名乗り出ても お兄様も困惑するはず。それにお兄様が 知れば お兄様はターコイズ家当主代理ですら無くなり 塔に幽閉される。。
私は いろいろと頭の中を駆け巡る感情と 葛藤しつつ諦める。私はおそらく 相当にヤバイ顔をしていたに違いない。
そっと 殿下が 私の頭を撫でてくれる。
「まぁ その、、なんだ。そんな事もある。惜しかったな」
「・・・で、殿下ーー」私は 殿下の優しさに触れ 涙を堪える事が出来ず 涙が出てしまった。泣いてしまった。殿下に頭を預けて 少しだけ甘える。
「勝者 オパール家」審判が告げる。
闘技場が揺れる。大歓声が上がる。「どっちもすげーー!」「カッコイイーー!!」
特別観戦席から 国王陛下が出てくる。国王陛下が右手を上げる。闘技場が 嘘の様に静まりかえる。
「王国の民達よ。世『シブキ バースストーン』が ここに宣言する。新たな『ダイヤモンド柱爵家』を名乗るのは『オパール子爵家』とする。また 新たな『オパール子爵家』を名乗るのは『チャルコパイライト男爵家』とする。『カシェット宰相公爵家』は 早急に新たな筆頭男爵を選定する様に。最後に『ターコイズ子爵家』も見事であった。『ターコイズ子爵家』は 現在当主代理であるが 正式に『ターコイズ子爵家』当主とする」
「わあーーー」「パチパチ」「国王陛下ーー」などと 割れんばかりの大歓声が上がる。
『お兄様! 凄い!!凄いよ。ご自身の実力で 当主に成っちったよ!! 私が『当主にする』なんて おこがましかったね。奢りだったね。自惚れだったね。。嬉しい!! 嬉しい!! さすがは 私の自慢で大好きだったお兄様だ!』
私は 殿下に預けていた頭を 反転させて 殿下に顔を預けて 泣いてしまった。殿下は何も言わずに 優しく包んで下さる。
学園学生席だったのに、、嬉しくて もう涙を堪える事 耐える事が出来なかった。。




