『ダイヤモンド柱爵は 我が家だ!』選手権(転) 頑張ります!
今日も今日とて 日課である。殿下の通学路見回りを トボトボと歩いて行いながら 闘技場に到着した。
本日は 遂に最終日『ダイヤモンド柱爵は 我が家だ!』選手権も 準決勝 決勝戦を残すのみ。6日目。相変わらずの超絶満員である。ずっと天気に恵まれて 晴れである。
『あー』欠伸が出る。ボッーと考え事をする。
『いい天気!!こんな日は 家でゴロゴロしてないと』
一昨日の王家との大宴会、、
「早く 婚約なさい。ヴィランちゃんが義娘が良いの! 私はヴィランちゃんに『お母様』って言われたいの」
「あら! ヴィランちゃんが あなたの娘なら 私の孫ね! 確かにそれは良いわ! 私も『お祖母様』って ヴィランちゃんに呼んでもらえるのね」
「ねえ、正直 ゴブキは ヴィランちゃんの事 どう思っているのよ?」
「ヴィランちゃん ゴブキ 以外といい男よ」
こんなやり取りに 昨日、、 殿下も私も 精神をゴリゴリに削りとられてお疲れで 試合観戦どころでは無く ボッーとしていた。任務に支障が出る宴会に 依頼主が誘って 精神を削る発言ばかり、、『なんでやねん?』
そんな 昨日お疲れの時 「・・『ターコイズ家』」
司会の言葉に はっとする! 私は 急いで 闘技場に目を向ける。
『あぁ、、!!』
懐かしさのあまり 涙が出てきそうになる。手を口元にやり手を噛む。何とか堪える。耐える。
『あぁーー お兄様、、お兄様だ! げ、元気そう!!大きくなられて、でもお顔は同じ、、』
良く考えるとわかる事だった。8大子爵家が揃う。ターコイズ家の代表なんて お兄様以外居ない。
お兄様を久しぶりに見たのだ。何年ぶりだろう? 凛々しくなられて 涙が出そうになった。急に泣き出す事は 怪し過ぎて。。殿下は以外と鋭い、、何とか堪えた。耐えた。でも懐かしい、、お元気そうで、、奥歯をグッとを噛み締める。
涙が目の中にだけ 溜まっている。そのせいで 視野が滲んで 試合が上手く見えなかった。お兄様の勇姿が、、そして 昨日お兄様は 勝利したのである。
だから 本日の『ダイヤモンド柱爵は 我が家だ!』選手権の準決勝に来られている。
司会が 準決勝の紹介をする。
「準決勝 第1試合『ガーネット家』vs 『ターコイズ家』 第2試合 『アクアマリン家』vs 『オパール家』となりましたーー」
闘技場内に 歓声が上がる。
「それでは 第1試合を始める」闘技場が 大興奮である。
ガーネットとお兄様が 相対する。審判が石を上に投げる。「ゴロ」
ガーネットが 斬り込んでくる。お兄様が 下から払う。払い切れず 直ぐに振り下ろされる。剣を互いに打ち合い続ける。
『そこーー! そこだよ。何やってるの? 今だよーー』『ほらーー。それだよーー』
私は 昨日 涙であまり見えなかったが 今日は見る事が出来る。手に力が入る。汗が出る。ついつい 腕が動いてしまう。
「ヴィラン いつも退屈そうに『はいはい』としか言わないのに。。この剣術大会で初めて 気合いが入っているな? 応援したい貴族でもいるのか?」
『ぐふっ! ま、まずい』
「いえ 準決勝ともなると 少しぐらいマシかと思っておりましたのに、、大した事が無くて イライラしておりましたわ」何故か? 悪役令嬢が降臨する。
「そう言う時のお前は 何か? 誤魔化しているな? はけ!」
『で、殿下 や、やっぱり鋭い!!』
「おほほほほほほ」悪役令嬢を継続する。
お兄様が 剣を左腰に沿わせる。『あー! お兄様に教えてもらった構えだ!』懐かしい思い出がよみがえる。。『あれを 初めてお兄様に教えてもらって 1人でよく練習したなー。熊とかもあれで倒したよ』
泣きそうになる。涙が出そうだ。だが 殿下は かなり!鋭い。堪える。耐える。昨日みたく見えなくなるのも嫌だ!
お兄様が 足に力を入れて飛び出す『私も足に力が入る』 居合。速度は正直褒められた物では無い。だけど 嬉しい!
『いけーーー!』
ガーネットを左薙に斬り込む。ガーネットは剣で受け止めるも倒れる。
『よしゃぁー! 決勝じゃあーー』密かにこぶしを握る。『は!?』チラリと殿下を見る。
「ターコイズの様な男が 好みなのか?」
私は 話をする事が出来ず、がっくし!!
「いえ、、好みとか そう言ったのでは無くて、、」
「そう言えば ヴィランは 確か ターコイズ領に行った事があったのだな。幼馴染か?」
『おーしーいーー、、ちーかーいーー、、』
「うん? 何だか よく見ると そなたに似ている気もするな? 親戚か?」
『よし! 手を打とう』
「はい それもかなり近しい!」
「そうか。カシェット家と ターコイズ家が 親戚であったとは 聞いた事が無かったが、、まあ安心した」殿下はなんだか嬉しそうである。
そうこうしている間に 第2試合は オパール家が勝った様である。決勝戦は お兄様 vs オパール に決まったのである。




