ダイヤモンド領での戦い(転) 頑張ります!
王都から一緒に来ている護衛達を先頭に 中央に殿下 アイオライト マリーを乗せた馬車 後方に館の騎士達。
ダイヤモンド柱爵の力量が不明だが 敵は誰一人 殿下に近付ける気は 全く無い! 私が制圧する!
館周辺の敵を 私が掃討次第 精鋭30名で直ぐに出発する。
私は 制服を裏返して『へーんしーん』忍者! 単騎で打って出る。
先ずは 暗闇に紛れて館を取り囲んでいる騎士達。面倒なので 歩いて騎士達の前まで行く。
「と、止まれ 何者だ、、」「ドサ」
左手の掌底を入れて 意識を刈り取る。すかさず 周囲の者数十人を抜剣して 飛翔 回転しなから竜巻を発生させ上昇気流を起こして 騎士達を上に巻き上げる。私は着地 騎士達は空中から落とす。それでも 意識のある者数人 掌底による打撃で意識を刈り 制圧する。
「て、敵襲!、、」「ドテ」
剣の柄で 打撃を入れる。駆け寄って来る騎士達を 右手の剣打撃 左手の掌底打撃で 流れる水流の如く 制圧する。一瞬の出来事である。
その為 打撃を入れられた騎士達が 一斉に倒れる。おそらく 誰もヴィランの動きが見える者など居ない。ましてやヴィランを捉える事など 到底出来無い。不可能だった。
館を取り囲んでいた騎士達 約50名は全員制圧される。誰一人死んでいない。制圧まで僅か3分程。
「す、凄まじいな、、正直、、これ程とは」馬車内で 殿下が驚いている。
王都から来た護衛の騎士達も 驚愕している。「あの数を 一瞬ではないか、、」
「では お願い致します!」私は大きな声を出す。
「殿下 参ります」
脱出の一団が 一斉に駆け出す。私は 馬に飛び乗り 最後尾に位置して 後方からの追撃に備える。
『ダイヤモンド柱爵が 私達が脱出する事を想定していた場合でも待ち伏せに割ける人数は僅かのはず。本隊がくるとしたら 後方から』
しばらく 何事も無く 進んで行く。
『このまま 何も無ければ良いのに、、だが こちらは馬車 相手は馬での単騎駆け。追い付かれるなら そろそろか、、』
「ツカツカ ツカツカ ツカツカ」
後方 遠くの方から 馬の駆ける音が聞こえて来る。
私は アイオライト様 館の皆んなを信じて 殿下を託す。1人馬を止めて 馬から降り 後方からの襲撃に備える。
「ヴィラン様 ご武運を」館の騎士達が 声を掛けて下さる。
そこへ ダイヤモンド柱爵を先頭に 馬駆けで 騎士団約400名が追いかけて来た。
私が立っているのを見付けた様だが ダイヤモンド柱爵以外は 私目掛けて突っ込んで来る。
私は 飛翔して回転する。私を中心に上昇気流が発生して 先程と同様に竜巻が生じる。先程よりも回転数 規模を上げる。「ゴォー ゴォー」と風音が周囲に響く。
「止まれー」ダイヤモンド柱爵が 騎士達を止める。
しかし 時既に遅く 150名程が 竜巻に巻き込まれて 空中高く投げ出される。私は着地する。
「ドテ ドカドカ」高い位置から 地面に落下していく。「ううー、、」呻き声が上がる。立ち上がる者は居ない。
「今直ぐに 敵を排除する やれー!」ダイヤモンド柱爵が 抜剣して 騎士達に命じる。
馬に乗った騎士達が 一斉に抜剣する。
「ぐはっ」「うぐっ」
私は 隙を与える事無く 地面を蹴って最速一歩 馬上の騎士達に右手で剣を振るっては 馬の背を蹴って最速一歩 左手で掌底の打撃を与えて 流れる様に制圧していく。100名の騎士達が 一瞬で制圧される。僅か2分程。
誰の目にも ヴィランの動きが 風か 光の様にしか見えない。目の前に風が吹いたかと思うと 周囲の騎士達が 馬上から落ちて行く。驚愕の光景である。しかし誰一人死んでいない。
ヴィランが 残った騎士達に 殺気を込めて威圧する。
何が起きたのか わからない! だが ヴィランの威圧に恐怖を感じて 多数の騎士達が逃げ出す。残った騎士達も既に戦意を喪失している。
残すは ダイヤモンド柱爵のみ。
「ま、まさか これ程とは、、も、もしや そなたは『シレン』、、『シレン』なのか?」ダイヤモンド柱爵が問う。
私は 『シレン』との言葉に一瞬動揺する。ダイヤモンド柱爵は それを肯定と受け止めた様だった。
「そうだったのか。それでは その『力』、、この状況も止む得ない。しかし そなたは『魂の力』に見合った『人間の肉体』で生まれて来たのか? 『シレン』!!
私は『地獄』『餓鬼』『畜生』『修羅』を巡って来た上 魂に見合っていない肉体を 無理矢理手に入れ ようやく『人間』にまで到達したというのに!!」
私は ダイヤモンド柱爵の言っている言葉の意味が 全く理解出来なかった。確かに『シレン ターコイズ』と言う名前だったけど、、『シレン』の意味が違う様にしか 聞こえない。
「ならば ダイヤモンド柱から全て取り戻した我が『力』と 今迄に取り戻した『力』だけでは 『シレン』には勝てまい。『シレン』がこの場に居るなど 想定外も甚だしい。計画が全て台無しだ。やはり 私は『天』になるしかない。時間はかかるかもしれんが、、その為にも この場からは撤退せねばならない」
そこへ 馬車で追いかけて来た フローライトが到着する。
「お父様 騎士達が 逃げ出しておりますわ。この状況は?」
「丁度 良い所に来た。私は追い込まれている。私を逃す為 役に立て」
そう言うと ダイヤモンド柱爵は フローライトの首に 右手の人差し指を突き刺す。
「ぐはっーー うがーー、、」フローライトが 苦しむ。
私は 何か物凄く悪い禍々しさを感じ取り 右足を蹴り最速一歩 ダイヤモンド柱爵に切りかかる。今迄 誰にも避けられた事が無かったのだが、、ダイヤモンド柱爵は 身体をずらしただけで避けた。。
振り返り 剣でフローライトに刺さっている指を 腕ごと切り落とす。少し硬かったが、、
フローライトが その場に倒れる。
『?!!』 切り落とした腕が ダイヤモンド柱爵に戻っていく。
「さすがだな! その速度 その力! 溺弱とはいえ 我が『力』で強化した身体の一部を こうも容易く切り落とすとは、、驚愕だな!」
「ダイヤモンド柱爵 あなたは『人』ではありませんね?」
「はは 何を言う、、そなたも 既に『人』を大きく超えている。『人』ではあるまい」
「いえ 私は『人』ですね。あなたの様に 切り落とされた腕が 勝手に動いて 身体に戻ったりしませんから」
「なるほどな、、『人』とは 確かにそういう生き物だったかな。。まぁ どちらでもよい事だがな、、しかし このままでは 逃げきれそうにないな。止む得ん。少し 我が『デスストーンの力』を使おう」
ダイヤモンド柱爵は そう言うと 戻った手から 黒い霧を出す。
私は 倒れたフローライトを 肩に拾い上げ 念の為後方に下がったのである。




