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ダイヤモンド領での戦い(承) 頑張ります!

何故か? 現在 ダイヤモンド領内にある王家所有の館で ゴブキ王太子殿下と私と『フローライト ダイヤモンド』と 3人で夕食を食べている。


「あら 先日 今度は3人でお食事を。とお約束したではございませんか。私 殿下とヴィラン様が ダイヤモンド領にお越しになると伺い 居ても立っても居られませんでしたわ」


「確かにな。フローライトの言う通りだ。今度は3人と約束したな」

「確かに お約束は致しましたが 突然来るなど 失礼ではありませんこと」悪役令嬢 久々に降臨である。


「そうでしょうか? 殿下が ダイヤモンド領にお越しになるのに 挨拶に伺わない事こそ 失礼ではありませんこと?」

「挨拶に来るなら 事前に通達をすべきと 言っているのです。これだから 理解の出来ない令嬢は困りますわ!」

悪役令嬢 継続中。

 

「チッ」『え!? え?? 舌打ちした?』


「ところで 殿下 この度は 『ヴィラン様』とご一緒に サードストーンの館に行かれる。と伺いました」

フローライトが やけに『ヴィラン』を強調する。

「そうだな。お祖父様とお祖母様に ヴィランを紹介したくてな」


「あら でしたら 私もご一緒に行きたいですわ」

「フローライトよ サードストーンの館は 厳重でな。事前に申請した者しか行けないのだ。それこそ また今度だな」

「そこを なんとかお願い出来ませんこと?」

「だから 先程も申しました様に 突然は失礼なのです。事前に通達が必要なのです。貴族令嬢なら 誰しもが 当然知っている事! まさか ダイヤモンド柱爵令嬢ともあろう フローライト様がご存知無いのでしょうか?」

悪役令嬢 絶賛継続中。


「チッ」『あーー! フローライト様 やっぱり 舌打ちしたよ!舌打ち!!』


ここで 状況が一変する。

「では 殿下 せめて こちらをお召し上がり下さい。私 殿下の為に心を込めて 作りましたのよ。ヴィラン様もどうぞ どうぞ」

そう言って フローライトはテーブルに 包みを置いて拡げる。出て来たのは フィナンシェであった。


『うん? これって、、』

私は テーブルの包みが開いた瞬間 臭いが!! わかる。これって 交流会の時の毒物と 同じ!!


私は 殿下の方を見る。殿下は 全く気付いていない様子。

『どうする? 正論でいくしかない』


「フローライト様 殿下が食す食べ物ですので 一応毒味しておいた方が良いと思います」

「まぁ!! 失礼ですわ! 私が作った食べ物に 毒が入っているとでも」フローライトは怒気を含めて抗議する。


「当たり前の事ですわ! 殿下にもしもの事があっては ならないのです。ねぇ アイオライト」

「ヴィラン様のおっしゃる通りでございます。殿下にもしもの事があってはなりません。フローライト様 念の為 私共執事が 毒味させて頂きたく存じます」さすがは アイオライト!


「ドーン!!」

フローライトが テーブルを叩いて 立ち上がる。


「ヴィラン様のせいで 興が削がれてしまいましたわ! 折角 私 一生懸命 殿下の為にお作りして来ましたのに!!失礼致しますわ」

そう言うと フローライトは テーブルの上のフィナンシェを 包みごと持ち つかつかと退室していく。

「ふん!」


「ヴィラン 今のは まさか?」

「はい。殿下は お気付きで無いご様子。臭いは 交流会の際に 使われた毒物と同じです」


「さすがでございますな。私も直ぐに 臭いで気付きましたものの ダイヤモンド柱爵令嬢がお相手では 一執事が 物申す訳にもまいりません。どうしようかと思案を巡らせておりましたところ。お声をかけてくださり 主人を護る事が出来ました。感謝の限りでございます」アイオライトが頭を下げる。


「さすがなのは アイオライト様も! ですね」

『だが これは、、非常にまずい、、どうするか、、』


「殿下 これは非常に危険な状況です。もし仮に もし仮にですよ。交流会の際 フローライト様が、、いえダイヤモンド柱爵様が 黒幕と仮定致します。フローライト様は 私が毒物をかけたドレスを手にする機会がございました。ダイヤモンド家の権力で ドレスを交換する事は可能です。剣術大会の際も ダイヤモンド家であれば 大会の護衛配置状況を把握可能です。ですから 賊を手引きする事も 護衛の位置 数を教えて 制圧に手を貸す事も可能です。あれだけの数の賊を雇うお金もあります。それに 明日ダイヤモンド屋敷で 事を起こせば 責任を問われる。今日 この王家所有の館で 事を起こせば 盗賊や館の者達の責任とでも言えば、、、」


私は 殿下に話しながら 思っている以上に まずい状況である事を理解する。

「ダイヤモンド家が 殿下を害そうとなさっているのであれば ここはダイヤモンド領 こちらは王都からの護衛20名。。アイオライト様 この館に騎士と同等の御力をお持ちの方は どのぐらいおられるのでしょうか?」

「そうですな。料理人 侍女 執事 10名全て 王都の近衛騎士に匹敵する騎士でございます。私も老齢ではありますが まだまだと自負しております」アイオライトがニヤッとする。


「それは 心強いですね。総勢30名で このダイヤモンド領から脱出するのが1番か、、ダイヤモンド領の者は 全員敵と考えて、、朝食後 直線的に馬車で8時間程 私が殿下お一人を抱えても 2時間はかかるか、、だが あの速度に殿下のお身体が 果たして耐えれるのだろうか、、いや難しい、、やはり 籠城するか、、だが火矢を放たれて館が火事になっても、、」

私は思案を巡らせる。


「アイオライト様 ダイヤモンド領を脱出する最短ルートは 王都から来た道を帰るルートでしょうか?」

「そうなりますな」


私は 食堂を出て 窓から周囲を見渡す。ダイヤモンド家は 最初からこの機会を狙っていたのだろう。

フローライトが成功すれば良し。失敗した場合の第2案といったところか、、館の周囲に 多数の気配を感じる。

フローライトが 見当たらない。おそらく ダイヤモンド柱爵が館近くまで来ていてるのだろう。騎士達を館周辺に配置して ダイヤモンド柱爵に報告する為に一旦引いた。と考えるべきか、、


「アイオライト様 ダイヤモンド柱爵の本体が到着する前に 打って出たいと思います」

「はは さすがでございますな。私も同じ意見でございます。敵の本体がこの館に迫っていると考えるべきでしょうな」


「はい。おそらく フローライト様の失敗が伝われば ダイヤモンド家の近衛騎士団が総勢で来るかと思います。外の騎士達から考えて かなり用意周到と考えるべきです。ただフローライト様はおそらく 馬での単騎駆けでは無く 馬車での移動 少し時間が稼げるはず。また ここの騎士達を一人残らず制圧すれば 報告出来る者がおらず 敵本隊も必ず確認に此処に寄ると思います。万が一 ルート上を待ち伏せしている可能性も有りますが、、その場合はこの館が主戦場となった時を想定して 待ち伏せにかなりの戦力を割く訳にもいかないでしょう。待ち伏せがあったとしても 僅かなはず、、」


「さすがでございますな。万が一 待ち伏せが有ったとしても 僅かでありましょう。敵も此処を主戦場と想定しておられるはずです。よもや気付いて脱出行動をするとは 思っておられないでしょう。ここは突破する為にも 出発は早い方がよろしいでしょうな」


「何? ダイヤモンド家の近衛騎士団が 総勢でこの館に 私を害そうと迫っているのか?」

「はい。殿下 間違いございません」

「柱爵家の近衛騎士団総勢となると 500人規模だぞ」

「間違いないかと、、」


「そ、そうなのか」殿下が緊張した面持ちになる。


「殿下 ご安心下さい。その為の私です。私が本気を出せば ダイヤモンド家の騎士団が何人来ようとも掃討する事は可能です。但し その際 私は殿下のお側を離れなければなりません。単騎で突入致します。懸念としましては ダイヤモンド柱爵様が どの程度の力量でどの程度の策士なのか、、それと 私の力は披露してはいけない『力』です。披露した場合 私はおそらく、、まぁ そんな悠長な事も言ってられませんがね」


「ヴィラン様 殿下の護衛はお任せ下さい。我々が命に代えましても お護り致します。ヴィラン様は お心置きなく 思う存分に」


「アイオライト様 ありがとうございます。マリーも大変だけど、、」

「お嬢様、、その様な、、決してご無理をなさらず マリーは全然行けます」


「殿下 必ずや 殿下を無事王都まで御連れ致します。お約束致します。ご安心下さい。ただし 私は陛下とのお約束を破ります。どの様な処分がなされるか、、今迄楽しかったです。ありがとうございます」


「ま、待て ヴィラン」殿下が何かを言おうとしたのを アイオライトが止める。


「ヴィラン様。何もご心配なさる事はございません。我々一同 ヴィラン様が戦闘なさる際は目を閉じております。一切見る事はございません。また口も非常に硬いのです。ヴィラン様が 陛下とお約束なさっておられますのは『他言する事 誰かにバレる事』だったかと。確かに ヴィラン様が 正体を明かして誰かの前で御力を披露する事は禁止されておられるかと存じますが 正体がわからなければ 御力を振るわれる事自体は何の問題もございません。誰にも 気付かれず 勝手に振るわれれば それは陛下とのお約束を破ってはおりませんな」


「アイオライト様 あなた様は 一体?」

「ははははは さあ ご存分に御力を! いつの時代も『ヴィラン カシェット』は 人類最強の証なのです」



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