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初代『ヴィラン カシェット』の戦い(続) 頑張ります!

◇初代ヴィラン カシェットのお話

パール柱が怪しいと判断した私は パール柱に調査に来たのである。そこで『頭が2つ有り尻尾が蛇である 巨大な犬の様な生物』に出会った。『お、大きい!! 犬?なのか』

黒く禍々しいオーラが凄く 直ぐに敵だと認識して 抜剣する。


生物も私を敵と認識したのだろう 前足の爪と牙を剥き出しにして 私目掛けて攻撃してくる。。私は剣で払う。

『やはり 獣だ 動きは速い! だが視えない速さでは無い!』

牙の方が 爪よりも遥かに大きく 牙での攻撃を受ける訳にはいかない。私はついつい口からの攻撃を優先して躱していた。


何度か同じ攻撃を躱している間に 身体に数カ所 爪で引っ掻かれた傷が出来る。どうやら爪に毒がある様だ。ある程度 毒物に耐性を持っている私には 効かない。


犬の口からも 紫の毒を吐き出してくる。しかし 私には効果が無い。尻尾である蛇の毒攻撃も効かない。

『頑張って 毒物による耐性獲得と身体強化をしておいて 本当に良かった。。』


敵の攻撃は 私にはあまり効果がない。だが 私も有効なダメージを与えられていない。

『あの俊敏な動きを封じないと 私の攻撃は当てられ無い!』


足の動きを止めないと! 私は 左右両手に剣を持つ。二刀流である。

敵の攻撃を躱しつつ タイミングを計る。

『今!』

私は 敵の爪での攻撃を左手の逆袈裟で下から上に振り払うと 敵の左前足の付け根に 身体をずらして右手の剣を力いっぱい突き立てる。


「な、何?」

思わず声が出る。敵の身体は硬く 剣が刺さらない!! ほんの少し出血している様だが、、

急ぎ 身体を後方に下げる。敵の尻尾である蛇が 横から噛みつきに来る。これを手で振り払う。


『な、なんて硬さだ! これでは動きを封じても、、』


敵が 後方に下がった私目掛けて 今迄で最速で向かって来た。

『ま、間に合わない!!』

渾身の体当たりの直撃を 防御を行う事無く受けてしまった。


「ぐはっ、、うむむ、、」

地面に叩きつけられる。身体中に激痛が走る。だが これ以上 ダメージを受ける訳にはいかない。急ぎ立ち上がる。身体中が痛む。ふらつく様な、、私は呼吸を整えて 剣を握り直して構える。


『来る!』

敵は 再度最速で来る。片方の犬の牙は 左手の剣で受け止める事になんとか成功したが、、先程のダメージの影響か 右手の剣で躱す事が出来ず 右脇腹に噛まれはしなかったが 牙での攻撃を受けてしまう。

右脇腹から 大量に血が出る。


「ぐふっ、、はぁはぁ、、」形勢は圧倒的に不利だ。

カシェット家からお借りして 右手に付けている『サファイアのブレスレット』を見つめる。


私は王太后様に 言われた言葉を思い出す。

『そなたは 人の領域を僅かに超えた存在。それ自体は素晴らしい! 凄い事だ! そなたの努力有っての事だ。自信を持つと良い。人相手ではそなたに勝つ者は居ないであろう。だが 柱の力は『神の力』今のそなたでは 1柱の力を受け止める事が出来るのか 正直わからない。神の力を授かった場合 そなたの身体が 果たして耐えうるのか、、可能なら 柱に頼らず戦う事だ」


『だが そんな事を躊躇している場合では無い、、死ぬのは怖いけど、、このままでも どうせ死ぬ』


『どうしても 万が一 柱の力を借りねばならぬ事態に遭遇したなら 1柱のみにしておけ! 2柱の力では そなたが死ぬ』


「パール柱の『神様』! どうか。御力をお貸し下さい」

『神位を感じさせ 我が力を望む者よ。そなたは名を何と申す者か?』

「『ヴィラン カシェット』『ヴィラン カシェット』です」

『なるほど『ヴィラン』か。良かろう 古の記憶により そなたに我が『力』を授けよう』


「ぐはぁーーー、、ぐふっ うがーーー ぶへっ、、」

身体の中に『力』の塊が流れ込んで来た。苦し過ぎる!!痛過ぎる!! こ、これが『神の御力』、、

「ぐへーー、、うぶっ」


私は 口から大量に血を吐く。立っているのがやっとだ。。

意識をなんとか集中させる。時間を掛けている事は出来ない。両手に剣を構える。


『この一撃に 全てを』

私は右足に力を込めて蹴り上げ最速一歩で 敵に向かう。敵も最速で向かって来る。

『視える。先程よりもずっと!』


私は 敵の爪を身体をずらすだけで躱して 胸に向かって2本の剣を 突き立てる。先程は刺さらなかった剣が 2本共 根本深くまで 突き刺さる。大量の血が剣に添って 流れ出て来る。

直後 両手の剣に 敵の体重がのし掛かって来る。かなりの重量だ。獣の身体から 黒い霧が霧散していく。

私は剣を引き抜く力がもう無く 剣を刺したまま 手を離して 後ろに下がって 座り込む。身体から『神の御力』が出ていく事を感じだが 疲労感が凄い、、そこで意識を無くしてしまった。


「は! て、敵は?」

私は 激痛で目が覚める。上半身を起こして周囲を見渡す。どのくらい意識が無かったのだろう、、目の前に獣が絶命していた。

『やったのだな。倒したのだな、、良かった。本当に良かった!!『神様』本当にありがとうございました』


立ち上がろうとして 右足に力が入らない事に気が付いた。両手も上手く力が入らない。なんとか立ち上がる。

両手は感覚が有り かろうじて動かせるが 右足だけは感覚も無く動かせない。

「これが 神様の御力をお借りした代償なのだとしたら 軽い物だ」

「パール柱の神様 本当にありがとうございました」私は頭を下げる。


『我は 古の記憶により『バースストーン』『デスストーン』の命令に抗う事が難しい。この『畜生』は『デスストーンの者』。我から『デスストーンの力』を抜き取りに来たのだ。あのままでは 我の内にある『デスストーンの力』を全て抜き取られていた。我も『バースストーン』との約束がある。そなたには 助けられた。約束により そなたにはこれを渡しておく』


パール柱が 真っ白に眩いばかりに光ると『白い牙』が 落ちて来た。

私は 手を広げて『白い牙』を受け止める。手に乗ると 真っ白に光り輝いて『パールのアンクレット』に形を変えたのである。


私は それを受け取ると その場に座り込む。しばらくは動けそうに無い。でも頑張った。おそらく パール柱の歪を改善出来たはず! 私は動かせない右足を撫でながら 自分で自分を労った。

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