柱との繋がり 頑張ります!
『今日は濃い! 1日で王妃様・殿下・そして陛下とも会う』
私は 現在 陛下の執務室におります。
「急に呼び出して すまない。王妃から いろいろと聞かされてな」
執務室には 大きな机が有り ソファーに陛下 王妃様も座っていらっしゃる。
「こちらに座ってくれ」座る様 指示される。
私とお父様は 陛下と王妃様が座っておられる向かい側のソファーに座る。
「ヴィランよ。先ずは礼を言いたい。よくぞゴブキを守ってくれた」
「身に余る光栄にございます」
「うむ。加えて 褒めておきたい。よく王妃に到達した」
「重ねて 身に余る光栄にございます」
「ヴィラン ここまでに到達する時間。そなたの卓越した能力 優しき人柄 状況判断能力の高さ。どれをとっても素晴らしいと判断した。そして そなたは信頼出来るとも判断した。そこでだ そなたには イブキファイルの未来予言について もう少し詳しく話すべき時だと 王妃とも相談して 世が決定したのだ。今までと同じく 他言無用である。よいな?」
『何となく 一生懸命してたけど。ちょっと認めて貰えた様で 嬉しいね』
「承知しております」『だって 断頭台嫌だしね』
「くれぐれも内密であるぞ」
陛下が ニヤニヤしながら 右手で首を切る仕草をする。
『だーかーらー わかってますがなぁー』
陛下が続ける「この国には 国を支えておる4本の柱がある。柱の崩壊は国の崩壊に繋がりかねない。そこで本来ならば 柱を守護しておるのが『4大柱爵家』なのだがな。。
イブキファイルには こうある『王太子が学園に入学する時 必ず 何処かの柱に歪が生じる。同時に学園内に於いて 王太子暗殺者ないし害成す者が現れる。王太子暗殺・害成す者から これを防ぎ 守っていく過程に於いて 柱の歪の手掛かりが必ずある。手掛かりを取得し 柱の歪を『改善』せねば この国は崩壊する。何とか3柱の歪を『改善』出来た場合。ここからが最大の困難となる。4柱目 つまり『ゴブキ バースストーン』が入学した時 この国は開国100年目を迎える事になる。それまでと同様に 王太子暗殺・害成す者からこれを守り 手掛かりを取得して 4柱目の歪を『改善』。最後に 4柱全ての柱の歪を『終結』出来なければ。やはり この国は崩壊する。逆に 全ての柱の歪を『終結』出来たならば この国は永遠に繁栄を約束されるだろう』とな」
「この様な事が間違い無く起こると イブキ様は確信なさっておられました。ですが未来予言が起きてしまっては遅い事。この様な未来予言が存在する事。またその内容が知れ渡ってしまうと『4大柱爵家』との疑念・軋轢が生じる可能性がある事。誰かが悪用する可能性もある事。いろいろと悩まれたイブキ様は イブキファイルを残して門外不出となされ 関係する者をかなり絞られ 他言無用となさいました。そして ニブキ様ご入学時は『カシェット家』の男子が 表立って護衛として入学しました。ですが明らか過ぎる護衛は 王太子暗殺に邪魔である為 最初に命を狙われました。また 特別な訓練 特別な施術を施していない単なる護衛であった為。結果 王太子殿下の護衛 そして柱の歪の『改善』にはかろうじて成功しましたが 『カシェット家』の男子3名が 学園に於いて単独で居るところを急襲されたのです。命を落とす事はありませんでしたが 重症を負いました。そこで イブキ様が考えて構築成されたシステムが『悪役令嬢システム』なのです。明らかに護衛とわからない 周囲に嫌われ畏怖される存在。特別な訓練を積み重ね 特別な施術を施した存在。女性で有る事。つまり『悪役令嬢』。その『悪役令嬢』が引き継がれていく あなた様もご存知である『システム』で有り あなた様がその『悪役令嬢』なのです」
『あっー。ここで繋がって来るのかー。なるほど。なるほど』
「そして ニブキ様ご入学の時に 柱の歪を『改善』した際 『カシェット家』が入手致しましたのが『柱との繋がり』であり 先程 主様にお渡致しました『ブレスレット』でございます」
『はい! また出ましたー。知らない言葉!『柱との繋がり』』
「えっ? この『ブレスレット』が『柱との繋がり』って事でしょうか? そもそも『柱との繋がり』とは何なのでしょうか?」
すると 今度は王妃様が答えて下さる。
「『ブレスレット』はサファイア製なので『サファイア柱』との繋がりね。
『柱との繋がり』とはね。シレンちゃん。そもそも『柱』とは イブキ様によると この国を支えて下さっている『神様』の事らしいわ。つまり『柱との繋がり』とは『神様との繋がり』みたいな物よ。
シレンちゃん。ちょっと聞いて! 聞いて! 私も当時 シブキ陛下の護衛を務めお守りし 手掛かりを取得したのよ。先程 シレンちゃんに渡した『ネックレス』を入手したの。頑張ったんだから 私!!褒めて シレンちゃん」王妃様がニヤッとする。
「これからお話する事は 陛下以外今まで誰にも言った事が無いの。シレンちゃんだから 話しておくわね。だから他言無用よ。『ネックレス』の事! 私 ルビー領まで行って ルビー柱に触れてみたのよ。何かが居られたの。おそらく『神様』! 間違い無いと思うわ。だけど そこに突然 ルビー柱に何かをしに来た敵が現れたの。直ぐに敵だとわかったわ 黒い禍々しいオーラが凄くて。神様が『修羅』って言っていたわ。私はその修羅と戦ったのだけど とてもとても強くて強くて。だから私 神様に助力をお願いしたの。『神様』が『そなたは名を何と申す者か?』とおっしゃられたので 疲労感が凄かったけど 何とか『ヴィラン カシェットと申します』とお答えしたの。そしたら 神様が『ヴィランか。良かろう』っておっしゃっられて 力をお貸し下さり 最終的には なんとか相手を倒したわ。その後『神様』が『助けられた』って とても喜んで下さってね。『赤い羽根』を下さったの。それが『ネックレス』に変化したのよ。『ルビー柱との繋がり』ね。私は上手く 柱の歪を『改善』したのだと思うわ」王妃様は思い出しながら「とても 貴重で面白い体験だったのよ」と言う。
「そー言えば 私も先々代から伺った事があります。何でも『青い鱗』が『ブレスレット』に変化した』と」お父様が言う。
「うーん。そうすると 柱には『神様』がおられて 何かの問題が 柱の歪。問題の対応が『改善』に繋がる。その際 入手した物が『柱との繋がり』という事でしょうか?」私は問う。
「そうだと思うわ」王妃様が 手を頬に当てて答える。
「よいか。ヴィラン。加えてイブキ様は 取得した『柱との繋がり』を カシェット家の者。初代悪役令嬢の者。2代目悪役令嬢の者。またはその者が没した場合 それに連なる者が所有する事を厳命なされ 他言無用となさった。そして3代目となる『悪役令嬢』を その者達が認めた時『手渡して欲しい』とおっしゃられたのだ。いずれ来るべき4柱全ての歪の『終結』に必要になるからと」
「では 初代様をお探して認めて頂く事。そして 4柱目の歪の手掛かりを取得する事。柱の『改善』を行う事。殿下は当然お守りする事。最後に4柱 全ての柱の歪を『終結』する事。これらを行う者が『私』である。という事ですね」
『やる事はわかった! よし! だから『終結のヴィラン カシェット』なのね』
納得しつつ 念の為 聞いて置く。
「その通りだ」
「いい。シレンちゃん。初代様がお手持ちの『柱との繋がり』が『パール』なのか?『ダイヤモンド』なのか?それも大事な手掛かりよ。私は『初代様を探してはいけない。会ってはいけない』と当時 厳命されていてね。知らないのよ。だから頑張ってね。前にも言った様に 私達はあなたの礎なの。そして 全ての柱の歪を『改善』した後の 4柱全ての歪の『終結』が何なのか? わからないの。いずれにしても 何か困った事があったら 必ず頼ってね」
『そっか!初代様がお手持ちの『柱の繋がり』とは違う柱が 私の担当になるからか。王妃様 いつでも優しいなぁ』
「わかりました。とりあえず頑張ってみます」私は答える。
「ちなみに 何故? 最初から『私』だったのでしょうか?」私は疑問をぶつける。
「イブキファイルに こうあったからだ『『終結するシレン』を 乗り越えていける者 その者は文武に優れ またその者も『シレン』である』とな」
「ですので 私達は イブキファイルの意味を 解釈を いろいろな方向から検討しながら 各地にオブシディアンを派遣して 情報収集もしておりました。ですが なかなか解答に達せず 難航しておりました。そこに『シレン』様 の運動能力の高さを発見したオブシディアンから 連絡があり またお名前が『シレン ターコイズ』様と!『シレン』とは『単純にお名前なのではないか』との結論に達した訳であります」
『なるほど。名前か。。名前ね。。』
「今では あなたが イブキファイルの者だと 陛下含めまして 皆確信しておりますよ」王妃様が笑顔で 私を見付めておっしゃた。




