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お茶会 頑張ります!

紆余曲折を経て 私は 今日王宮で お茶会です。


先日 お父様に『殿下から お茶会にお誘い頂いた事』をお伝えして 真意である『2代目様は 王妃様なのか? お伺いしたい事』を正直にお話致しました。


「そうですか。では私はその場に立ち会う事と致します。その方が良いと思います。ヴィラン あなたは正直に王妃様にお伺いすると良いでしょう。私は邪魔をしに行く訳ではありませんので 安心して下さい。王妃様には 私の方からお伝えしておきましょう」

お父様は 1つ1つ言葉を選ぶ様に答えてくれた。


その為 殿下 王妃様 お父様 私の4人でのお茶会となりました。


「王妃様 殿下 本日はお招き頂きまして 光栄にございます」お父様が頭を下げて言う。

「王妃様 殿下におかれましては ご機嫌・・・」私はご挨拶をしようしたのだが 途中で王妃様に抱き締められる。『いつもながら温かい』

「ヴィランちゃんの頼み事でしたら いつだって お茶会ぐらい開きますわよ」王妃様は私を抱き締めながら言う。


「母上もご存知の事とは。。思い返してみれば 後から気が付きました」

「だって ヴィランちゃんの事だもの。当然ですよ」王妃様は『ドヤ顔』

「母上 それでは答えになっておりませんが」

「でも ゴブキ よくお誘いしましたね。お手柄です」


「はいはい。ですが私が居ては ヴィラン。話がし辛いのであろう。母上 ヴィランが何やら母上に尋ねたい事がある様子。終わりましたら ご連絡下さい。それじゃあな ヴィラン。次回は私目的で 呼ばれたいものだな」と少し残念そうに 私を1度見つめてから席を外す為に 席を立つ。出て行く殿下の背中は少し寂しそうである。

『でも ありがとう。殿下。殿下のおかげだよ』

私は 心の中で感謝する。『ほんと ありがとう』


殿下が出て行くのを見届けると 王妃様は 私を抱き締める事を止めて 席に座わられる。私とお父様も 机を挟んで向かい側の席に座る。


「では 折角なので本題に入りましょうか。ヴィランちゃん。今日は一体何かしら?」王妃様は笑顔で言う。


「失礼を承知で 王妃様に単刀直入にお伺い致します。王妃様は『2代目ヴィラン カシェット様』なのでしょうか? 私はそう思って 本日お伺い致しました」王妃様を真っ直ぐに見つめてお尋ねする。


「あら。何故そう思うの?」


「私 どうしても 初代様 2代目様 にお会いしたくて。そしてお話をお伺いしたくて お話を聞いて欲しくて。。沢山 いろんな事を、、その。あのー」語尾がだんだん弱くなっていく。


私は 勢いよく言い出したものの よくよく考えてみたら『陛下 王妃 宰相 宰相の妻 マリー ターコイズ元子爵以外に言ってはいけない』と言われていた事を思い出す。

『って事は 私はお会いしたところで『何』も聞けず 『何』も言えない。。のでは??

じゃあ 会う意味は無いの? いや会ってお顔だけでも。。そうだ!今何をなさっているか?ご存命なのか? わかる事もある!!それに やっぱり会いたい!!それに 本当に王妃様が2代目様なら お伺いする事も お話する事も 可能なはず』


「そうなんです! もし願いが叶うなら 一目お会いしたいのです!!」

「それに ようやく手掛かりを見付けたのです。殿下のおかげです。この機会を逃す事。諦める事は したく無いのです」『会いたい』その思いを力説する。


「そうですか。ヴィランちゃんが 初代様 2代目様にお会いしたい気持ちは とてもよく分かりました。ただ 私を何故?『2代目ヴィラン カシェット』だと判断したかの理由については聞かせてもらってないわ」王妃様は 真っ直ぐ私を見つめて言う。


「私は どうしても 初代様 2代目様にお会いしたくて。ですので お写真のお顔だけでも拝見したいと思い 学園の図書館に行きました。卒業アルバムで『ヴィラン カシェット様』をお調べして お探ししたのです。卒業アルバムの存在を知った時から いつかそうしたいと思っておりました。そうしたら おられたのです!居たのです!見付けたのです!私と同じぐらいの女の子が!! あっ〜 私は見付ける事が出来たんだ。嬉しくて嬉しくて。喜びを噛み締めて。。でもなんだか悲しくて。でも お写真だけでもお会い出来て。しばらく お2人様のお写真を並べて惚けておりました。そこへ 偶々 殿下がお越しになられました。そして 2代目様の顔写真と 王妃様の子供の頃のお写真が『とても そっくりだ』とおっしゃられたのです。最初は驚きました。でも私はその殿下のお言葉がヒントとなり 今までの王妃様のお言葉を 思い返してみて 気が付いたのです。2代目様は王妃様なのではないかと。そして それは確信への結論に達しました」

最初は興奮しながら 話をしていたが。。途中から なんだか 少し涙が出そうになる。我慢しながら続けるが 声が震えてしまった。


「そう。卒業アルバムをねー」王妃様は「そっか」と呟いて納得した様に言う。

お父様は ここまで一言も言葉を発していない。


「どう思いますか? 弟くん」王妃様が お父様の方を見て聞く。『弟? うん?』

「王妃様 主様のお心のままに。それが『カシェット家』の総意でございます」お父様が頭を下げて答える。


「もう! 主ではありません。何度もそう言ってるでしょう」王妃様がぷりぷりして言う。お父様は 笑っている。


「わかりました。では 私の好きに致しますわ。そうね 私はヴィランちゃん。じゃなくて『シレンちゃん』の絶対的な味方ですからね。そうです 『2代目悪役令嬢 ヴィラン カシェット』は私です。よく気が付きましたね。偉いわ! そう 私もあなたと同じく『ヴィラン カシェット』だったのよ!そっかー。卒業アルバムかー」

王妃様が なんだか嬉しそうに とても優しく答えて下さる。


私は なんだか自分でもよくわからない感情が 込み上げて来て 溢れ出して来て 涙が出て来る事を我慢する事が もう無理で 結果泣いてしまった。


「え〜ん。え〜ん。うぐっ。えぐっ」私はしばらく 大声を出して泣いた。なんだか自分で制御出来ない感情が溢れてくる。王妃様は 立ち上がって 私の側まで来て下さり 座っている私を抱き締めて下さる。王妃様もお父様も 何も言わず 私か泣き止むまでずっーと待って下さった。

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