王妃様と2人でお会いする為 頑張ります!
『はぁはぁ。やるな で、殿下。死に掛けましたぜ』
私は 何とか 三途の川 の手前で立ち止まると 現実に戻って来た。
「い、いえ。それは 殿下のお力。わ、私の御守力など 関係無いですわ」
何とか言い切る。
「フローライト様 ローズストーンを拾って頂き 感謝ですわ」フローライトにお礼を伝える。
『素直に『ありがとう』って言えない。頭も下げない。。いけない子』
「それにしても お強いですわね。準決勝 決勝戦でも お速い動き。素晴らしいことですわ」
私は 急ぎ話題を変える。
「その様な事はございませんわ。殿下には負けてしまいました。それに『ノネム ストーン』と名乗られた御方。随分とお強い様にお見受け致しましたわ」
フローライトはそう言うと 私の方を勘繰る様に睨む。
『ヤッベー。こいつまだ疑ってるよ。殿下の話に納得して無いのかよ。話題変えたばっかりなのに。また話題変えないと』背中に大量の汗が。。
「殿下。私 王宮で殿下とお茶をしたいのですわ。お茶に誘って下さらないでしょうか?」
殿下に対して 唐突に偉そうに言う。
『悪役令嬢っぽかったし。上手く話題も変えれて お茶にも誘って貰う。一石三鳥!我ながら やるーー』
「また ヴィラン様が偉そうに」「殿下に対して あの態度」とか聞こえる。
「ヴィラン様! その様な。殿下に対して 失礼ではございません事?」フローライトが怒気を含んで 私に言う。
「はは。構わないぞ ヴィラン。いつが良い?」殿下が言う。『か、軽ーー』
「しかし 殿下。ヴィラン様のあの態度は あまりにも、その、、」フローライトが困惑しつつ殿下に言う。
「ヴィランだからな!」『更に軽ーー』
「で、では 私もお誘い頂きたいデスワヨネ−ー」フローライトが 言い辛そうに 最後の方は聞こえ無い程 小さな声で言う。
「そうだな。フローライト そなたも・・」
私は 殿下の言葉を遮って言う。
「殿下。私だけを お誘い頂きたいですわ。他の方々がおられますと 気が散ってしまいますわ」
『だって 王妃様と2人でお話したい! 他の人に聞かれると断頭台!だもん』
「殿下のお言葉を遮ったわ」「本当にあの態度」とか聞こえる。
「ヴィラン様 殿下のお言葉を遮った上 私が居ては ご迷惑だとおっしゃるのですか?」『フローライト様 怒ってるなぁー』
「ええ。その通りですわ」
『ローズストーン拾ってくれた人なのにーー。えーん。本当はこんな事言いたく無いのに』
フローライトは ギリギリ歯を食い縛って 悔しさを耐えている。
「まぁ待て ヴィラン。フローライトが居ては・・」
私は 再度 殿下の言葉を遮って強く言う。
「困りますわ」
「また遮ったわ」「なんて態度」周囲が騒つく。
殿下は 私を強く見つめる。
「わかった」少し納得して 諦めた様に言う。
続けて
「フローライト では次回必ず 私とヴィラン そなたとでお茶をしよう。だから今回は見送ってくれ」
フローライトは かなり不満であったが 殿下からそう言われると仕方がない。また 自身よりも高位の立場である2人からの拒否に 従わざる得ず。
「わ、わかりましたわ。で、では今度」
フローライトは かなり悔しそうにそう言うと 座席に戻って行く。
「フローライト様 お可哀想に」「失礼過ぎるわ」とか聞こえる。
「ローズストーンを拾って頂き フローライト様には とても感謝しておりますわ。ですが お茶に誘って頂く事とは別事。ご不満がございましたら いつでも『カシェット家』に申し立てて 構いません事よ」
『フローライト様 ごめんなさい! でもダメなのよ! ストレスゲージがーー』
私は 自分自身への言い訳も兼ねて 周囲に聞こえる様に大きな声で言う。
『す、ストレスが溜まる』
周囲は 王族に次ぐ『カシェット家』の名に 怯えて 急に静かになる。
突然 殿下は私の手を引っ張って 教室の外へ連れ出す。
周囲に誰も居ない事を確認すると、、
「ヴィラン そのぐらいにしておいてくれ。見ているこちらが辛くなる」
殿下は 泣き出しそうな 弱々しい声で 私に聞こえる様に言う。
「わかってはいる。わかってはいるのだ! 私が悪かった。気付けば。。何か緊急の用事なのだろう。すまない」
『殿下は とても優しい。本当は 私だってこんな事したく無い!』
涙がちょっと出てくる。
「す、すいません。殿下に謝らせてしまって。グスっ。で、でも。。」
「わかっている。私はどうしら良い?」殿下が 手を引っ張って 私の身体を優しく包み込んで下さった。
「グスっ。うぐっ。王妃様にお会いしたいです」
「わかった。その様に手配しておく」
殿下は そう言うと 私の頭を反対の手で 撫でて下さった。
私は また泣いてしまった。




