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『お茶に誘って』大作戦 頑張ります!

この度は『3代目悪役令嬢 頑張ります!』を お読み下さり ありがとうございます。

面白いと思って頂けましたら ご評価 ブックマーク登録 よろしくお願い致します。

今日も今日とて 私は 朝の日課。まず通学路の安全確保とゴミ掃除である。

『あれ? 今日は誰も居ないや』最近割と頻度の高かった不審者くん達ですが 本日はお休みの様です。


「おはようございます〜 お気を付けて〜」

私は隠れて 殿下の馬車が学園に向かって行くのを 小さく手を振って見送る。


急いで 学園のトイレに駆け込んで 着替える『へーんしーん』右胸には『ローズストーン』が無いままである。


「おはようございます。ヴィラン様」

「はい おはよう」

「今日もいい天気ですね ヴィラン様」

「はい いい天気。ゴミも無くて」

「おはようございます」

「あなた 誰? 気安く話掛けて来ないで下さる?」


などと 朝の挨拶を交わしつつ 教室に入って 殿下の後ろに座る。此処は私の定位置である。


私は 昨晩の事を思い返す。

図書館で調べたあの後 カシェット家に戻って マリーに事情を話して マリーからも事情を聞く。

実は マリーは平民だけど『ローズストーン』保持者で学園を卒業した上 品行方正で優秀である為 陛下と宰相からの命令で 私の侍女兼教育係を受けさせられた。との事だった。

『まぁ何となくわかっていたけどね。でもそれって凄い事だよね。

私の教育係として 既に3年前から『3代目ヴィラン カシェット』計画が遂行中って事だし』


そこで 私はマリーに疑問をぶつける。

「マリーは 何故?『私』の教育係になる様 命じられたのか。知ってる?」

『そう 何故? 当初から狙って『私』だったのか? 疑問に思っていた。お父様に聞いても はぐらかされるだけ。前のお父様の件はおそらく 偶々で無関係だと思っている』


「私も正直わからないですね。侍女として『ターコイズ家』に行ってみれば 木には登る。動物は剣で倒す。私が今までお会いして来た貴族令嬢の方々で その様な貴族令嬢は初めてでした。その様な方の教育って何をすればよろしいのやら。。『私は何故?此処に!』と逆に私が思った程ですからね」マリーがニヤニヤして言う。


「あい。すみません」一応過去の事とはいえ 謝る。何せマリーも 私のせいで計画に巻き込まれてしまったのだから。。


「ですが お嬢様にお会いして 人柄を知り 武術の腕前を見て。今では この方しか居無かった。この方で間違い無かった。と強く確信しておりますよ」柔らかい笑顔でマリーが言ってくれる。


とりあえず私は泣く。。マリーに抱き付き甘える。「あ、ありがとう。マリー。クズっ。うぐっ」

「あらあら。お嬢様」マリーがハンカチで涙を拭いてくれる。


「マリーは どこまで知っているの?」赤い目をして聞く。

「さぁ どうなのでしょうか? お嬢様が『3代目ヴィラン カシェット』宰相公爵家長女になる事。名前と家族を捨てさせられてお辛い事。悪態を付いて学園で畏怖されている事。武術はおそらくこの国随一である事。隠れて密かに殿下の護衛 安全確保をなさっている事。それにストレスをお感じである事。私の使命はお嬢様に『ローズストーン』を取らせる事。あと・・」とここまで マリーは指を折りながら 上を向いて思い出す様に話していた。


だが 突然 私の方を見てニヤっとして「後 殿下が大好きな事!」


『いやーー!!やめてくれーー』顔から火が出る。。

「な、た、んなぁ事 ある訳ないでしょう。何言ってんだか?」

狼狽えながらも 何とか答える。『涙も一気に止まったよ!!』


「あらあら。お嬢様。よろしいのですよ。マリーには正直にお話下さい。お嬢様の最近の態度を見ておりますから。一目瞭然です」ニヤつきの止まらないマリーは 意地悪である。


『そっかー。マリーに気付かれるって事は 学園での態度も一応気を付けないとねー』


「まぁ んなぁ事は置いておいて!」私は本題に入る。

「置いておかれなくて よいのですよ?」マリーが揶揄ってくる。

「もー!!話が進まない」


「今日『初代ヴィラン カシェット様』『2代目ヴィラン カシェット様』について調べる為 図書館に行って 卒業アルバムを調べていたの。そしたら マリー ちゃんと居たんだ!初代様も2代目様も。私と同じ女の子が!!私なんだか嬉しくなっちゃって。その写真をずっーと眺めてたんだ。時間が経つのも忘れるぐらい。とても嬉しかったし。同志が居るんだって。

そしたら 突然殿下が後ろにやって来て。2代目様の顔写真が 王妃様の子供の頃の写真にそっくりだ!って言ったの」


私は支離滅裂ながらも 嬉しかった事 何となく寂しかった事。を伝える。そして1番肝心な事『2代目様は王妃様かも知れない』事を伝える。


「でもね。お父様に聞いても たぶんはぐらかされるだけ。どうしたらいいと思う?」

「そうですか?王妃様が。。うーん。確かに旦那様に伺っても。うーん。」マリーは両手を組んで考えている。


「では こう致しましょう。お嬢様と殿下はご学友なのですから 殿下にお願いして王宮のお茶会に呼んで頂きましょう。そうすれば お嬢様と王妃様の仲です。お嬢様が王宮に来るとわかれば 必ず 王妃様もお越しになるでしょう」マリーは ポンっと左手の掌の上に右手をこぶしにして乗せる。


ってな訳で 私は殿下の後ろから『誘ってくれ』とお願いしないといけない。

しかも 好意を寄せてる感ゼロで!『お前の家で茶が飲みたいだけなんだよ』感を 前面に出して。


「お、おはよう。ご、ご、ございます。で、殿下」

思い切って 後ろから声を掛ける。『殿下の事が大好き』が脳内を飛んでいる。

『今の私には ハードルが高過ぎる! む、無理ー』


しかし 殿下には思い切って出した声が小さ過ぎたのか? 聞こえておらず無反応。

『こ、コイツ嫌がらせか? 振り向けよ。振り向いてくれー』

しかし 相変わらずの無反応である。


止むを得ず 再度勇気を出して 照れを隠して 声を出そうとしたその時!


「おはようございます。ヴィラン様。こちらの『ローズストーン』 ヴィラン様の物でして?」見ると『フローライト ダイヤモンド』様が美しく 煌びやかな笑顔で立っていた。

掌の上に『ローズストーン』を乗せていた。


殿下も何故か?後ろを振り向く。

『お前!おせーんだよ。何今頃振り向いてんだよ』


「あっ! おはよう。ヴィラン」爽やか笑顔が眩しい!!

「あっ!フローライトも おはよう」

「おはようございます。殿下」フローライトが爽やかに答える。


「おはようございます。殿下」私はむくれて言う。


「それ何?『ローズストーン』では無いか? フローライト何処でそれを?」

殿下が聞く。『そう私も思ったところだ』


「フローライト様 おはようございます。ありがとうございます。確かに私が先日落とした物ですわ。何処で落としたのかも検討出来ず。探してはみたものの。助かりますわ」


「こちらは 先日の剣術大会の際 何故か?決勝戦の場所に落ちておりましたわ? 確か 殿下と私と審判。あとは賊の方々ぐらいしか いらっしゃらなかった『場所』ですわ」

「あっ!そうそう『ノネム ストーン』なる方もおりましたわね」

フローライトが勘繰る様に 私を見る。


『やべー!なんか。ヤベー。背中がヒリヒリする』私は返答に困る。

すると

「あっ! そこで落としてしまったのか? それは 私がヴィランから借りた物だ。決勝戦の御守りにと 何かヴィランの持ち物を持っていたくてな!ヴィランにも 散々謝って許してもらったばかりだ。見付けてくれて助かるよ。フローライト 感謝する」

殿下が席から 立ち上がって 私にウインクをすると フローライトに礼を言う。


「そ、その様なご事情が!?」フローライトが急に焦り出して 反射的に殿下に『ローズストーン』を手渡す。


「えっ?殿下やっぱり ヴィラン様の事を」「うそー ショック」などと聞こえて来る。


殿下は フローライトから受け取ると 私の左手を持ち 手の中に『ローズストーン』を入れてくれた。

「ヴィラン。君のおかげで 勝てたよ。御守りの御利益は凄かったよ」

『きゃ、きゃこいいーー。。』顔からは火が出た。たぶん私は真っ赤か!

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