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真夜中の調査 頑張ります!

現在 真夜中。私は また全身黒づくめ!『イブキファイルの悪役令嬢本』に記載されていた『忍者』である。目だけがギラリ!これも『悪役令嬢の世を忍ぶ仮の姿』らしい。。


「お嬢様。先日の指輪から 遅効性の毒物が検出されました。おそらく 刺された時はどうも無く。後に効果が出るタイプかと。ただ毒物の性質から 直ぐに死に至る事は無いと思います。初めは 意識を失う・苦痛を伴う といった物ですね」

「そっか。やっぱり毒だったかー。じゃあ 尚更だね」


「マリー。では ちょっくら行って来まーす」

「お嬢様。問題無いと思いますが お気をつけて」

「はーい」

私は 暗闇に紛れて 出発する。


この学園には 貴族 商会主の子供 優秀な平民が 通っている。貴族は王都に屋敷を構えている為 私の様に自分の屋敷から通う者が多い。商会関係者は 王都に店舗を構えている事が多いが 店舗から通う者はほとんど居ない。その為 学園から遠い貴族 商会関係者 平民のほとんどは 学園寮に住んでいる。


行き先は 学園寮!


「さてと。わざと昼間ぶつかって来た アウイン商会のお嬢様は。っと」

アウイン令嬢の部屋に侵入している。『当然下調べ済み!この手の潜入調査も 楽勝!楽勝!』


アウイン令嬢は 部屋のベッドで寝ている。『何か? 貴族との関連を示す証拠は。っと』

周囲を探る。あまり目ぼしい物は無さそうだ。


『よし! 直接聞こう』

私はベッドに横たわっているアウイン令嬢の上に覆い被さり 喉元に 部屋に有った定規を突き付けて 頬を叩いて起こす。

アウイン令嬢は ビックリして 目を開ける。

「お嬢さん。死にたく無かったら騒ぐな! 動くな! いいか。私の質問に対して『はい』なら 首を縦。『いいえ』なら 首を横。何かしたら 首を切り落とす。いいな?」

アウイン令嬢が 少し泣きそうになり 恐怖で顔を歪めながら 首を縦にふる。


「調査済みだ。お前が殿下を暗殺しようとしている事も 毒を扱っている事もわかっている。間違いないな?」首は縦。

「今度の交流会 殿下に毒を盛るつもりか?」首は横。

「嘘を付いたら どうなるかわかるな?」首は縦。

「もう一度聞く。毒を盛るつもりか?」首は横。

『先日 殿下にぶつかって毒を使う予定だったはずだけど。。その事聞くと 身バレするしなぁー』


「では 質問を変える。交流会で殿下に毒が盛られると思うか?」首は縦。

「ここに今 毒はあるのか?」首は横。

「誰かに 毒を渡したのか?」首は縦。

『そっか 失敗したから 毒を他の誰かに渡したんだな』


「貴族からの命令か?」首は縦。

「いいか。会話を許す。ただし大声を出した時点で 首が無くなる。いいな?」首は縦。


「どこの貴族だ?」

アウイン令嬢は泣きながら答える。「わかりません。いつも指示してくるだけで。。お父さんを殺すと脅されて。。だから仕方なく。本当にすいません」

『泣く姿。目の動き。心拍数。嘘では無さそうだな』


「では 毒は今何処に?誰に渡した?」

「わかりません。うぐっ。うぐっ。」アウイン令嬢が答える。

『なんか。怯えちゃって 可哀想!』


「何の毒だ?」

「わかりません。何の毒物かは。。ただ うちの商会に購入の依頼がございました。毒物の購入は貴族に限られております。てっきりネズミか何かを駆除する為だと。。すいません。殿下を暗殺する為だったなんて。。本当に知らなかったのです。うぐっ。うぐっ。で、ですが毒物の購入には サインと貴族の紋章印が必要です。お店に行けば 何処の貴族が購入したのか。わかると思います」嗚咽混じりに アウイン令嬢が答える。

『あーん。もう可哀想!どうすっかなぁ』


『うーん。今から 後片付けして 店舗に行って 帳簿調べるか』


「アウイン商会の王都店か?」首を縦に振る。


「この事を誰にも言わない。と約束出来るなら 命は取らないと約束する。だが 身柄は拘束する」首は縦。

直後 私はアウイン令嬢に 薬を嗅がせる。アウイン令嬢は 意識を失う。


『さてと。重いんだけどなぁ。どんだけ悪役令嬢の仕事やねん』

私は アウイン令嬢を肩に担ぐと 暗闇に紛れて 宰相家の屋敷に戻り マリーに令嬢を任せる。おそらく 屋敷の地下にある 通称『拘束部屋』にアウイン令嬢を入れるだろう。

『まぁ 後は お父様にお任せするとして 店舗に行ってみますか』


再び 夜の街を駆け抜ける。アウイン商会王都店に到着する。『はい侵入』店舗内には 誰も居ない。気配が全く無い。

店の帳簿を仕舞っているらしい金庫を見つけた。ちなみに金庫はイブキ様の発案道具。


金庫の前に座って 金庫を撫でる。

「はいはい。いい子だから。言う事聞いてねー」


私は金庫の鍵穴に 針金を入れて ガチャガチャとする。『カチン』

「はい。いい子ー」『こんな事も訓練済みって 悪役令嬢って何なん?』


金庫の中の帳簿を取り出して ページを捲って調べる。『ふむふむ。あー これだな。『ラズライト』のサインと紋章印』

『ラズライト男爵のサインだし 印もおそらく本物だけど。。黒幕にしては 小物だし 違うか。王太子を暗殺したって ねー』


私は帳簿を 懐に仕舞う。金庫の扉を閉める。『誰が見たって 何も無かったね』


私は 屋敷に戻って 急ぎお父様の部屋に向かうと 扉をノックする。『早くしないと。寝不足に。寝不足はお肌の大敵』


「入れ」

私の報告を待っていたのか。ただ単に仕事が忙しいのか。不明だが 椅子に腰掛けて 机の書類に目を通している。

『夜中まで スゲーなぁ。って私もか』


「失礼致します。お父様。ご報告がごさいます。まずは こちらを」

私は アウイン商会の帳簿を渡す。


「この帳簿には 毒物購入時のラズライト男爵サインと貴族紋章印があります。まあ あるだけで この毒物はネズミ等の駆除剤ですので 確固たる証拠とは言えません。ただ 証人として アウイン商会令嬢を確保しております。アウイン商会主が人質になっている様です」


「そうか ラズライトか。わかった。ラズライト男爵家とアウイン商会の件は 私の方で処理する。お前は 引き続き殿下の身辺警護を頼む」


「承知致しました。それでは 失礼致します」『やったー。やっと寝れる。早風呂。早寝。だね』


今度の学園行事『交流会』は『1年生から3年生まで 学年の垣根を越えて交流しよう』会である。教師陣も数名の参加で ほとんど学生である。当然 王太子殿下といえど 護衛を沢山連れて参加する事は 出来ない。


私はお風呂に浸かりながら考える。『おそらく 毒物で 何か仕掛けてくるだろうなぁー。面倒! でも 指輪の毒物から 察するに 飲み物に混ぜてくるか。刺してくるか。だなー。どうやって 殿下を護衛するかなー』とりあえず 考える。だって断頭台だもん。嫌だ。


私は布団の中で思う。『私がきちんと護衛をしないとなぁ。その為の訓練もして来たし 殿下に嫌われてるけど バッチリピッタリマークしないとね。なんてったって 殿下の死=私の断頭台。だかんね。私が家族を諦めたのも『シレン ターコイズ』が死んだのも 全てが無駄になる。それが 1番腹が立つ! 殿下が好きとか 守りたいとか違うけど。。シレン史上最高に頑張ろう!』

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