7.闘いの結末
ゴブリンが大きさは決して大きくなく、人族の10歳くらいの子どもの身長と同等くらいである。
それでも大きく見えるのはファルクスラプスの体高が野生のうさぎ程度しかない為だった。
ゴブリンはファルクスラプスを視認すると、獲物を見つけたと言わんばかりにヨダレを垂らしながら少しずつこちらに歩み寄って来た。
「ギャ、ギャ、ギャ。」
ゴブリンは手に持った棍棒を上段に構えながら嗜虐的な声を発した。
するとファルクスラプスに向けて跳びかかって来た。
ファルクスラプスはゴブリンから振り下ろされた棍棒を横に跳んで躱した。
ファルクスラプスは回避した直後、すぐさまゴブリンに向けて跳躍した。
ゴブリンとすれ違いざまにファルクスラプスは左後ろ足の刃脚でゴブリンの左脇腹は切りつけた。
「ギャッ!?」
ゴブリンはまさか獲物からまさかの攻撃を受けたことにかなり狼狽した。
ファルクスラプスは地面に着地しゴブリンの次の動きに注視した。
ゴブリンは再び棍棒は上段へ構え技術も何も無い力任せの攻撃を放ってきた。
同じ攻撃が来たこと視認したファルクスラプスは先程と同じように横へと躱しゴブリンの脇腹を切りつけてやろうと再び跳躍しようとしたが、ここで想定外のことが起きた。
なんと、ゴブリンが地面に叩きつけた棍棒の先が粉々に砕け辺りに棍棒の破片は飛び散った。
その破片が攻勢に出ようとしていたファルクスラプスに直撃し、ファルクスラプスは一瞬動きが硬直し攻撃を中断させられた。
ゴブリンはすかさず少し短くなった棍棒を三度上段に構え、動きを硬直させているファルクスラプスに振り下ろした。
ファルクスラプスは咄嗟に蹴りを棍棒に放ったが、身体能力は普通のうさぎと変わらない為ゴブリンの膂力に負け地面に打ち付けられてしまった。
ゴブリンは地面に蹲るファルクスラプスに向けて棍棒を捨てて跳びつきその首に噛みついた。
首からは血が滴り、ファルクスラプスの首はそのまま噛み砕かれてしまった。
初めてのスキル【融合】で誕生した合成魔獣第一号は敗北した。