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ブラスターハンターズ ヤチママタタSAGA  作者: えのしぃ
第1章 日出
6/30

重力の能力、観察力と判断力

仰扇が能力の説明をたくさんするぞ!

丈夫ますらお!こっちも終わったよ!」


 俺が大竹を捕縛した頃、仰扇ぎょうせんも同様に鉄球の男を捕縛し終えたらしい。


「最後は、あいつだな。」

 最後のターゲット、ワイシャツを来た細身の男の方に体を向ける仰扇ぎょうせんと俺。

 今の所、何もしてこないとはいえ油断は禁物だ。


骨川康弘ほねかわやすひろ

頭上に彼の名前が表示される。


 手錠を持って、ゆっくりと骨川に近寄る俺。

 あれ、何だか体が......

 近づけば近づくほど体が重くなるように感じる。これが骨川のブラストなのか?近寄った人の体重を重くしているのか、周りに重力を発生させているのかわからないが、無闇に近寄らない方が良い。俺は一旦後ろに引き下がった。


仰扇ぎょうせん、アイツのブラストはおそらく対象の重量、もしくは重力そのものの操作だと思う。近づくにつれて、俺の体が重くなったんだ。手錠のつけれる間合いまで近づいたら、多分立てなくなるレベルまで体が重くなると思う。」

「なるほど、接近は禁物だな。それじゃあどう戦おうか?僕の主神の双鴉(フギンドムニン)灰色の狼(グレンリル)は俺自身が浮力や空気の流れを操しているってわけじゃないんだ。」

 仰扇ぎょうせんが説明を始める。

「僕のブラストは風や気体に関する幻獣を召喚する【召喚術しょうかんじゅつ:風雲かざぐも】。丈夫ますらお、お前と戦った時に出した灰色の狼(グレンリル)。アイツは召喚に煙を必要とするだけでその煙で出来た狼ってわけじゃない。アイツは煙に近い特徴がある肉体を持つ幻獣だ。」

 確かに、本当に煙だけで出来ているなら噛まれても痛みを感じないはずだ。納得がいった。


「話を続ける、そして幻獣は負傷したり自身が死ぬ予感を察知したりすると消え、しばらくの間、召喚に応じなくなる。短くて8時間、長くて3日ほどだ。」

「鴉はさっきの戦いで負傷してしばらく召喚に応じない。狼は出せるが、もし重力の影響を受けて負傷して引っ込んじまったら僕は明日の任務で何も出来なくなるかも知れない。」

 仰扇ぎょうせんは出来ればこれ以上ブラストを使いたく無いようだ。妹の為に一刻でも早く多くの金を集めなければいけない彼にとって、任務での功績をあげる事は大切なことだ。


「分かった!俺が一人でなんとかしてみるよ!」

「いやなんでだよ。」

「え?だってブラスト使いたく無いんだろ?」

「何言ってるんだ、ただ無闇やたらにブラストを使えないから慎重に行きたいと言っているだけさ。心配はいらないよ。それに俺の幻獣は今言った2体を含めて全部で5体いる。ただ、残りはちょっと強すぎると言うか......異常なんだよ。まあ確かにそう言う意味ではあるが、あまり使いたく無いってのは間違ってはないな。」

「うん、じゃあやっぱり俺一人でやるね。」

 異常な幻獣と聞いて、なんとなく察した。演習用ロボットを破壊してしまったり、俺を攻撃に巻き込んでしまったりするのだろう。

 取り敢えずリスクの少ない方法から試してみよう。

破銃はじゅうヘーニル!」

 骨川に向かって銃を撃つ俺。

 破力の弾丸が彼に向かって飛んでいく!が、彼の手前で弾丸が突然の真下へと軌道を変えて床にヒットする。


「へっへっへっへ!へっへっへっへっへっ!」

 先程まで全く声を出す事のなかった骨川が、突然笑い出す。

「ヒャーッヒャッヒャッヒャッヒャー!!!!バカバカバカバカバーカ!!何をやっても無駄だよぉ???物、人、何が来てもぜーんぶ地面に叩きつけてやるぅ!!」

 興奮しだす骨川。


「破力の銃弾ならもしかしたらって思ったけど、ダメだったかぁ。どんなものであれ、何でも地面に叩きつけてしまうのか?」

 近寄るのはダメ、銃弾とダメ、となったら後は他に出来る事は何かあるだろうか。

「なあ丈夫ますらお。」

「なんだよ仰扇ぎょうせん。」

「昨日僕にやったやつだよ。人間とは思えないスピードで殴って来たじゃないか。アレならブラストも、もろともせずに相手に一発喰らわせられるんじゃないか?」

 昨日やったやつ?あの時は必死だったから自分で何をしたのかなんて覚えていなかった。なんとか思い出してみる。仰扇ぎょうせんの狼にボコボコにされて死にかけて......死にたくないと願ったら、力が漲ってきた......うーん分からない。火事場の馬鹿力ってやつだったのか?

「ごめん仰扇!あれのやり方わかんねぇや!」

「えぇ......」


「オイオイ!いつまで二人で話してるんだぁ?俺はもう疲れて来たぜ!さっさとかかってこい!」

 骨川が手招きしながら話す。

 何故だろう?どうしてあちらから攻めてこないんだ。俺たちに近寄って重力で動けない状態にすれば、有利になるだろう。何故動かないのだろうか。いや、もしかしてブラストを使っている間は動けないのか!?

「なぁ骨川!そっちから攻めてこいよ!」

「ゲッ!!?ヤダよ面倒くさい!お前らがこい!」

 今アイツ「ゲッ!!?」って言ったぞ。

「分かった、お前がこっちに来るまで俺たちは遊んでるぜ!なあ仰扇!アンタの狼、近くで見てみたいんだが。」

 俺の言葉を察し仰扇が答える。

「そうだな、僕も丁度タバコ吸いたかったし、呼ぶか!灰色の狼(グレンリル)!出てこい!」

 煙草の煙から狼が召喚される。

「近くで見ると案外かわいいなぁ、こいつ!しかもお利口さんなんだなーよしよーし。」

「俺の命令に忠実だからねぇ。何か言わない限りは襲いかかったり、吠えたりはしないよ。」

「へぇー。」


 50分ほどがたった。

「アアアアアアアア!!もう分かったよ降参!!」

 骨川が半泣きしながら能力を解除してこっちにやって来る。

「よし今だ!噛みつけグレン!」

「破銃ヘーニル!」

「おおおおおい!本当に降参するってばさあ!」

 隙を見て攻撃しようとする二人を見て泣き崩れる骨川。

「念のためだよ。」

「油断は禁物だからねぇ。」

 骨川。捕縛完了!

 

 戦闘演習、これにて終了。

はじめての戦闘演習!頑張ったね!

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