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ブラスターハンターズ ヤチママタタSAGA  作者: えのしぃ
第5章 決戦
25/30

最後の戦い、開幕の音が鳴る

最終決戦が......始まる!!

 ダイデンシティ•合流地点

 俺、仰扇、京平、鈴音、佐川さんの5人で傷の手当をしながら残るブラスト撲滅教のメンバーをどう捕まえるかを相談し始めてから2時間が経った。今は午後4時だ。


 佐川さんの通信機から、声が流れる。

「こちら、睡蓮院網楽。ブラスト撲滅教、七賢人•三大王の一人『睡蓮院義理亜』を倒した。今からそちらへ向かう。」

 網楽さんからの連絡だった。佐川さんが返答する。

「了解です。今は支部に?」

「ああ、そうだ。」

「そうですか、ならばお願いしたい事があるのですが。」

 佐川さんは網楽さんに、これから戦う残りのブラスト撲滅教メンバーの情報と作戦を伝える。


「分かった。すぐに準備する。」

 話を聞き終わった網楽さんはそう答え、通信を切った。


 少し離れた所から、声が聞こえた。

「おやおや、皆さんお揃いのようで。こちらにとっては都合が良いですね。」

「ですね。このまま、一網打尽にしてしまいましょう。」

 そこには、ブラスト撲滅教の最高指導者、神我崎清彦と......霧島薬子の姿があった。

「全く......予想以上に手こずってしまったね。もうここで終わらせようか。」

 続いてその後ろから、城月帝がやってくる。そしてそれと入れ替わるように、神我崎は下がり、どこかへと姿を消した。


「ここで決着を着けようってわけか!!」

 残りの撲滅教、総出で現れた事からそう推測する京平。おそらく、その推測は正しいだろう。

「さあ皆、話した通りに戦おう。」

 佐川さんがそう話す。勿論俺たちは、今のような状況になる事も予想して、計画を立てていた。

「よし、行くぜぇ!【爆音炎操ばくおんえんそう:全合焦ぜんがっしょう!!】うおおおおおお!!」

 京平の目の前に大量の炎の塊が現れ、それらが花火の様に大きな音をたてて爆発してはまた現れ、爆発してはまた現れを繰り返す。これで霧島薬子の声をかき消し、『奴が殺すと念じた人間が奴の事を数分見続けるか、声を十数秒聞き続けるとその人間が死ぬ』と言う能力を無効化する!


 京平のブラストは約4時間前の破力全放出ブラストオフの反動によって、完全な力を出す事が出来ていないが、それでも十分な程の威力だ。


 それを見た帝が動き出す。

「大瓦五右衛門、睡蓮院網楽。この二人と渡り合えるような子を呼び出す為に、相当破力を消費したんだけど。まだ休ませてくれ無いみたいだね。仕方が無い......」


破力全放出ブラストオフ......屍人祭ナグルファーレ!!」


「中途半端な奴らを出しても、すぐやられちゃいそうだからね。最強の3人をフルパワーで!!」


 帝の目の前に3人の人間が現れる。現れたのは網楽さんの姉『睡蓮院或香』、鈴音が一度倒したブラスト撲滅教の『土井潤一郎』 そして......

「大瓦......さん?」

 行方不明だと言われていた、大瓦さんだった。


「あんたのブラスト、確か『自分自身が殺した人間を蘇らせて手下にする』ってものでしょ?って事は自分の仲間を自分の手で殺したの?おかしいよ!」

 どんな時でも落ち着いている......と言うかのんびりしている鈴音でさえも、帝の行動に対しては声を荒げた。

「大瓦さん......お前が大瓦さんを殺したのか!!」

 京平は怒り、叫んだ。帝はその姿を見ながら笑っていた。


「さぁ!我が配下たちよ!いきなさい!」

 帝の声に反応し、動き出す3人。


「大瓦さんはオレが!大瓦さんの能力についてはオレが一番分かっている。それに、色々お世話になったんだ。どれだけ強くなったのか、手遅れかも知れないけど見せてやりたいんだ。」

 京平が大瓦さんの前に立ちふさがる。


「土井とは私が戦うよ。一回戦って勝ってるようなものだし、パパッと終わらせちゃうから任せてよ!」

 鈴音がそう言いながら土井の方へと向かう。


「睡蓮院或香は僕が。」

「いや、私が行こう。」

 佐川さんが或香の方を向こうとした時、それを遮るように、網楽さんが現れる。思ったよりも早い合流だった。

「分かった、じゃあ僕たちは神我崎清彦の方へ!!」

 佐川さんが俺と仰扇を連れ、神我崎の方へと向かおうとする。そこで、俺が問いかける。

「霧島薬子は、そのままにしておいて良いのですか?」

 京平のブラストの爆音のお陰で、奴を視界にいれず声の届く所まで近寄らなければ問題が無い状態にはなっているが、放置しておくわけにはいかない。

「問題は無いよ、丈夫くん。もう手は打ってある。そろそろかな?」


 俺たちの後ろを、4体の人型ロボットが通り過ぎる。

「あ、あれはもしかして......あの訓練の時の......」

 仰扇がそう口にする。

「その通り、霧島薬子のブラストは人間にしか効かないだろう。だったら、人間では無いロボットに戦わせようって話。簡単だろ?」

 佐川さんがニコっと笑いながら話す。


 ピキタンと薺さんはここから少し離れたビルの中から、この戦場を監視しながらロボットの制御を行っていた。

「これで霧島薬子は手も足もでないネ!」

「ええ、完璧です!」


 ロボットたちに囲まれる霧島。

 イライラした表情で4体のロボットと間合いを取る。

「チッ、仕方が無いな。」

 霧島は舌打ちをし、何かをしようとする。

流血刃りゅうけつじん!!」

 懐からナイフを取り出し、自分の腕を斬りつける。そこから溢れ出した血が、刃となって、ロボット達に襲いかかる。

「聞こえてるか分からないが一応話しとくぜ。俺のブラストは『関わった相手を念じて殺す』事が出来るが、そう言う能力ってわけじゃねえ。」


「数秒話したり姿を見せたりした相手の血を操るブラスト。それで他人の血を操って無理やり出血させてたんだよ!」

 霧島はそう言いながら、自身の血を刃とにして飛ばし、ロボットを全て破壊する。ロボットは木っ端微塵になって地面に転がる。

「そして、俺自身の血は自由に操る事が出来る......ただ、消耗は激しいがなぁ!」

 最小限の時間で血の刃を振り回し、すぐに止血した。


「そんなの......そんなの聞いていないネ!!奏君の『相手に真実を話させる』ブラストは絶対のはずなのに!なのにどうして!?」

 ロボットについていた通信機でピキタンが霧島に向かって話す。

「ピキタンやめて!霧島薬子のブラストは通信機越しに会話をしても発動してしまうのよ!!」

 そう言うと薺さんは無理やり通信機を破壊する。


 通信が切断された事に気づかず。霧島がピキタンに対し、質問に対する答えを出す。

「確かに俺は、奏累に対してこの能力に関しての全てを、強制的に話させられたよ。」


「でもな、俺の能力についてお前らにメッセージを送る途中前半の文を送ったところでアイツは力尽きんだ!!そこで俺がアイツのフリをして文章の後半に嘘の情報をメッセージにして送ったんだよぉ!!」

 ゲラゲラと笑いながら愉快そうに話す霧島。

「俺のブラストの正体を探ろうとして無駄死にしたのさ!自分がすぐに死んじまう事に気づかず、必死こいてなぁ!」

 何かを思い出したかのように一瞬だまり、再び話しだす。

「そういえば10年前、似たような奴がいたな......マモルとか言ったか?全身から血ぃ吹き出しながら俺の方へと必死こいて近づいて来たっけ?逃げてりゃ命は奪わなかったものの......とんだバカ野郎だったな。」

 相当大声を出していたのか、京平のブラストが一瞬弱まったのか、俺の耳までこの言葉が届いてしまった。


「俺の父さんを......父さんをバカにするなあああああああああああああああああああ!!」

 霧島自身、俺がマモルの息子だって事を知っているわけでは無く、挑発をしたつもりも無いだろう。ただ偶然、その事を思い出しただけなのだろう。


 しかし俺は、その言葉が許せなかった。

「待つんだ丈夫ますらおくん!」

 佐川さんの声は俺には届かず。俺は思いっきり霧島に向かって走って行った。

最終決戦開始!


丈夫、怒り狂う!!

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