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ブラスターハンターズ ヤチママタタSAGA  作者: えのしぃ
第4章 過去
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15年前の記憶、城月帝との邂逅

お久しぶりです!

今回から過去編です!

 15年前......

大瓦おおがわらさん!今です!」

 ジーパンに柄のついたシャツを着た男が声をかける。彼はだいもんじ丈夫ますらおの父親、だいもんじまもる。今はブラスターを捕まえる任務の最中だ。

「ああ、行くぞぉ!【人生劇場ユグド】!」

 この頃の大瓦の身体は五体満足で車椅子には乗っていない。彼が能力の名前を叫ぶと、目の前に大瓦の10年前の姿が現れる。そう、彼の能力は『過去の自分の姿をした分身を作る』と言うものである。分身は4つ現れ、目の前にいる3人のブラスター全員の身柄を拘束する。


「さっすが大瓦さん!頼りになるねー!」

「それ程でも無いわい!」

 大瓦と護は、二人ペアで任務に就くことが多い。護が電撃のブラストで相手の体を痺れさせ、そのスキに大瓦の分身が相手の身柄を捉える。今回の様なコンビネーションで何人ものブラスターを捕まえてきたのだ。


「なーんだもう終わっちゃったのか。」

 二人の背後から声が聞こえてくる。

「誰だ!」

 護が声の方向へと振り向く。そこには、現在のブラスト撲滅教•三賢王さんけんおう城月しろつきみかどの姿があった。

「僕は城月帝。君たちを殺しに来たよ。」

 こちら側へとゆっくりと歩み寄る帝。

「護、行くぞ!」

 大瓦の掛け声と同時に、護が掌から電撃を出す。だがそれと同時に帝もブラストを発動する。


八重子やえこ!?」

 帝の目の前に、大瓦の孫娘が現れた。しかし、彼女は去年交通事故で亡くなっていた。困惑する大瓦、それを見て攻撃をやめる護。

「生きておったのか!?八重子(やえこ)!!」

 大瓦が涙目で自身の孫娘の方へと近寄る。

 しかしその瞬間、彼女の姿は消え、それと入れ替わるようにナイフを持った男が大瓦の背後に現れ、彼の背中を斬りつける。

「グハァ!!」

 倒れる大瓦。

「大瓦さん、大丈夫ですか!?」

 護がそばに駆け寄る。


「こんなにも簡単に引っかかるとはね......」

 嘲笑しながらこちらを見る帝。

「教えてあげよう。僕のブラストは『過去に僕が殺した人間を一人蘇らせ、配下にする』能力だよ。」

「なんだと!?」

 帝の言葉に驚く大瓦。死者を蘇らせる能力にもだが、最も衝撃を受けたのは......

「お前が......八重子を......何故......」

 確かに八重子は交通事故で亡くなった筈だ。彼によって殺されたなど。そう考え、困惑する大瓦。その姿を見て、帝が答える。

「自分の駒を増やしたかっただけさ。その時ただ目の前に君の娘さんがいただけさ。僕が蘇らせた死人にトラックを運転させ、轢き殺した。」

 笑いながら話す帝。

「そしたらびっくり!その子はブラスターハンター、大瓦五右衛門の孫娘だって事が後から分かってねー。死んだ娘の姿を見せたらどんな反応をするんだろうって思ってさぁ。それで今に至るってわけ。」

 その様な狂った理由で人の命を簡単に奪うのか。大瓦の怒りが爆発する。

「きぃぃいいいさぁぁぁああまぁぁあああ!!」

 背中に大きな傷を負ったとは思えない覇気で吠える。


「大瓦さん!!」

 それを見ていた護が、彼を止めようとするが、彼の心の叫びを受け取り、そっと見守る事を決める。


破力全放出ブラストオフ!【終末劇場ラグナ】!!」

 大瓦の分身が約200人ほど現れ、同時に帝の元へと飛びかかる。

「フッ。」

 それを見た帝が笑うと、その目の前に長い刀を持った女性が現れる。その直後、先程現れた分身が全て消滅する。

「どう言う事だ!?」

 衝撃を受ける大瓦。

「僕が蘇らせた人間は、その人間が死ぬ前の能力をしっかりと有している。僕は今蘇らせたこの『或香あるかちゃん』にブラストを使わせたのさ!」

 帝が呼び出した女性の頭をポンポンと撫でながら説明をする。

「彼女のブラストは『本来あるはずの未来を別の未来にすり替える』と言うもの。『僕が襲われる』未来を『目の前の分身が消える』未来にすり替えたのさ。」


「なんだと......」

 超常的なブラストは今までにいくつも見てきた。しかし、未来をすり替えるなどと言う規格外の能力は見たことも聞いた事も無い。衝撃を受ける大瓦。

「あ、勿論限度はあるよ。と言うか、今ので彼女のブラストも僕のブラストも殆ど限界になっちゃったよ......そろそろ行こうかな、またね!」

 帝がそう言い、大瓦と護の目の前から突然消える。残った破力を使い、未来をすり替える能力で逃げたのだろうか。


「待て!......うおおおおおおおおおおおん!!」

 涙を流し、叫ぶ大瓦。


「絶対、捕まえましょう......」

 護が彼の元へ歩みより声をかける。

「ああ。必ず!!」

誓い

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