仰扇の決断、大切な人の為に
やばい、なんか楽しくなってきてしまった!!
新キャラが三人でるよ。
「うっ......ここは、病院なのか?」
俺はベッドで寝ていた。
コンビニであのスーツ野郎と戦った後から記憶が無いのだが、気絶でもしていたのか?
傷も、なぜか治っている。
「そうだ、キャトラは!?」
辺りを見渡す俺。
俺が寝ているベッドの他に5つ、そのうちの1つに誰かが寝ていた。
「す、すいません......」
寝ている事をお構い無しに話しかける俺。
「ああん?なんだよ?」
え!?え!?え!?え!?
「お前は、あん時のスーツ野郎!?」
「お前は、あの時のガキ!?」
間違いない、この顔を忘れるはずがない!
「どうしてこんな所にいるんだよ!」
「知らないね、こっちが聞きたいくらいだよ。」
こんな所で言い合っても仕方無いと分かっていながらも、声を荒げてスーツ野郎と話す俺。
その時!!
「うるさいネ、さわがいしいネ、だまってネ!」
部屋に誰か入って来た!
白衣を着ていてちょっとハゲている、150cmくらいの少し変態っぽいおじさんだ。
彼に続いてもう一人
「保護した二人、目覚めたのですね。」
白衣を着ていてポニーテール、175cmくらいの真面目そうなお姉さんだ。
「うっわ凄い身長差!」
思わず声に出してしまう俺。
「そうだ!ここは何処なんだ?キャトラは無事なのか?」
「この場所についてはこれから詳しく話します。取りあえず、私達について来てください。」
ポニテお姉さんとチビハゲおじさんが部屋の外に出ていく。
俺とスーツ野郎も黙ってついて行く。
廊下にて
「なぁガキ、すまなかったな。」
スーツ野郎からの意外過ぎる言葉。
「ガキじゃねえ、大丈夫だ!!謝って来るなんてびっくりだ!許さないけど。」
「言い訳にしかならないだろうが、僕は金で雇われてお前のガールフレンドに手をかけた。僕にはどうしても金が必要だったんだ。」
俺から目をそらしながらスーツ野郎は話した。
「でもお前、めちゃくちゃノリノリだったじゃん!」
「酒だよ。こんなこと正気の状態じゃ出来ないから、酒で自分を狂わせたんだよ。本当にすまない......」
「お、おう。」
「着きました、こちらです。」
到着したようだ。
ポニテの姉さんが扉を開ける。
そこにいたのは......
「木刀を持った......幼女!?」
扉の先に署長室のような所だった。
モノクロのスカートとパーカーを着て、右手に木刀を持った9歳くらいの女の子の姿が、そこにはあった。
「アミラさん、例の二人を連れてきました。」
高身長ポニテ姉さんが幼女に向かって話す。
「うぬ、お疲れ様だ!」
幼女がこちらを向いて話す。
「大丈夫!!そして村雲仰扇!!ようこそ!スティルステラ•ヤチママタタ支部へ!」
「スティルステラだって!?」
驚く俺。
スティルステラはこの国の三大ブラスターハンター組織の一つと言われている。
ブラスターハンターってのはブラストを使って悪事を働く奴ら、ブラスターを捕まえる、国家公認の職業の事だ。
幼女が続けて話す。
「君たち、ブラスターハンターにならないか?」
「え!?」
突然のスカウトに驚きを隠せない。
「俺たちがどうして?俺なんてブラスト持って無いし、こいつなんて俺の友達を傷つけた犯罪者だぞ!逆に捕まるべきだ!」
「まあまあ落ち着け少年。順を追って話そう。ゴホン」
落ち着いた俺を見た幼女が咳払いをし、話を始める。
「先週、キーリンタウンでのテロ事件があっただろう?あの事件の鎮圧に出たうちのハンター37人が重症をおってな、人手不足なんだ。」
キーリンタウンでのブラスター達のテロは、テレビのニュースでも話題になっていた。
「そして昨日、倒れた君たち二人とキャトラちゃんを私の部下が発見してここに連れてきた。そして、その部下が言ったんだ。」
「こいつらエゲツないよ、と。」
エゲツない???
「勝手ながら、うちの研究者に君たち二人の事を調べてもらった。そしたらなんとビックリ!!とんでもない量の破力反応があった!」
破力というのはブラストを使う為のエネルギーの様なもので、破力が大きなければ大きい程、より良いブラストを使うことが出来ると言われている。
「少年、君は先程ブラストを持っていないと言ったな?それでも問題無い。ホレ、これを持ってみ。」
幼女が懐から取り出した拳銃を受け取る俺。
「それは、破銃ヘーニル。その銃のトリガーを引けば君の破力が弾丸になって飛んでいく。それを使えばブラストを使えなくても、戦う事が出来るだろう。我々の仲間になるなら、それをやろう。」
「どうだ?ブラスターハンターにならないか?」
幼女に改めて問われる。
「もう少し、考えさせて欲しい。」
そう答える。
「そうか、ゆっくり考えるといい。そっちの君はどうだ?君は普通にブラストを使えるようだが?」
スーツ野郎に幼女が問いかける。
「僕は、なりたい......俺にはたくさんの金がいるんだ。だけどいいのか?僕はさっきコイツが言った通り、善良な市民を傷つけた犯罪者だ。前科持ちの人間を雇っちまってもいいのか?」
ブラスターハンターの収入は世界の職業の中でトップクラスだ。
特に優れた功績を上げたブラスターハンターは億万長者と呼ばれる程の大金を獲得している。
スーツ野郎の話を聞き、幼女が微笑む。
「問題無い、君を任務に向かわせる時には、必ず監視を付ける事にする。それに君、本当は凄い優しい人間だろう。目を見れば分かる。」
スーツ野郎は少し黙った後
「それじゃあ、よろしく頼む。」
と軽くお辞儀をした。
「あぁよろしくな村雲仰扇!私の名前は睡蓮院網楽だ!」
二人はがっしりと握手をした。
ブラスターハンターになる道を選んだ仰扇!!
その未来に待つものは!?